リスティング広告戦略がフィットしていないのであれば、出来るだけ早い段階で戦略事態を見直した方がいい

リスティング広告に限らず、何かを新たに行う場合や方向転換(ピボット)を余儀なくされる場合、戦略が非常に重要だと僕は思うのです。戦略はすべての思考・施策の大上段に有るべきものであり、これ以上の概念は無いといっても過言ではないでしょう。それ程までに需要な概念が”戦略”です。

ただし、どれだけ緻密な調査の上に導き出された戦略でも、その戦略が必ずしも思い通りに作用するとは限りません。

戦略を練り上げアカウント設計を行い、実際に落としこむ。その上で運用し、初めは不安で不安でたまらない。それは百戦錬磨のプレイヤーや戦略家でも同じだと思うのです。そして、その戦略が当たることも外れることもあるでしょう。いえ、厳密に言えば後者のほうが多いはずです。

そんな中でも厄介なのはこんなケースです。

戦略すべてがフィットしてはいないが、目標獲得数、目標獲得単価を上回る場合

数字上は勿論これでも良しとなりえます。だってあんなに苦労して戦略を練り上げ、現場に落とし込んだんだもの。否定はだれだってしたくない。

ただし、筆者の経験上、この状態で良しとしてしまうと、後で痛い目をみることが多いなぁと感じます。それは思考的にも、成果的にも同様と言えます。戦略がフィットしていないのであれば、出来るだけ早い段階で戦略事態を見直した方がいい。

良い戦略を立てることと、良い仮説を立てることは同じ論理構造を持っています。仮説が外れたのであればそれらの原因究明が不可欠ですし、新しく仮説を立て、早い段階で今の状況に順応する必要があるでしょう。そうでなければ継続的に成果を出し続けるのはほぼ不可能とも言えるかもしれません。

仮説が外れた時同様、偶発的な成果は戦略を含む事前準備によるもののお蔭ではないと認めなければいけません。厄介なことにリスティング広告では往々にしてまぐれでの成果が出やすいものであるということも理解しておく必要があります。


「初期の仮説は必ず外れる。成果を分けるのはその後の”行動”だ。」

これは3月に行ったセミナーでのスライドです。僕は仮説が100%フィットすることは無いといつも思ってます。数字上の話であればおおよそ70%程度フィットしだすと成果は見えるものになるかなぁという肌感覚はありますが、100%フィットすることはありえない。だからこそ、そのアカウントをさらに伸ばし続けることが出来るのは、その後の”行動”次第だと思うのです。

だからこそ、戦略がフィットしていないのであれば、出来るだけ早い段階で戦略事態を見直した方がいい。

良いリスティング広告戦略とは?

ブログなんかではリスティング広告戦略の話は出来るだけ避けてきたんだけど、折角戦略の話をしたので軽くだけ補足すると、良いリスティング広告戦略とは以下のようなものだと僕自身は考えます。

良い戦略にはしっかりとした、診断、基本方針、行動の3つの要素で構成される。状況を判断して問題点を明らかにし、それにどう対処するかを基本方針として示す。これは道標のようなもので、方向は指し示すが、細かい道順は教えない。この基本方針の下で意思統一を図り、リソースを投入し、一貫した行動を取る。そして良い戦略は一点豪華主義、単純かつ明快である。

これは名著「良い戦略、悪い戦略」で紹介されている一部であるけれど、端的で且つ的を得ており、大いに同意するところです。

良い戦略、悪い戦略
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