僕は過去に当ブログやtwitter、セミナーなどを含め、さまざまな箇所でインハウスリスティング広告の運用を推奨しているし、インハウスリスティング広告こそが未だに最高の管理体制であることに疑う余地はないと思っています。それはリスティング広告だけに限らず、運用型の広告であればやはりインハウスこそが理想郷であることに代わりはありません。

僕はこれまでさまざまな管理体制の良し悪しを、きっと普通の人よりはかなり近い距離で長い時間見てきたと思うのです。だから特に何かに対してアンチテーゼを唱えるわけではないんだけれど、昨今のインハウス推奨度合いは少し短絡的過ぎるのではないか？と思っています。お前も推奨しているやないか！という突っ込みはさておき、僕はある程度リスクを踏まえた上でインハウスリスティング広告を推奨しているんですよね。(言葉が足りない時も確かにあるいかもしれないけど…)

参照：入札型広告のインハウス運用の必要性 – 業界人間ベム
特に少し前に話題になったこの記事は少し短期的な視点で物事を見ている気がするのです。それが決して悪いわけではないのだけれど。

ビジネスで一番重要なことは継続性である。

短期的な目標だって重要だと思います。しかし、僕のビジネスのお師匠さんはビジネスで一番重要なことは何か？という問いに対して継続性こそが一番重要であるとどんな場でも、どんな状況でも断言していて、未だに僕はこれ以上の答えを持ち合わせていないのです。

継続性を重要視した場合、インハウスリスティング広告はリスティング広告の管理体制に置いて果たして本当にベストプラクティスになりえるのかと考えた時、その答えは非常に難しいものになると僕は考えます。

それにはいくつかの理由があるけれど、(参照：インハウスリスティング広告がもっとも優れた管理体制である理由)その中でも群を抜いて問題視しているのは、飽き(倦怠)であろうと断言できる。

“飽きる”とは辞書などを引けば「刺激に慣れる事」などと言い換えることが出来るけれど、糸井重里氏はダーリンコラムにて”飽きる”の定義を以下のようにわかりやすく表現しています。

飽きるとは、受け取れる情報が尽きること。あるいは、発信している情報を受け取ろうとする動機が受け手のほうになくなること-ダーリンコラム

インハウスリスティング広告を続けていくうちに担当するビジネスのことだけではなく、リスティング広告についても深い知識を取り入れることになります。これにより、一定以上の知識量を超えた場合に”飽きる”という現象に見舞われるはずです。そしてそれは情報を受け取る動機がなくなることであり、その時こそ完全な”飽き”がやってくるのではないか？特にインハウスは特定商材だけを扱っているケースも多く、このケースだと飽きが訪れる傾向が非常に強い。

リスティング広告で出来ることはある程度限られているので、本質を理解すればするほど必要な情報ソースはそれほど多くないということに気づくでしょう。そんな時、優れたリスティング広告プレイヤーであればあるほど、自分のスキルのさらなる高見を目指し出すはず。それは人によって他部署への移動であったり、他の商材(離職)であったりとさまざまだけれど。

これらを踏まえれば、インハウスリスティング広告(特定の商材だけを施策し続けるという意味で)で”継続的に”高い成果を出し続けるのは非常に難しいととることもできますよね。(社内で回す仕組みづくりが完全にできていればいいですけど、これってかなり難しいんですよね)

短期的な120%よりも、継続的な80%を求める姿勢は悪ではない

短期的に爆発的な成功を生み出す施策よりも、継続的に80%を生み出す施策を求めるのは企業として当たり前とは言わないけれど、リスクヘッジとしてはある程度正しいのかもしれない。僕は最近そんな風にも考えます。そのために外注するっていうのは決して悪いことではないんですよ。(決して広告代理店を推奨しているという意味ではなく)

だからこそ、「インハウスリスティング広告運用は本当に理想の管理体制なのか？」と問われれば、僕は都度相手の企業体制や考え方に合わせて提案したいと思うのです。闇雲にインハウスリスティング広告運用を推奨するのはいただけないし、足元しか見てないんじゃないかと少し残念に思う時も少なからずあります。

継続的に成果を出し続けるには、どのようなリスティング広告管理体制が望ましいのか？をそろそろ本気で考え直さなければいけない時期の企業も多いんじゃないかな。その為には施策者の今後のキャリアプランなんかも考えて上げる必要性があるのではないかとも思うのですよ。

あいも変わらず収拾のつかないまとまりのない文章書いてますけど、SEM-LABOはインハウスだろうが、広告代理店だろうが、リスティング広告プレイヤーを応援しています。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。