同時通訳で一番大事なものとは?

Google partners
先日、福岡で開催されたGoogle partnersのイベントの登壇までに大分時間があったので、ホテルをうろうろしていたところ、東洋医学の先生という方に呼び止められ小一時間話し込んでしまった。

東洋医学と西洋医学の違いから始まり、なぜ若い医者は頭が硬いのか?なぜ若い医者は東洋医学を信じられないのか?などなど、その他にも元々投資銀行のトレーディングデスクに携わっていた事、車が好きなこと、僕の見かけがこれから仕事には見えないこと(登壇者はGoogleのパーカーを着させられていたからかも)など、僕はなんだかその先生に妙に親近感を覚え、本当にいろいろなことを話した。

※ちなみになぜ若い医者が頭が硬く、東洋医学などを信じ難いのかといえば、経験が足りない分、これまで詰め込んできた知識に頼るしか無いからだそうだ。ここからスタートして、何度も論理的に解決できない問題に遭遇し、少しずつさまざまな経験値を得ることで柔軟な思考を手に入れていくようだ。この話なんかは僕らの仕事も同じですよね。

その中で特に印象的だったのが、「同時通訳で一番大事なものとはなにか?」という話だったので覚書的に書き残しておくことにした。

みなさんは同時通訳で一番大事なものはなんだと思いますか?英語力?自頭?洞察力?いえいえ、全て違うそうです。

この先生は同時通訳で一番大事なものは日本語力と話していて、あぁぁなるほどなと非常に共感したんですね。

I am a cat.

これを皆さんはどのように訳しますか?

この場合、優れた翻訳者は「私は猫である」ではなく、「我輩は猫である」と訳すんだそうです。優れたという定義は人それぞれだけれど、日本人であれば後者のほうがすんなりハラオチさせることが出来るのは言うまでもありませんね。

ただ真正直に直訳することが優れているということの定義ではなく、多少はみ出してでも伝える側に合わせてわかりやすく解説することが出来る翻訳者こそが優れた翻訳者なんだというのです。その為、必要なのは英語力よりも日本語力だというわけですね。いや、これ実に面白い話で、さまざまな分野でもこれは同じだと僕は思った。

一定のレベルまでは仕組みとルールを知っていればどうにかなるのだけれど、一定以上のレベルを超えてスペシャルに成るにはその枠を超えたものを手に入れなければならない。投資信託の営業で最も大事なことは老人の話し相手になることであることは有名な話だし、優れたECサイトのオーナーはモノを売っているのではなく、ストーリーを売っているという。

これらと同様に、僕らの仕事で言えば広告文ではさまざまな角度からのモノの見方や日本語力がモノを言う。更にディスプレイネットワークやYDNの配信先の洗い出しはこれまでの経験や発想力、つまりボキャブラリーの豊富さがなければ突き抜けることは出来ない。

未来がなぜ特別で大切なのかといえば、それが「まだ訪れていない」からではなく、その時に「世界が今と違う姿になっている」からだ。 ~中略~ 未来は今と違う、だけど未来は今の世界がもとになっている。 by Peter Thiel

ピーターティール(Peter Thiel)はこのように言った。そして「人生において余計なことなど何ひとつもない」と誰かもいったけれど、それはまさに金言だなと思う出来事だった。無駄だと思っていたものがいつの間にか将来の自分を成形していることだってある。だから今日もできる事からコツコツと自分にできる事を頑張っていこう。

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