1兆円を稼いだ男の仕事術/感想
元NTT DoCoMo執行役員の夏野 剛氏による書籍で、NTT DoCoMo時代を丸々一冊にまとめた非常に興味深い書籍です。題名が胡散臭いですが、本書は良い書籍ですよ。
個人的にはやはり社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由のハイパーネットの副社長でキレキレな経営者な感じの印象が強いんですよね。
本書を購入したのは6月に行われたGoogleのイベント、Think Mobileでの公演があまりに素晴らしかったことが一番の要因で、著書という著書を買いあさったわけであります。これが私の悪い癖で、買うには買うんだけど読むのが遅い。いかんいかん。
さて、そんな夏野 剛氏の書籍ですが、この本は夏野 剛氏の仕事に対する姿勢だとか、仕事を含めた生き方などが経験談を交えながら描かれていて、社会人だけではなく、学生なんかにも非常に受け入れられやすい書籍なのではないかなと思います。夏野 剛氏の人間味が前面に出ていて、非常に面白いです。
1兆円を稼いだ男の仕事術/レバレッジメモ
働く目的とは?
私たちが働く「目的」とは社会の発展への貢献にある。会社は「道具」であって「目的」にあらず。また、「社会の発展への貢献」を「目的」にして働けば、ビジネスが成功する確率は高くなり、会社や個人の利益につながるということも学んだ。「社会の発展への貢献」をビジネス的な言い方に変えてみると、「世の中が必要としているものを作る」「世の中を快適にするものを提供する」といったところでしょう。
ビジネスの一寸先は真っ暗闇
ビジネスの内容や規模の大小にかかわらず、あらゆる状況はつねに変化し続けます。今日と同じ明日は絶対に訪れない。健全な経営で、着実に売り上げを伸ばしている一流企業でも、10年後にはつぶれているかもしれません。いや、可能性としては一年後だってあり得ることです。
今やっておくべきことは何か?
一年後とはいわず、今この瞬間にも状況は変化しているのですから、明日、何が起こるかなども分からないのです。だからこそ、今日、今この瞬間にできることは、すべてやらなければなりません。何事も「今しかできない」のですから。
チャンスの女神に後ろ髪はない
チャンスの女神が目の前に訪れたら、迷わずその前髪をつかまなければない。つかみ損ねて女神が通り過ぎてしまってから、後ろ髪をつかもうと思ってももう遅い。チャンスの女神に後ろ髪はないのだから。つまり、「チャンスは一瞬で過ぎ去ってしまうから、訪れた瞬間に確実にものにしなければ、同じチャンスは二度とめぐってことない」
失敗は成功のもと?
失敗は成功のもとというものの、失敗から学ぶためには、その失敗と積極的にかかわっていなければなりません。その為に、自分がやるべき仕事は精一杯こなす。
突き詰めるということ
とにかく一つのことに没頭して、それを突きつめていくと、その先に別の世界が見えてくる。
壁にぶちあたった時に自分に問いかけること
本当に自分は、これ以上できないといえるほど頑張ったのか。
新しい価値の創造
変化を恐れず、誰もやっていないことに率先して手をつけることが、新しい価値の創造につながり、より多くの顧客獲得につながります。それは、あらゆるビジネスにおいて、共通にいえること。
以下の3つを満たしているのであれば、徹底的にケンカする。
- 自分の成功を確信できていること
- 論理的に筋道、理屈が通っていること
- 社会、会社のためになっていること
迷った時は、大きな目標に回帰せよ
1兆円を稼いだ男の仕事術/まとめ
ページボリュームは約250ページほどありますが、かなり重複している内容が多いので、それほど時間がかからずに読破可能です。文章も非常に読みやすく、混詰めた読書の合間に読まれると良いかもしれません。
個人的には突き詰めるということと、迷った時は、大きな目標に回帰せよに身に覚えがあり、非常に共感しながら読み進める部分も多く、これからの”自分”を考えるのに大きく役立った書籍です。
それから夏野 剛氏の人柄も感じられるので、本書を読み終えた後は「この人、今何やってんだろ?」といった興味さえ湧いてくる書籍です。
働き方やビジネスについて何らかの壁にぶつかっている人や、働き方自体に何らかの疑問がある人にお薦めできる良書だと思います。お薦めです。
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