社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由/感想


株式会社ハイパーネットの代表取締役、板倉雄一郎氏が創業から倒産、自己破産まで実際に歩んだ軌跡を具体的に書き出したノンフィクションの作品です。知人の社長より”素晴らしい書籍”ということで薦められ購入し、P350以上にも上る本書を僅か数時間で読み終えてしまいました。読むのが早いとかそういう問題でなく、リアルすぎて面白く、止まらなくなってしまう書籍です。

企業としての取り組み方、志、仕事への取組み、勢い、社員との取組み、ファイナンス、人事、嫉妬、妬み、融資、銀行、ベンチャーキャピタル、倒産、自己破産など、すべてのことが板倉氏の経験から書き出されており、私自身は比較的本を読む方だと思うのですが、こんなすごい体験は初めての体験でした。

筆者が経験している一つ一つの出来事がじわじわと実体験のごとく伝わってきます。また、起業家の方であれば自分に置き換えながら読み進めることも出来ると思いますし、正直いろいろ考えさせられる書籍です。

社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由/レバレッジメモ

新たなアイデアが誕生する時
ある目的や欲求をベースに、日々の情報がその人の脳に断片的に積み重ねられ、あるとき最後のキーが入力されると全体が有機的に絡み合い、新たなアイデアが誕生する。僕の場合は、広告やマーケティングに対するこれまでのビジネスで得てきたノウハウと経験、それにインターネットを何とか商売の道具に仕立てようとの欲求が有機的に結びついて、「これ」が閃いたのだろう。

問題は結果である
ビジネスの社会で、その場その場の取引が理不尽かどうかは必ずしも問題ではない。

ヒトは企業の最大の財産
中小企業にとっては、最後は金じゃない、ヒトだ。

社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由/まとめ

レバレッジメモと呼べるものは当たり前の物ばかりで少なめですが、それ以上の価値が本書にはあります。

特に契約体系の”甘さ”が数年後に足を引っ張ってしまう箇所や、取引先企業との関わり方、銀行・ベンチャーキャピタルなどとのかかわり方など、実体験でしかわかりえない内容などが本当に本当に考えさせられますね。。。

なんというか、もう、他の書籍とは格が違う・・・。そんな書籍です。
社会のリアルな仕組みが垣間見える本書は起業を志す者、道半ばな方々には是非読んでいただいたいと思います。

社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由
板倉 雄一郎
日経BP社
売り上げランキング: 962

執筆/掲載記事

▲