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SEMマスターの書評
ソーシャルメディアマーケター美咲新人担当者美咲の仕事帳/感想

ソーシャルメディアマーケター美咲新人担当者美咲の仕事帳/感想

2011年04月18日
SEMマスターの書評

キズナのマーケティングソーシャルメディアが切り拓くマーケティング新時代の著者である池田紀行氏による新しい書籍で、ストーリーでわかるソーシャルメディアマーケティングの現場の本になります。

主人公である遠藤美咲が悪戦苦闘しながら、ソーシャルメディアマーケターへと成長していくさまが描かれています。

ソーシャルメディアマーケティングというと、いささか胡散臭くも聞こえてしまいますが、いったいどんなことをやっているのか、何をやって何をやらないべきか、目的はどのように設定するのか、はたまた効果測定はどのように行っていくのかなど、ソーシャルメディアマーケティングにおける重要な個所が、しっかりと描かれた本当にためになる書籍です。

ここまでしっかりとソーシャルメディアマーケティングについて描かれている書籍を僕はほかに知りません。少しでもソーシャルメディアに関わる方々には是非とも一読をお薦めしますし、ソーシャルメディアだけではなく、マーケティングに関わる方々にも非常に役立つ箇所の多い書籍です。

ソーシャルメディアマーケター美咲新人担当者美咲の仕事帳/レバレッジメモ

手段の目的化をするな。
ソーシャルメディアを使うことが前提になっていて、本当の目的を達成させることから目をそむけてはいけない。

ソーシャルメディアはソーシャルグラフのみで情報が伝わる場所
テレビなどのマスメディアと比べるとマス商材の「認知の向上」には向いていないといえる。マス規模の認知を獲得する場合は、やはりマスメディアは欠かせないのだ。

仲間ゴトづくり
ソーシャルメディアは「仲間ゴトづくり」に適した場所。でも、逆に「世の中ゴト」させるパワーはない。

コミュニケーションプランニング
「コンテクストプランニングが重要」である。ターゲット消費者にハマるコンテクスト（文脈）をつくり、いかにそこに今回の企画を自然な形で入れ込むか、そこが勝負になる。

ソーシャルメディアマーケティングは「プロセスマネジメント」
ソーシャルメディアマーケティングは、結果をコントロールするんじゃなくて、理想的な結果が出るようなプロセスを考え、実行していく「プロセスマネジメント」である。

血の通ってないボタンに意味はない
「いいね！」ボタンを押したり、買ったことを共有したくなる必然性や動機づくりをしてあげているのかってことが重要。そこをすっ飛ばして、血の通ってないボタンだけつけても、誰も押さない。

魔法の杖や打ち出の小槌ではない。
オンラインショップがやるべきデジタルマーケティングには、魔法の杖も、打ち出の小槌も、ウルトラCもない。

潜在層との付き合い方
潜在層とは、いかに関係を持ち始めることができるかということがマーケティングの命題となるのだ。

測定のための測定が蔓延
効果測定の世界においても「手段の目的化」が発生している。つまり「測定のための測定」が蔓延しているのだ。本来、効果測定は「ゴール」が達成できたかどうかの「検証」をし、施策を「改善」するものであるはずだ。

ソーシャルメディアマーケティングは「投資対効果」で見るべき
ソーシャルメディアマーケティングの成果はそのほとんどが「費用対効果」で評価されてしまっている。しかし、ソーシャルメディアマーケティングは「投資」的な側面が強いから、本来は「投資対効果」も評価する必要がある。特にソーシャルメディアマーケティングは顕在顧客の刈り取りよりも、潜在顧客の育成や、既存顧客のファン化によるLTV向上などに強みを発揮する施策なのである。ソーシャルメディアマーケティングにも明確な役割があり、その役割が違うんだから、評価の指標も分けて測定・検証する必要がある。