より良いリスティング広告レポートを作成するために

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リスティング広告運用はヒアリングや競合調査から始まり、入札調整や広告文の変更だけではなく、リスティング広告のレポート作成なども含めて一気通貫で行われるべきと筆者は考えます。その理由は「施策や認識のブレを最小限に抑えることができるから」に他なりません。係る人間が増えれば増えるほどブレが発生します。誤解を恐れずに言えば、ブレを最小限に抑えることでより成果を上げることが出来るようになります。

少し趣旨とは異なりますが、ドラッガーが言ったように、「人は少ないほど、組織は小さいほど、組織は完全に近づく」というのは真理であり、組織を運営するものであれば当然の如く理解しておかなければいけない常識です。それを疑う理由はありません。ただし、組織を大きくする、ということは完全な組織を目指すとは相反する行動を行わなければいけません。それがリスティング広告の分業制です。多くの組織は分業制を敷くことで多数のオーダーに答える、といった形もあるでしょう。それらを否定するつもりは微塵もなく、従来の組織としてはある意味「あるべき姿」だとさえ筆者は思いますが、長くなってしまうためこのお題についてはまた別のところで書き出す予定です。

話を戻します。私は、ある程度分業するとした場合でも、レポート作成は出来るだけリスティング広告プレイヤーに担当して欲しいと考えています。それは「運用時には気づかなかった事を見つけることができる」・「他人事ではなくなる」、この2つのメリットがあると考えることができるからです。

では、このレポーティングがなんだかしっくりこなかったり、報告時にクライアントがなんだか不満そうな顔をしている場合の3つの対処法をご紹介します。

より良いリスティング広告レポートを作成するために重要な3つの事

1日寝かせる

より良いアウトプットの基本は熟成です。1日だけに限らず、成果物を寝かせ、異なる日に確認を行うことで、作成時とは異なる意見や発見をすることが出来るようになります。特にリスティング広告プレイヤーの方々におかれましては月初のレポートラッシュに忙殺されていることが多いでしょうから、後から気づくようなことも決して少なくはありません。一度一歩引いて冷静に見てみることで、新たな発見があるでしょう。

また、寝かせることでそのレポートを多角的に客観的に見ること出来るようになるでしょう。山を見るにしても一方からだけ見ていては全体像は掴めません。

プリントアウトして確認する

プリントアウトすることでこれまで気付かなかった発見があった、なんて経験はありませんか?それは人間の脳の中でそれぞれ異なるパターン認識が発生しているからです。

発光型デバイスであるモニタを見るときには、脳はパタン認識・くつろぎモードになるため、文書を見ても全体を絵柄として捉え細部に注意がいかなくなり、ぼんやりとくつろいで見ることになり間違いに気づきにくくなる。一方、紙にプリントアウトすると、それは反射光となるため、脳は分析・批評モードに切り替わり、文書を細部まで細かくチェックすることが可能となる。そのため、間違いに気づきやすいというわけだ。文章をチェックするときに、一旦紙にプリントアウトして見ることは、理に適った行動なのだ。 引用:プリントアウトした方が間違いに気づきやすいワケ

同じものをモニターを通して見る際と紙にプリントアウトして見るときでは、人間の脳のパターン認識が異なるんだそうです。医学的にとか脳科学的にとかいってしまうと細かい話にはなってしまうのだけれど、モニターばかり眺めているのではなく、より精度を上げる為にはプリントアウトして確認することも重要と言えるでしょう。

通読する

ページごとには正しいことでも、1度通して読み上げることで新たな発見があるかもしれません。特に報告会などの直接対面する場では担当者対施策者の人間対人間になりますから、大事のは「相手により理解してもらうこと」となるでしょう。その為には報告をよりスムーズに行う必要があります。ストーリーを作り、どのような質問などが飛んで来るのかを予測しておくことも重要と言えます。

また、相手側のリテラシーが低かったり、新任なのであれば専門用語は避けるべきでしょうし、相手の限られた貴重な時間を利用しているという意味では、重要な箇所に焦点を当て、エグゼクティブサマリーなども用意すると良いかもしれません。何にせよ、通読することでストーリーを予め用意しておくことが必要と言えます。

リスティング広告レポーティングに重要なことまとめ

  1. 1日寝かせる
  2. プリントアウトして確認する
  3. 通読する

上記の3つを導入することで、ぎこちないレポーティングなどは確実に改善されると言えるでしょう。可能であれば、上司や同僚などと協力してシュミレーションをしていくことを激しくお薦めします。

余談ですが、レポーティングが上手な人はリスティング広告運用も上手なことも多く、コミュニケーション力にも長けているとも言えるかもしれません。レポートを見ただけである程度プレイヤーのリテラシーも分かります。(コミュニケーションに長けている方は相手が求めていることを理解しやすいのかも)

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