なぜこれほどまでにInstagramが凄いのか?を解説します。

Instagram

2012年4月、当時社員わずか13人の写真共有アプリ「Instagram、インスタグラム」が約10億ドル(約810億円)で買収され話題になりましたね。2015年9月23日時点で4億人のユーザー数を誇るInstagramを見れば大成功の買収劇だと思いますが、当時は「なぜ?」の声で溢れかえっていました。

-Instagram_ユーザー動向-
• 2015年9月23日時点、4億人(わずか9ヶ月で1億人増加)
• 日本でも2015年6月時点で810万人  
参考:インスタグラム、月間ユーザー数が4億人に WSJ

Facebook同様に、Instagramが凄い!を解説します。

参考:なぜこれほどまでにFacebookが凄いのか?を解説します。

Instagramが何故凄いのか?

単刀直入にいえば、Instagramの凄さは写真に特化したことだと筆者は考えます。特化すること、これは戦略上の王道であり、これまでにも語られ尽くしたものであるものの、ことInstagramにおいてはそんな単純なことではありません。

例えば、Facebookはリアルの世界をWeb上に落とし込んだSNSです。だからこそインフラとなり、世界中を巻き込んでユーザーを急激に増加させ続けています。
Instagram2
Facebookはリアルの世界をWeb上に落とし込んだSNSですから、実際のリアル以上にはそこまでネットワークが広がることもないでしょう(一部のスパムっぽい人は除く)。更に、リアルがWeb上に落とし込まれただけですから、実社会同様に使い方を誤るとストレスの高いSNSだともいえます。考えても見て下さい、ニュースフィードで発言する、投稿する行為はFacebook上でつながっている知り合い全てに拡散器で発言するようなものです。

リアルな世界ではそんなことはありえませんよね。一見世界と繋がる!みたいなイメージが強いFacebookですが、実際にはリアルの世界をWeb上に落とし込んだだけのもの、つまり、ローコンテクストなSNSといえるでしょう。

対してInstagramはFacebookとは対照的であることがわかります。
Instagram3
※多少乱暴ではありますが、横軸はリアル、縦軸はノンリアルを表しています。

InstagramはFacebookとは異なり、リアルのつながりではなく(Facebookアカウントで紐付いてフォローしているユーザーも多いでしょうけど)、原則として1つの好みや興味で繋がる非常にハイコンテクストなSNSであるといえます。それをハッシュタグで繋ぐことこそ、Instagramの楽しみ方であり、真の意味で世界と繋がるSNSといえるのではないでしょうか。

また、ハイコンテクストであるが故に特定の趣向を持ったユーザーとしか繋がる必要も無いためストレスは非常に少なく済みます。

更に筆者はInstagramの強みは最小単位のコミュニケーションである画像に着目したことだと思ってます。1枚の画像を見ればその人がどういう気持ちかを理解できます。更には画像は数字と同様に世界の共通言語といえるからです。使い方に自由度を持たせた(ブログのようにテキストを書いたり、検索をして同じ趣向の人を探したりなど、利用度はさまざまです)ことも大きな要因でしょうけどね。

Facebookには決してできなかったことをInstagramがやり遂げた、これこそがFacebookがInstagramを買収した(買収せざるおえなかった?)理由なんじゃないかな?

今後のInstagramとInstagramの課題

Facebookの月間ユーザー数は2015年7月で14.9億人ということを考えると、Instagramの4億人はまだまだ伸びる余地があります。

個人的な見解で恐縮ですが、「Facebook疲れ」などといった言葉が出てくるように、コミュニケーションが簡略化していく昨今では長期的にアクティブ性を上げ続けるのはストレスが低いSNSだと思います。

ただし、Instagramはマネタイズという大きな課題が残っています。eMarketerではInstagramの広告売上が2016年に15億ドル(約1800億円)、2017年には28億ドル(約3350億円)に到達すると予想していますが、これには今後大きな変化が求められるでしょう。

現在、Instagramで広告を配信するにはFacebook広告のプラットフォームから簡易的に設定が可能ですが、上記で上げたとおり、ローコンテクストとハイコンテクストという、相容れない性質を持ったSNS上で同様のターゲティングにて広告を展開することは決して褒められたことではありませんし、今後大きな改善が求められることは間違いなさそうです。

参考:4億人突破のインスタグラム 売上2000億円も視野に Forbes

まとめ

Facebookだ、Instagramだと、私達の生活圏にさまざまな新しい物が土足で飛び込んでくる昨今ですが、なんにせよ、今起こっていることは、これまでにあった価値の書き換えであることに変わりはありません。

そんな状況下でも私たちマーケターが出来ることは、以下の4つだけです。

  • いつ?
  • どこで?
  • だれに?
  • どのように?

アプローチするのか、それだけです。

テクノロジーが劇的なスピードで進化をし、それに伴い消費者の行動も変わりつつあります。更にはデバイス、メディア、オーディエンスなど、さまざまな箇所でフラグメンテーションが起こっており、より複雑な世界が今後も展開され続けるでしょう。この流れは不可逆です。

そんな時代だからこそ、変化を脅威ではなく、チャンスとして捉えましょう。出来ることは変わっても、やるべきことは変わらないのですから。
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