ビジネスマンの父より息子への30通の手紙/感想
財産や事業など残すより、いちばん大切なのは、一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウの集積である。これだけはぜひ息子に伝えておきたい
こんな素敵な前書きから始まる本書は、ビジネスにおける普遍の真理をついているという書評をどこかで見かけましたが、いやもう、本当に素晴らしい書籍で、今までこの書籍に出会えていなかったことが寂しくなってしまうほど感銘を受けてしまう書籍でした。
この書籍は父から息子への手紙というよりも…生きる教訓だとか、仕事への取り組みだとか、さまざまな有名な人物の明言を引用しながら、そういったものを自分の父親代わりになって教えてくれる本当に興味深い書籍です。
私の父親も経営者である以上、本書で上げられる内容を無意識にこれまで教えてくれてきたのかもしれない…などと考えると、なんだか父への接し方も変わってきますね…実際。
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙/レバレッジメモ
チャールズ・ダッドレー・ワーナー
「もっと大きくなれるのに、なんと小さな俗物であることよ」
私は心からワーナー氏の考えを支持し、私達が頭脳の力を高める方法を学ぼうとせず、怠慢によって自らを浪費していることを値外科鷲区思う。成功を勝ち取るために努力が欠かせないことは言うまでもない。しかしさらに大切なのはその努力をどのようにして成功に結びつけるかである。
進路は現実的に計画すること
成功するためには、人生の目標を定めなければならない。まず自分の目標を定め、つぎにそこへ直接導く詳しい道順を考える。
夢を見るがいい-試すがいい-失敗するがいい-成功するがいい
シェイクスピア
人の世には潮があって、満潮に乗り出せば幸運をもたらし、無視すれば、その航海はすべて浅瀬に乗り上げ不幸に終わる
ガブリエル・ビール
戦わないで征服する人はいない
制度との付き合い方
制度は大きく変わらない。だから制度に不満を言うよりも、制度を巧みに出し抜いてやるといい
フランシス・ベイコンの成功の秘訣
「読むことは人を豊かにし、話合うことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする」
※トップを目指す人にとっては絶対確実な三種の神器である。
トーマス・ハックスレー
「人生の偉大な目的は知識ではなく、行動である」
私はそれに付記したい
「知識の活用が命じる行動である」と。
勤勉さというもの
仕事や勉強の週間はなかなかつきにくい。学びたいという自然の欲求が必要である。集中力を養うことも必要である。しかし何よりも、勤勉さが必要である。これらの好ましい、生産的名態度を身につけることは、90%の人間にとって容易なはずだが、実際にみにつける人は少ない。
人は失敗するたびに何かを学ぶ
努力しなければならないということである。ほかに方法がないからである。精一杯の努力をすれば、たいていのことは叶えられる。しかし競争に勝つのは必ずしも動きの速い人ではない。勝つのは過去の競争から学んで、その教訓を活かす人である。
沈黙は金なり
馬鹿を曝け出すよりは、黙っていて馬鹿だと思われる方がましである。
ジョン・ラスキン
仕事に喜びを見出すためには、三つのことが必要である。適正が無ければならない。やりすぎてはいけない。そして、達成感がなければならない
経験とは
経験は学校や他人から引き出せないので、自分で積むしかない。多少の経験を得ても、気を緩めないで、断固として、学び続けるように。成功からはそれを繰り返せるように、失敗からは同じ失敗を二度としないように。
アルフレッド・テニスン卿
偉大な人物ほど礼儀を知っている
経営哲学の基礎
すべての玉子をひとつの籠に入れるな
読書の重要性
私は人生のこの段階で、ただ読書のおかげで、一生を十回も経験したような気がする。それで優越感を感じるというのではない。そういうことではなく、地上で与えられた時間を有効に使っているという気がするのである。そして、あらゆる意味で、小さな閉鎖的な社会に生まれて、自ら望んだにせよ、望まないにせよ、その外の世界を実際に、あるいは書物を通じて知的に、見る機会のない人たちを気の毒に思う。人生についてどれだけ知ることができるだろう。知らずに終わる事がどれほど多いだろう!
他人の旅路や業績、問題解決のための頭の使い方を思い浮かべて見る事ほど、実際の経験に近いものはない。本はそれを可能にする。本は私達の心を開いて、私達の存在理由を考えさせて、最善を尽くすように励まし、努力を怠ることは、私達それぞれにこの地上で与えられた時間を浪費するのに等しいことを悟らせる。
君の経営術を計り知れないほど向上させたいと思うのなら、広範囲の人々について読むことだろう。
聖トマス・アクイナス
一冊の本しか読まない人に気をつけよう
優れた人物の最も重要な二つの特質
間違いを認める事が出来る人は、優れた人物の最も重要な二つの特質のひとつをすでに備えている。もう一つの特質は、失敗を認める事である。
素晴らしい成果を迎え入れるために、扉を開くこと
責任は、フランクルの言葉で言い換えれば「人間存在の基礎」である。私の観察では、責任を受け入れる人は、最も実りの多い人生を過ごす人である。多くの人は、生来、責任を受け入れるときに、失敗の不安に似た物を感じるらしい。そのような人は、努力した上で失敗するのは恥ではないことを思い出してもらいたい。試みなかった事が悲劇なのである。責任を受け入れることは、挑戦を受け入れる事である。挑戦を受け入れることは、素晴らしい成果を迎え入れるために、扉を開くことである。
サミュエル・ジョンソン
友情を怠惰と沈黙で失うことは、賢明とは言えない。それはこの苦しい巡礼のたびの最大の慰めのひとつを自ら捨てることである。
毛沢東
大多数の人々に明確な規準があるときには、批判や自己批判を妥当な線に沿って行うことができる。これらの規準を人々の言動や行動にあてはめて、彼らが香しい花であるか毒草であるかを判定することもできる。
トーマス・ア・ケンピス
他人が自分の思い通りにならないからといって、腹を立てることはない。自分自身でさえ、思い通りにはならないのだから
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙/まとめ
始めの方は愛する息子に向けての手紙という印象が非常に強いですが、途中からは経営学・生き方・嫁の選び方wなどのさまざまな箇所に言及し、どれも非常に分かりやすく自分の経験に沿って解説しているので読みやすくタメになります。
私が手にした本書は文庫ですが、かなり文字がぎっしりと詰まっているというのと、1年おきに1話ずつ書き出したというだけあり、どこにも読み飛ばしできる要素がありませんので、どんなに速読出来る方でも数日かかってしまうほどの濃い内容になっています。
また、本書の中ではかなり強く「読書」の重要性について、また必要性について書き出しており、概ね、私もその意見には同意します。レバレッジメモの中にもあるように「一冊の本しか読まない人に気をつけよう」という内容にも賛成です。一冊だけを読んで”分かったつもり”になってしまうのが一番危険なんですよね。
さらに「本を読まない人々は損をしている」とか、もっと過激な内容も盛りだくさんで興味深いです。
父親から息子への愛情が強く感じられる本書は、全ての方々にお薦めしたい良書です。考え方や仕事への取り組み方、言い過ぎかもしれませんが、あなたの「生き方」を変える本かもしれません。
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