リスティング広告運用を飛躍的に効率化させた5つのGoogleアドワーズテクノロジー
テクノロジーが発達している2014年現在において、リスティング広告で成果を上げ続けようと思ったらテクノロジーの話は避けて通れない物になってきています。その代表格がGoogleアドワーズであり、その進化は私たち専門家の間でも常に最新の情報をキャッチアップし続けることはそんなに簡単なことではありません。
今回はそんな進化が著しいテクノロジーでも、私たちの運用を飛躍的に効率化させたものを中心にご紹介していきます。まだ使ったことの無いテクノロジーがあれば是非トライしてみてください。
- リマーケティング
- コンバージョンオプティマイザー
- ディスプレイキャンペーンオプティマイザー
- 拡張CPC
- 類似ユーザー
リマーケティング
リマーケティングの出現によって、これまでディスプレイネットワークには手を出さなかった広告主もより気軽にディスプレイネットワークに取り組むようになりました。この功績は大きい。これによりリスティング広告のポテンシャルは検索連動型広告のみではないということを知らしめるにはこの上ない機能でした。
cookieを利用したリマーケティングの仕組みは決して難しいものではなく、高額の予算を使うクライアントのみならず、月額数万円規模のクライアントでもマストで利用する機能となっています。
リマーケティング最適化の鍵は、ユーザーのモチベーションを理解することです。ユーザーは一般的にサイトの離脱直後が一番モチベーションの高いということは周知の事実であるため、離脱直後に如何にアプローチできるか?がリマーケティングの成功の秘訣とも言えるでしょう。
参照:リマーケティングをユーザーの行動履歴から効率良く使う方法
また、今年はGoogle Merchant Center に登録した商品情報を、広告として表示する動的リマーケティングが飛躍的に活躍してくれる年なんじゃないかとも思ってます。実際に現時点でさまざまなECサイトや多数の商品を抱えるクライアントで多くの成果を出し続けていますし、こういったユーザーごとにユニークに対応できる仕組みは益々進化するでしょう。
余談ですがリマーケティングはGoogleの収益にも大きなインパクトを残しています。2010年9月に現在のソーシャル担当上級副社長、ヴィック・ガンドトラは「その売り上げは驚愕すべき金額」と述べるほど大きなインパクトを与えました。
コンバージョンオプティマイザー
コンバージョンオプティマイザー(CO)が調整するのは入札です。過去にコンバージョンした実績データから、「コンバージョンしそうなユーザーの属性値の集合体から導き出される属性」というある種のペルソナのようなものをつくろうとします。その属性値は何かと言えば、例えばですがユーザーの地域性とか時間帯とかブラウザとかデモグラフィックとかインタレストカテゴリとか、アドワーズの内部でとっているいろんなデータの集合体です。その数百以上の属性情報を使っていると言われていますので、それ以上の特定は非常に難しいわけですが。
それらを使って予測を立て、「コンバージョンしそうなユーザー」と定義したユーザーが検索クエリを投げたとなったとき(検索連動型広告の場合)、自動的に入札を上げます。ディスプレイネットワークでコンバージョンオプティマイザーを利用した場合も原則として「コンバージョンしそうなユーザーと定義したユーザーへの挙動」は同じです。逆にコンバージョンする確率の低いと思われた場合には入札を下げます。これらを内部でA/Bテストをしまくりながら、どういう属性の人がコンバージョンしそうな人、として正しい予測かの精度を上げていくんですね。
コンバージョンオプティマイザーを利用することで、僕達プレイヤーが手動で行えないようなリアルタイムでの調整が可能となります。個人的には検索連動型広告で利用するというよりも、ディスプレイネットワークのキャンペーンで利用する方が良い成果に恵まれる機会が多いと感じることがありますが、コンバージョンを多く生み、自身で管理がしきれないような状態であれば、トライして見るのも良いことかもしれません。
ディスプレイキャンペーンオプティマイザー
ディスプレイキャンペーンオプティマイザー(DCO)は、まずはコンバージョンオプティマイザーと同じロジックを使って予測を立てるのは同じなのですが、「コンバージョンしそうな人」がいる「面」を探しにいきます。ディスプレイってついてますものね。至極当然です。これも内部的にはその面、および予測を立てるのに使った属性情報の精度を上げるためにA/Bテストを繰り返します。
上記のような特性上、ディスプレイキャンペーンオプティマイザーはコンバージョンオプティマイザーと合わせて使わないとまともに動きません。よさげな面を見つけても、そこにオークションで勝って配信(コンバージョンオプティマイザーの役割)できなければ意味ないので、同時に使うことを前提としてます。
ディスプレイキャンペーンオプティマイザーとコンバージョンオプティマイザーを合わせて利用することで運用の工数が減った、ですとか、成果が倍になった、なんて話は往々にしてある話です。
参照:ディスプレイ キャンペーン オプティマイザー ( DCO )の設定方法
拡張CPC
拡張CPCはコンバージョントラッキングのデータを元に、価値が高いと予測されるクリックの入札単価を上げ、価値が低いと予測されるクリックの入札単価をさげる機能です。入札単価を最大で30%自動で調整します。
拡張CPCを利用することで自身が仮説立てていた特定のキーワードの適正な入札価格を自動で導き出してくれるようになります。これにより獲得が大きく上がっていくなんてこともありますし、人力では賄えないスピードでより最適な入札を示してくれる為、アカウント構築時から拡張CPCを導入している方々も多いのではないでしょうか。
拡張CPCとコンバージョンオプティマイザーの違い
拡張CPCでは設定した上限クリック単価の30%を超えない範囲で入札単価が調整されるのに対し、コンバージョンオプティマイザーでは上限クリック単価ではなくコンバージョン単価を基準に調整が行われます。
参考:拡張 CPC の設定方法
類似ユーザー(シミラーユーザー)
類似に利用される要素は既にリマーケティングでリスト化されているユーザーがリストに追加される前に閲覧していたトピックやコンセプトの情報(総体的なデータとして、個人的には広告の閲覧やクリックなども加味しているのではないかと思っているけどどうでしょうね)を利用しています。
類似ユーザーを利用することで、これまでサイトに訪れたユーザーに類似したユーザーで、尚且つサイトに訪れたことのないユーザーに広告を届けることが出来ます。精度の高い新規のユーザーを獲得する際に便利な機能で、この精度はここ数ヶ月精度が増している印象があります。さまざまなプレイヤーと話す機会が多いですが、個人的には総じて類似ユーザーへの配信を過小評価している印象があります。※阿部総研調べ
まとめ
今回紹介したテクノロジー以外にも、自動化ルールや動的検索広告、アドワーズスクリプトなど、多くのテクノロジーが導入されていますが今回は現時点でのリスティング広告運用を飛躍的に効率化させた5つのGoogleアドワーズテクノロジーを紹介しました。これらのテクノロジーを利用することで今までの運用管理タスクを大幅に省略することも出来るでしょうし、これまでに届ける事ができなかったであろう、”実は意識の高いユーザー”などにまでアプローチすることが可能となります。
ただし、テクノロジーを利用する際に気をつけていただきたいのは、テクノロジーは万能ではないと常に心がけることだと思います。テクノロジーには限界があるし、使い方を誤ればテクノロジーに飲み込まれてしまうことだってあります。更にテクノロジーは人間を思考停止に追い込むことだって有るのだから、常にテクノロジーをある種疑いながら寄り添っていくのが吉だと思います。
それから個人的にはリスティング広告テクノロジーを使う上で絶対条件としているのは、テクノロジーを利用する前と利用した後での乖離の分析は必ず行うということです。そうする事によってテクノロジーの偉大さや、自身の仮説で賄えなかった部分がより明確になっていくことでしょう。これにより、テクノロジーによってあなた自身のスキルが更に補完されることになるはずです。
また、テクノロジーとどう付き合うべきか?についてはWeb担当者Forumでも書いてますので参照していただければと思います。
参照:リスティング広告担当者の悩みトップ8とその解決策! 全国のリスティング担当者約300人に聞きました。 | Web担当者Forum
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