キズナのマーケティング ソーシャルメディアが切り拓くマーケティング新時代/感想
個人的に大好きなアスキー新書の「広告・PR・マーケティングシリーズ」の第五弾は池田 紀行氏による書き下ろし。
題名が「キズナ」というまさに旬なワードを題名とし、ソーシャルメディアを主体としたマーケティングを、具体的に且つ、分かりやすく書き出されている書籍です。数年前から現在にかけての流れを理解できるので、これからソーシャルメディアマーケティングなどに進出しようとしている企業への羅針盤になるかもしれません。
ちなみに、池田 紀行氏のブログは以前より更新頻度が少なくなってますが(人のことは言えない…汗)、個人的に大好きだったりします。
キズナのマーケティング ソーシャルメディアが切り拓くマーケティング新時代/レバレッジメモ
ソーシャルメディアマーケティングとは?
魔法の杖ではないが、もしかしたら会社の抱えている問題を解決する新しいイノベーションを引き起こすかもしれない
ソーシャルメディアには人しかいない
「メディア」という言葉がついているから人間不在で考えられてしまう傾向が強いが、そこにはあなたと同じ、血の通った、感情を持った生身の人間しかいないのである。
ソーシャルメディアは消費者のためのモノ
企業がマーケティングをすることを目的に存在している場所でもなければ、企業が自社の利害のために口コミをコントロールする場所でもない。すべては自然発生的かつ利害関係のない、「消費者の消費者による消費者のための場所」なのだ。ここを肝に銘じてほしい。
広告は邪魔者である
すべてのプランニングをここからスタートしないと、ソーシャルメディアマーケティングは絶対にうまくいかないことをお約束しよう。
マーケティングの土俵は変化する
昔のマーケティングパラダイムで成長戦略を描いても、それはうまくいくはずが無い。マーケティングの土俵そのものが変わっていることに早く気づいてほしい。
広告の役割とは?
広告の役割は興味を持っていない人に興味を持ってもらうこと
難しいのは?
興味を持ってもらえてない商品やサービスに対して、注意をはらってもらい興味を持たせ、商品の特徴を理解してもらったり、購入を動機付けたりすることだ。
「好き」の反対は「無関心」
「好き」の反対は「キライ」ではなく、「無関心」「スルー」なのである。「無視」は意識して「無視」されているのでまだマシだ。一番怖いのは「無意識」に「スルー」されることである。
商品丸裸時代
「伝え方」や「お友達になる方法」を考える前に、メーカーであれば商品力を上げる商品開発政策を、サービス業であればサービス品質を向上させたり顧客満足度を向上させる施策が、最重要課題なのだ。商品丸裸時代では、本物だけが生き残る。
広告やプロモーションに携わる方々へ
何か問題があるとその本質をあまり洞察したり考えることなく、書籍・雑誌やウェブなどで話題になっている新しい手法に一斉に飛びつき「これで楽してすべてが解決する!バンザーイ!」となる傾向が強いように思う。この世に魔法なんてないのです!
ツイッターとは?
短期的な売上をつくる「売場」ではなく、消費者と中長期的なコミュニケーションをする中でキズナを醸成する「糸電話」なのである。
アドボカシー型ソーシャルメディアマーケティングに取り組まなければいけない理由
- 潜在顧客とお近づきになるチャンスを失ってしまうリスク
- 競合他社が先にキズナを形成してしまうリスク
- 消費者の本音を知らないリスク
- 無駄な広告宣伝コストをかけ続けるリスク
- 変化したマーケティング環境に適応できないリスク
- 手遅れになってしまうリスク
戦略PRとは?
戦略PRは広告を代替するものではなく、広告の効果を押し上げる補完関係にあるものなのだ。最後に商品を買ってもらうためには、やっぱり広告が必要なのである。
キズナのマーケティング ソーシャルメディアが切り拓くマーケティング新時代/感想:まとめ
Amazonの書評では結構厳しい事が書いてあるけど、私の立場から言えば、広告の効果や立ち居地を理解する上で、非常に参考になる良書だと思います。(ちょっと新書にしては長いですが…)
NASA 1st Meet Upでもこういった話題が出ていたんだけど、このブログを読んでいるような立場の方々はPR関連やWebマーケティング関連、ビジネス書等を読んでいる方々が非常に少ない印象があって、それってかなり勿体ないんです。そういったマーケティング関連本のほうにヒントが落ちている事って物凄く多いから。
最新技術や海外の情報なんかや、小手先の技術よりも、しつこいようですが『誰に何を売っているのか?』を真剣に考えている担当者には絶対に勝てない。これは経験則ですが…。
だからWebマーケティングや根本のマーケティング、もっと勉強しようZ!と思うわけです。
※ちなみに、僕が毎回のように書き出している『誰に何を売っているのか?』という内容は(書籍でも書きました)、発信源はアクセス解析イニシアチブでもお世話になっているmakitaniさんです。
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現状を把握するのに良かったです
その次は・・・?
ただの説明書。
ソーシャルメディアのことが体系的に理解できました
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