リーダーは弱みを見せろ GE、グーグル 最強のリーダーシップ/感想
リーダーシップの考え方やスキルの大半は、過去の膨大な研究・実践から体系化されており、努力次第でだれでも身に着けることが可能なものだと筆者はいいます。
筆者はGEとGoogleというグローバル先進企業の2社でリーダーシップを教えた経験を持つ鈴木雅則氏。東日本大震災を経て、日本は「リーダー不在」を露呈してしまい、リーダーシップを国や一部のエリートに任せておけないことがはっきりとしました。
そんな誰もが普通にリーダーシップを発揮する必要がある時代、本書の中では体系的にわかりやすい口調でリーダーシップの「型」を紹介しています。その中の1つがリーダーシップ実践の3つのステップと、3つの問いかけです。
- 自分を知る。(私は誰か?)
- 絵を描く。(私はどこへいきたいか?)
- 人を巻き込む(私はどうやってそこへ行くのか?)
1.自分を知る、つまり自己認識力を高めることで大きな困難にぶち当たっても自分の軸がぶれることなく、意思決定できるようになります。ここでは「思考・行動のパターンの見える化」を行い、物事の結果ではなく、原因を確認するのです。
2.絵を描く、「自分を知る」で見つけたことをベースにビジョンを構築します。頭の中を自分のやりたいことでいっぱいにして、細部まで考えつくす姿勢が必要です。ここでは「ビジョンの見える化」を行い、潜在意識から生まれるインスピレーションを大事にして、将来の自分や組織をイメージし続けます。
3.人を巻き込む、つまり他者を巻き込んでビジョンを実現させる方法を考え、実行します。このステップでは「コミュニケーションの見える化」を行い、普段何も考えずに行っているコミュニケーションを、戦略的に実行できるようにします。
これらを心がけ、具体的に行動していくことでリーダーシップを高めることができるとのこと。こうやって書き出してみるとどれも当たり前の事ではあるかもしれないけど、無意識的に自身が行動できていたかと思えば少々疑問であり、常に意識していかなければいけないことだとあらためて考えさせられました。
その他にもリーダーシップに必要不可欠な要素が多く含まれている実践的な書籍です。以下は特別気になった名言だけを取り上げます。
リーダーは弱みを見せろ GE、グーグル 最強のリーダーシップ/レバレッジメモ
ジョン・ウッデン
才能だけでは一度はゲームに勝利することはできるかもしれない。しかし、勝ち続けるにはキャラクター(人格)が求められる。
井深大
この人にはこれだけしか能力がないなどと決めつけては、能力は引き出すことができない。
ユング
他人に接してイライラすることすべては自己理解に役立つ。
偉大(Great)の敵は良好(Good)
なぜあなたはBで満足するのか、Aを目指さないのか?
リーダーは弱みを見せろ GE、グーグル 最強のリーダーシップ/まとめ
「リーダーは弱みを見せろ」という題名がフィットしているか、そうでないかと言えばきっと後者の印象が強いわけではありますが、リーダーシップを改めて考えることが出来る面白い書籍です。
本書はチームリーダーや人事のポジションの方々だけではなく、リーダーシップを発揮される側の人にこそ是非手に取って頂き読んで頂きたい書籍ではないかなと思います。
リーダーシップの書籍、というよりも若干自己啓発的な印象も受けますが、新書ですし内容もとっつきやすいのでスラスラ読めてお薦めです。
光文社 (2012-03-16)
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