ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である/感想


萌え系の表紙に引かれて購入したわけでありますが、完結に申し上げると題名どおりの内容となっております。

著者はみたいもん!のいしたにまさき氏でたしか以前にも何冊か著書を読んだことがある。(書評書いてないな)

本書を読み進めていくうちにまがりなりにもブロガー気質が整っている私には「わかる、わかるぞ~」みたいな内容がてんこ盛りだったりします。そしてブロガー(よく分からない人たち)はなんでそんなに無駄に情報を出すんだ?という質問の核心に迫っています。

ブロガーや情報を出し続ける人たちの生態が理解できない方には恐らく良書になると思われますが、そうでない方には既にご存知の内容である可能性が高いです。

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である/レバレッジメモ

イノベーションの評価基準<スコット・バークン>

  1. あなたにとって良い
  2. 他の人にとって良い
  3. 業界や経済にとって良い
  4. 社会にとって良い
  5. 世界にとって良い

大事なのはスルー力
自分がどれだけ考えたとしても、最終的に受け手が思った事が、受け手の行動を決めてしまいます。それはもう受信側である人の考え方離れてしまっています。だから、その「反応」に耳を傾けることは大事であると同時に、あえてその「反応」を受け流すことも時として大事だといっているわけです。

ログが急に輝き始める瞬間
人間の脳はひとつのことを記憶しておけるようにはできていません。でも、自分の外にだしておくことで、他人の記憶にも残り、そのことでさらに自分の記憶に印象強く残ります。そして、ある時、何かをきっかけにして、過去のログが急に輝き始める瞬間が訪れるのです。
予想もできないきっかけや未来そのものについて考える時間を、ログを残すことに使った方が、あなたを楽しくすることがいうまでもありません。

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である/まとめ

本書の中でブロガー(よく分からない人たち)に向けた質問の回答が全てのせてあるんですが、その中で佐々木大輔氏の回答が非常に真理なんじゃないかなと個人的に感じた部分がありました。

ネットで情報発信する差異にいちばん必要な個人のスキルは?
他者の意見に耳を傾ける謙虚さ。ソーシャルメディアに発信した情報は、巡り巡って必ず自分のところにフィードバックが還ってきます。
だからこそ、未完成でも未熟でも発信し続けることが大事で、その繰り返しの結果、自分が大きく成長することができます。

ただし、そのフィードバックを拒否して頑固に時節を曲げまいとすると、上昇の螺旋が断ち切られて、負の連載に陥っちゃうと思うんですよね。「誰も俺をわかってくれない→だったら何も発信しないほうがまし→わかってないやつが偉そうに発信してるとROMってひがむ→でも、あれ?いつのまにか情報発信し続けた方が本当に実力が付いちゃってる」みたいに。そうならないためにも、情報発信したらそれと同じくらい、他者の意見に耳を傾けて謙虚にフィードバックを受け取ることが大事だと思います。

個人的にもこの内容は凄く同感で、ブログなんかを書き続けていると必ずこういった場面に出くわします。特に僕なんかは書評などで間違っているものには直球で反発しますので…そういう機会も比較的多いのかなと…少し反省。

つまり書き続けるってことはログが残るってことで、それだけ訴求対象が増えるってことですから、自分と考えが異なる人に出くわす機会だって増えるわけで、その中で批判されたり中傷されたりするんですが(そういう人に限って声がでかかったりも…)、そういうのって「自分のログはいろんな人に届いてて、批判されるまで成長しているんだっ!ありがたいなぁ」てな感じで受け止めるのがいいんですよね。個人的に今ならそう思えます。

まぁ、いわゆるそれが本書では良い意味での「スルー力」なんでしょうけどね。

つまり、書き続けて露出し続けると必ずアンチってのが出てくるんですが、それは最初のうちは傷ついたりしてしまうんだけど「スルー力」で参考にしながら真に受けずに、続ける事ではなくて、〈やめない事〉が大事なんだぞということなんだと思います。

この本は読み終わったときには「ブログとかで書いてくれてもいい内容だと思うんだけどなぁ、その方がブロガーのリンクに直で飛べるのに…」とか感じていたわけですが、こうやって感想を書いていくうちに色々と整理されて、今の自分を客観的に見る事ができた気がします。そういう意味でも”あり”ですね。

これからブログを始める人とか、始めようと思っている人とか、始めて間もない人とかに意外とお薦めかも?

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である
いしたに まさき
技術評論社
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