社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論/感想
パタゴニア創業者、イヴォン・シュイナードの書いた自身の経営論となる本です。
僕自身、パタゴニアには知り合いもいたり、リアルタイムでファンだったりしたこともあり、その独創性や姿勢などには非常に興味がありました。
イヴォン・シュイナードは「パタゴニアが100年後も存在することを前提として経営している」と本書では説いておりますが、本当にそうなって欲しいと思えるような会社です。日本だとちょっとパタゴニアの精力的な活動は目立たないのが残念だけど…。
本書は経営を志すものに限らず、全ての人に何らかの影響を与えることが出来る本だと思います。
社員をサーフィンに行かせよう:レバレッジメモ
シンプリシティこそが完結
- 職人達は何世代にもわたって試行錯誤を重ねるべきである。何においてであれ「完全」とは全てを脱ぎ去り、ありのままの姿に戻ったとき、つまり加えるべきものはなくなったとくにではなく。取り去るものがなくなったときに達成されるのである。
無償の助言を請うには
- 何も知らないことを認め、こちらが助言を求めればみんなこころよく教えてくれるでしょう。
企業家を理解するなら、非行少年を観察せよ
- 「こんなのくだらねぇ。俺は俺のやり方でやってやる!」
名案を浮かばせる方法
- 目的意識をはっきりさせて次の製品に関する展望をしっかり持てば、自ずと湧き出てくる。
切迫感を持て
- 絶え間なく変化し、革新していくための鍵は、切迫感をもつことだ
H・D・ソロー
- 「シンプルに、シンプルに」
ポール・ホーケン
- 「自分のアイデアをみんながいいと褒めたら、そのアイデアは時代遅れだ」
マハトマ・ガンジー
- 「世界を変えたいなら、自分自身がかわらなくてはならない」
製造の理念
- デザイナーと製作者を密に関わらせろ
- 納期やコスト削減よりも品質を優先
- 果敢に挑め・だが下調べは欠かすな
- 急がばまわれ
- ほかの専門分野からアイデアを借りよ
社員をサーフィンに行かせよう:まとめ
本書はかなり分厚くボリュームが凄いですが、何度か同じことの言い回しをしている為、比較的容易に飛ばし読みをすることができるので早めに読み終えることができるでしょう。
題名の「社員をサーフィンに行かせよう」というのは、社員に「責任感」「効率性」「融通をきかせること」「協調性」等を持ってほしいからということから、現在進行形で行われているシステムだそうです。
パタゴニアの社員が平日のお昼からサーフィンにいったってだれも咎めないのは、その日にサーフィンにいくということはそれまでに仕事を終わらせたり、サーフィンに行ってもよいという環境を自身で作り出すようになれるからとのこと。
うーん、なるほど。環境とはなんなのか?ビジネスとはなんなのか?今までに読んだビジネス書なんかとは視点がまるで違う良書だと思います。いろんな意味で参考になる本ですね。久々に山を登ろうなどと考える今日この頃。
お薦めです。
東洋経済新報社
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新しい時代のビジネスの形であり、ビジネスという枠を広げてくれる1冊
自分の会社もこんな会社にしていきたい
すばらしい内容
魅力的なタイトル
未来の企業はヒッピーから
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