婚活女子から学ぶ、シンプルな判断基準

僕らのこの世界では、何かしらの判断をしなければいけないケースが少なくないのではないかと思います。更には年齢を重ねるごとに、日々、さまざまな決断をすることを余儀なくされ、深く、頭を悩ませる人も少なくないだろう。かくいう、僕もそんな中の一人で、日々決断に大きな迷いを持つことも多い。

そんな時、「選択肢が多すぎる」のが決断をぶれさせる要因だと思われがちですが、それは誤りなのかもしれない。

Chikirinの日記でおなじみのちきりん氏の新刊『自分のアタマで考えよう』(知識にだまされない思考の技術)、では、こういった場合、「決められないのは選択肢が多すぎるからではなく、”判断基準が多すぎるから”」だといいます。

本書では、婚活女子のシンプルな判断基準を例にとり、非常に分かり易く、そして面白く紹介しているので一部を紹介してみよう。

判断基準が多いと決められない

多くの婚活女子は切羽詰まっているので、「顔も身長も収入も性格も家も財産も将来性も…」と多くの基準に固執したりはしません。そんなことをしていたらおいしい餌はすぐに他の魚に奪われてしまいます。

目の前にいい餌が現れたらすぐさまそれをモノにできるように、彼女らは、「重視するべき判断基準」をふたつまで絞り込み、そのふたつの基準だけで即座に判断ができるよう身構えています。

これによると、婚活女子の皆さんは、概ね「経済力」と「相性」に絞り込むようだ。(男子諸君にとっては怖い話だけど、見習う点も多いかもしれない)

マトリクスに落とし込むとこんな感じ。

経済力、相性が合えば”即ゲット!”へと思考がシフトし、実行へとうつされるわけだ。

ただし、全ての男性がそんな良物件のはずもなく、相性やライフスタイルは合うけれど経済力が低いだとか、その逆で即ゲット!へ届きそうで届かない人と出会う場合もあるだろう。

そんな時、婚活女子は「とりあえずキープ」であったり、怖いことに「つきあいながら考える」という対応をするとのこと(笑)。それをマトリクスに落とし込むとこんな感じになる。

つまり彼女らは、「経済力よりは相性の方が、自分の力で改善できる余地が大きい」と合理的な判断をし、このふたつの基準の中の優先順位も明確であるということだという。

このように、予めどういった男性が出現したらどのような対応をするのか、自分の行動を明確にすることで無駄を省き、チャンスロスを防いでいるのだ。

なんと分かり易い合理的な判断なんだろう。うん。

婚活女子から学ぶ、シンプルな判断基準/まとめ

例えがあまりに生々しいので男子の僕にとっても多少複雑な気分だが、「自分はなにによって物事を判断すべきか」さえ明確にしておけば、すべての物事の決断は簡単に、シンプルになる、という、秀逸な例えなのかもしれない。

全てのものが重要であるのはわかる。ただ、最終目標を掲げ、その達成の為に必要不可欠なものに優先順位を与えれば、物事の決断、判断はもっと容易なものへと変わるのかもしれない。

自分のアタマで考えよう/感想


一部だけの紹介になってしまったけれど、本書の中では上記でも書き出しているようなさまざまな例を出しながら、ちきりん氏独特の切込み方で解説されており、自分のアタマで考えることの重要性を紹介しているのでなかなか面白い。

例えば、「プロ野球ファンの年齢別構成比の1970年から2010年までの変化」というデータをみると、置かれた立場や着目点の違いによって、まったく異なる判断をしてしまうという内容なんかは、リスティング広告やアクセス解析をやっている人たちにとっては親近感が湧く事例で非常に面白いと思う。

一つのデータを見ても、ただそれを真に受けるのではなく、「Why?」「So what?」と問うことが非常に大事であるとも説いています。

新たな物事の考え方を得たい方、データなどからの思考方法をこれから学びたい方にはお薦めかもしれません。こういったことを紹介している書籍って、珍しいんじゃないかなぁ。

そんじゃーねー!

自分のアタマで考えよう
ちきりん
ダイヤモンド社
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ちなみにゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法もちきりん氏の書籍でお薦めです。

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