コピーは作るものではなく、見つけるものだ。

SALUS Vol.155
「コピーは作るものではなく、見つけるものだ。」

ここ数日、この言葉が頭から離れない。これは東急沿線のフリースタイルマガジン、SALUS Vol.155での岩崎俊一氏によるエッセイの一部であるが、これに限らず岩崎氏のエッセイが示唆に富んでいて毎回楽しくて仕方がないのだ。

この言葉について考えてみよう。岩崎氏は自身のコピーライターとしての仕事をこのコラムの中で以下のように表現している。

僕はいつも言葉を探してきた。クライアントの想いを聞き、その意を受けて僕は考える。その結果を自分の胸の中で抱えながら、それをどう言えば、ユーザーに最も鋭く、最も鮮やかに伝わるのか。その言葉をひたすら探すのである。

例えばミツカンのケースである。ミツカンといえば200年を超える「お酢」のメーカーである。卓越した発酵技術を持ち、人々の健康への寄与を目標に掲げ、確かな実績を残してきた。この会社のスローガンをどうするか。

社長にもお会いした。峻烈なる覚悟を持って、自分たちが本分を社内外に伝えたいと考えている。それを受け止め、コピーライターとして究極の表現を探すモードが出来上がる。人によっての究極の言葉、それは「いのち」か。これを最大限に生かす言いようがないかと、その単語の周辺を粘り強く旋回するうちに、幸運にも「やがて、いのちに変わるもの。」というフレーズに行きあたった。今考えている想いピタリとはまると思った。この時の感触を思い出しても、僕は「作った」とは思えない。まさに探しあてたという感覚なのだ。

僕はこれを読み、糸井重里氏の言葉を思い出した。

広告とは商品の中に練りこまれているものだ。
昔からある言い方だけど、石仏を掘る人が「石の中に仏様はいて、周りの石をどかして、出してあげるだけなんだよ」というじゃない。それって見事な言い方でさ…

これは、BRUTUS (ブルータス) 2011年 4/15号 [雑誌]での一コマなんだけれど、これらを見る限り、コピーを作る本職であるコピーライター、それも超一流のコピーライターの考えは、僕達リスティング広告プレイヤーが広告文を作成する工程にも非常に重要なことだということがわかるだろう。

僕らも、ただ単にコピーを作るのではなくて、如何に商品そのもの、商材そのものから重要な要素を見つけて表現することができるか、コピーにすることが出来るかどうか、表現して上げることが出来るかどうかということこそが、広告文成功の秘訣なんだと思う。

更に言えば僕達の場合は商品そのものの表現を上手に行うだけでは不十分で、キーワードごとのモチベーションや配信先ごとのモチベーションを加味することで更に成果を出すことが出来るのだ。ここまで考えて初めて”広告文”のことを理解したと言えるだろう。

広告文に括弧をつけるとか記号をつけるとか、もうそんな安易なテクニックに走る時代ではないのだ。今一度、広告文を見なおしてみよう。広告文の威力は場合によっては2倍、3倍なんてレベルものではない。商材によっては5倍強のデータだって無理なことではないのだから。

広告文について悩んでいることがあれば、以下のスライドも参考になるかもしれません。

結果を出すリスティング広告の広告文の作り方 from Keiji Abe

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