CPA(顧客獲得単価)を下げる為のベストプラクティス


私のこれまでの経験上、リスティング広告プレイヤーの抱える悩みの95%以上はCPA(顧客獲得単価)の高騰にあると断言できます。目標のCPAが3,000円ほどだった場合、仮に現在のCPAが5,000円だったとするともう大変です。そんな時のCPAを下げるベストプラクティスとは一体どんな手法になるのでしょうか?

高騰しているキーワードの入札価格を引き下げることでしょうか?高騰しているキャンペーンの1日の予算を引き下げることでしょうか?その他にも、費用対効果の悪いキャンペーンの4つの改善方法で紹介したようなデバイスを制限したり、配信地域・配信時間帯を制限したり、場合によってはフリークエンシーキャップをいじることなどがあげられるかもしれません。

実はCPAを下げるベストプラクティスはそのいずれでもありません。

CPAを下げるベストプラクティスとは、獲得数を最大化して平均獲得単価を引き下げることにあります。上記のようにCPAが5,000円であり、獲得数が1件だとすれば、次のクリック近辺でコンバージョンが生まれればCPAは2,500円前後で推移します。となると、目標獲得単価よりも低い値で推移させることができますよね。

誤解を恐れずに言えば、こういった追いやられた場合にこそ攻めることができるのか、退く事しかできないのか、こういった選択肢の多様性と判断の時期、これらの見極めこそがリスティング広告プレイヤーの質だと感じます。

こういった窮地に追いやられた場合に攻めることができるのは、根拠のある自信をもっていなければいけないのですよね。その為にはアカウント設計に多大な時間を費やし、想定できる仮説のすべてを注ぎ込み、その結果、血の通ったアカウントになっていれば、どんな状況に陥っても一過性の情報に惑わされずに攻めることができるようになるのではないでしょうか。

当初の仮説がうまくいかない場合には戦略を微調整する必要があるかもしれません。ただし、その決断までに時間が必要な場合や一定量のデータを取得しないと信憑性が出ない場合などの状況なのであれば戦略を変える必要はないのですよね。仮説が確かなものなのであれば、圧力やプレッシャーに負けてはいけない時期もあるのです。

多くのノイズの中から必要なシグナルを見分け、素早い判断を下すために、Ad Senseを磨き、豊富な選択肢を持つことが重要になってきます。

CPA(顧客獲得単価)を下げる為のベストプラクティス/まとめ

複数の人間で同じ目標地点を目指す場合、多くの思考が入り混じる為にこれまで自分の中では当たり前だと思っていたことが、当たり前ではないのだと日々痛感させられることがあります。ただ、チームでいる限り目標は共有した上で、その途中の道のり、いわゆるプロセスにはさまざまな方法があっても良いと僕は考えてます。イノベーションはさまざまな知恵の集合値によって生まれるわけですから。

しかしながらリスティング広告はクリック課金のビジネスです。その為にベストプラクティス(最善案)から取り組むのはリスティング広告運用におけるセオリーであることは忘れてはいけません。

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