リスティング広告プレイヤーは最初の仮説と心中してはいけない

「リスティング広告において仮説ほど重要なものはない。」「仮説を立て続けろ」「仮説を立てない人間は永遠に成長しない」

僕がこれまでに話してきたリスティング広告のセミナーでは仮説を立てることの重要性を幾度と無く説いてきました。1度でも参加されたことが有る方は、最後の方に出てきたエンリコ・フェルミのスライドを思い出して欲しいのです。

何故、そこまで仮説を立てることを重要視するのか?それは、優れたプレイヤーは必ずといっていいほど、徹底的に仮説を立てる癖がついているからです。また、いろんな人と話していて、「この人なら任せられるな」と思えるのは、仮説思考が身についている人なんですよね。極端な話で恐縮ですが、仮説思考があるのであれば、どんなビジネスでも成功すると思ってます。これは面接時などでも非常に重要視するポイントの1つです。人によっては「考える癖」と言ったりもしています。

仮説を立てる癖がついていれば、「獲得単価が高騰した」場合でも、「目標獲得数を下回る可能性が高い」状況でも、仮説を立てながら1つ1つを論理的に詰めていくことで、ほとんどのケースで解決策が見つかります。この場合のコツは、「大から小へ」です。リスティング広告に限らず、分析を生業にする方はビジネスインパクトを主軸として考え、網羅的に、俯瞰的にみる。そして大局的に捉えるで、限られた時間の中でビジネスインパクトを与えることが出来るのはどこなのか?そういった思考が重要といえます。

参考:リスティング広告のアカウント分析でとっても大切な3つのこと

ある事象の因果関係を考えずに突拍子もない数値を提示してしまったり、自分自身を納得させるために自己本位な脈略もない結論を急いで導き出してしまうのはその場凌ぎに過ぎません。成長への重要なプロセスである「考える」ことからの逃亡とも言えるでしょう。これでは成長しない。論理的整合性に敏感でない人は「論理が破綻しているのに気づかない」もしくは「論理が破綻している気持ち悪さに気づかない」といったケースがほとんどなので、分析云々の前に、仮説思考・論理的思考を手に入れることからはじめなければ、大きな軌道修正は出来ませんので厄介とも言えます。

とまぁ、仮説の重要性だけでもあと1万文字くらいは書けそうなのですが、ここではその大切な仮説と心中ちゃいけない!という話でした。事の発端は金融日記でお馴染みの藤沢数希氏の発言です。


これ、ものすごく真理ですよね。はじめにお伝えしたこととかなり逆説的に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、研究者やベンチャーだけではなく、リスティング広告プレイヤーも最初の仮説と心中してはいけないのです。

徹底的に仮説を立てる、徹底的に考える、というのは、「●●だから▲▲なのではないか?」といった非常にシンプルなものです。ただこのシンプルな仮説を叩き出すには、競合分析からポジショニング分析、ビジネスの歴史や背景、更には世の中のトレンドや、消費者の意識の浸透まで、多くの変数を1つづつ地道に紐解いていくことを指しています。

ここまで考えていると、「●●だから▲▲なのではないか?」といった初期の仮説を導きだす前にうっすらでもほんの僅かでも「●●だから▲▲なのではないか?いや、待てよ。であるとするならば、■■の可能性も否めないが…果たしてどうか?」といった二の矢三の矢も生まれているはずなんですよね。二の矢三の矢があるのであれば、最初の仮説である一の矢が仮に外れたとしても、容易にピボットが可能になります。これが、「徹底的に考える」ということだと思います。

要約しますと僕が伝えたいのは、「リスティング広告プレイヤーは最初の仮説と心中してはいけない。万が一の時に二の矢三の矢を持っていないのであれば、もっと考えよう。」ということになります。若干社内向けです。

他人との比較はあまり褒められた思考とは言えないかもしれませんが、成長への一つのベンチマークとしては有効に働くケースが多いです。その際に、「あの人と私、一体何が違うんだろう?」と思うこともあるでしょう。それは恐らく、「思考の深さ」が違うのかもしれません。もっともっと考えよう。

※仮説思考でリスティング広告運用してる!という方、Wantedlyにて弊社の求人を掲載してますが、そんな肩肘張った状態ではなくてもかまわないので、食事でも行っていろいろ話してみませんか?
https://www.wantedly.com/projects/2987

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