最初に飛び込むペンギンになれ!/感想


本書の題名はウェザーニューズの創業者である故・石橋博良氏が社員に向けて口癖にしていた「一匹目のペンギンになれ」という言葉を借りたものだそうで、餌をとるために、群れの中で最初に海に飛び込むペンギンのように、勇気を持ち、失敗を恐れずに何事も立ち向かってほしいという思いが込められているそうです。

まぁ、日経情報ストラテジーの連載コラムの集大成とはわかってても、手に取って読んでしまった次第です。

本書はさまざまな企業の所謂がけっぷちからの再生ログを簡易的に集めたものであり、事例なんか見たって意味ないよ!とわかっていつつも、こういうのをさらっと振り返るのもたまには悪くないなと。

最初に飛び込むペンギンになれ!/レバレッジメモ

ブックオフコーポレーション
現場は自発的に考えた戦術を全否定されるとぎくしゃくする。大切なのは、細かな戦術まで最適であることではなく、戦術に戦略との整合性があることだ。

ウェザーニューズ
予報センターにいる約60人の予報士よりも、サポーターの予報の方が正しい場合もある。心中するならサポーターだ。2005年から観測機とコンピューターによる解析に、人の五感で得られる情報を足し合わせる「観測+感測」の手法を持ち込んだ。

キングジム
多数決を採った時に9割が「まぁ、いいんじゃないか」と評価する商品より、1割にだけ強く支持される商品を選んだ方がいい。少数でも熱烈に好かれないと消費者の買い物リストの上位に入れない。

最初に飛び込むペンギンになれ!/まとめ

レバレッジメモには記載していないけど、最終章のドクターシーラボの事例は大胆でちょっと面白い。業績不振からテレビCMをやめて店頭支援強化に奔走するなど、この章だけを1冊に是非まとめていただきたいなぁ。

かなり余談だけど、ドクターシーラボの株価がほかに類を見ないほどの素晴らしい状態なのも気になりますな。

一体どんな戦略で、こういった右肩上がりのチャートになるのか、気になるところであります。

さて、そんな形で事例を集めた本書だけど、なかなか興味深いので、堅苦しいビジネス書などに読み飽きた方にお薦めです。読みやすいので1時間ちょっともあれば十分読破可能かなと思います。

最初に飛び込むペンギンになれ!
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