リスティング広告を停止したけど売上は変わらない!?の考察
知り合いも含め、いくつかの箇所でこのような話を聞く機会が増えると、少々複雑な心境の私です。こういった状況ではその情報を1つの視点から見るのではなく、さまざまな視点を含めて総合的に判断しなければ正しい情報にたどり着くことはないでしょう。
これを正しく判断するにはリスティング広告の管理画面からではほぼ不可能です。その為、アクセス解析を利用することがベストとなります。今回はGoogle アナリティクスを使ってチェックするべき箇所をご紹介します。
# ここで利用しているキャプチャーは全て自社のモノです。
eコマース機能を使って売上構成比を把握する
サイト上で決済可能であるようなサービス、例えばネットショップを運営しているのであればeコマース機能を導入されている方は非常に多いでしょう。このeコマース機能を使って売上の構成比を出すことが可能です。「リスティング広告を止めても売り上げが変わらなかった」という前出の”解”があるのであれば、この月の売上はどの参照元によってもたらされたのか、という”問い”をもってして詳細を把握するべきです。
Google アナリティクスにログインし、①[標準レポート]→②[トラフィック→すべてのトラフィック]→③[eコマース]を選択します。
これで参照元ごとの売上構成比をみることができます。これによって、どこからどの程度の売上を上げたのかを確認することが可能です。その後、リスティング広告を行っていた前月などと売上構成比を比較して、どの箇所がどの程度変化したのかを確認する必要があります。
仮に、単純に何かしらのメディアなどの新しい参照元やインフルエンサーなどによる口コミなどでリスティング広告を補う売上が立っているのであれば、それはリスティング広告を止めても良い理由にはなりませんよね。リスティング広告を行っていれば、更に売上を上げていた可能性が高いです。ミスミスとそのチャンスをただ単に逃していた?なんてことになるかもしれません。
必要とあれば、Yahoo!リスティング広告やGoogle AdWordsの参照元からセカンダリディメンションを辿って更にブレイクダウンし、キーワード単位で売上構成比を見ていくことも可能です。
マルチチャネルを使って貢献度を把握する
直接的な売り上げにはなっていなくとも、目に見えない部分で売上に貢献している可能性だって考えられますよね。そんな時にマルチチャネルではどの参照元がどの程度売上に貢献したのかを見ることができます。
Google アナリティクスにログイン後、[コンバージョン]→[マルチチャネル]→[コンバージョン経路]の順で間接的に貢献している経路を見ることができます。上図のように[有料広告]が含まれていない経路ばかりが目立つようであれば、「リスティング広告を止めてしまっても良い」という結論に陥っても良いでしょう。
そうではなく、間接的に[有料広告]が大きく売上に貢献しているとしたら…?
リスティング広告を停止したけど売上は変わらない!?の考察/まとめ
その他にもいくつか判断基準はあります。代表例の1つを紹介すると、全く根拠がないのによく当たってしまってコンサルタントが「ほげぇー」となってしまうのは経営者の”直感”というなんとも香しいものだったりもするわけですけどね。
リスティング広告は広告です。そしてクリック課金です。その為、リスティング広告を利用せずに売上を上げ続けることができるのであればそれに越したことはないと思います。
ただし、繰り返しになりますが、情報を1つの視点から見るのではなく、さまざまな視点を含めて総合的に判断しなければ正しい情報にたどり着くことはありません。なんとなくでリスティング広告を停止する、という行為は決して推奨できるものではないのです。
ほとんどのビジネスには時事性があります。リスティング広告を停止したのに売上は変わらないとしても、リスティング広告を停止していなければもっと売上が上がっていたかもしれませんよ。
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