「買う気」の法則 広告崩壊時代のマーケティング戦略/感想
「CMを見ただけで数千万円の家を買う人もいないけど、一本140円のお茶を買うのにネットで調べて買う人もまたいない」そんな出だしから始まる本書は、アスキー新書のなかでは少し異質な印象を受けました。
これまでの様々な事例や歴史などをおりまぜながら、山本 直人氏独自の視点に移って行く箇所は必見です。前半は振り返りが多すぎて、もしかしたら読み止めてしまう可能性もありますが、本書は後半から面白くなっていきますよ!
「買う気」の法則 広告崩壊時代のマーケティング戦略/レバレッジメモ
モノのほうに決定的な「売り」がない時、専門用語だとUSPに欠ける様な時には広告が活躍できる部分が増えてくる可能性が高い。単純なアイデアでは動かないのだから、クリエイターの腕の見せ所にもなる。
買う気のツボが変わったのだ
単なる低価格商品は低価格でしかない。それはいつか飽きられる可能性も高い。しかし、ブランドの保障機能を活かした商品は着実に定着していく。
広告の目的は何か
個人消費を拡大させることと、世の中を明るくすること
「見通し」は「買う気」に直結する
消費者と企業は、見通しを共存するための共同作業を始める必要がある。そこでは、広告界のプレイヤーが持つ技術はとても貴重なものになるはずである。もちろん、マス広告にも大切な役割が求められるし、インターネットはさらに新たな可能性を生むだろう。新たな「見通しの共有」のために、マスとネット、さらにはいろいろな販促方法をどう組み合わせればいいのか?そのモデルを提示していこうと思う。
メディアプランを見直す必要がある
テレビはもう少しセグメント化を進める事で、価値を向上できると思う。また新聞の発行部数に関して言えば、より実売に沿ったデータで取引されることはいうまでもない。
広告でも問題認識を起こす
広告は「外部刺激」の一つで、強い影響力を持つ。夏休みが近づいたときに、航空会社や旅行会社の広告をみて「どこか行きたいな~」と思う事で「問題認識」は発生する
いかに先回りできるか?
「問題認識」がおきて、消費者が行動をする際に「いかに先回りできるか?」という視点に立つのである。
クリエイターに求められるもの
ブランドの価値を伝えようとする信念と未来を提示するチカラである。短期キャンペーンではなく、ブランディングに伝わる伝道師のような気構えが必要だ。
思いやるチカラの大切さ
マーケターに求められる能力は、対人理解力、平たく言えば「思いやるチカラ」のようなものだろう。カウンセラーに求められる要素とにているかもしれない。
「買う気」の法則 広告崩壊時代のマーケティング戦略/まとめ
上記で上げた「見通し」は「買う気」に直結するというのは私も実務の中で思う箇所があり、まさに実行している最中だったりもします。
本書は「買う気」がどのように発生して、どのように形になっていくのかを分かりやすく書き出している書籍です。更には後半にかけて人材育成などにも言及していたりなど、「広告」に何かしらの形で携わっている方には良書になると思われます。
読んでみる事で新しい発見を見出す事が出来るかもしれない一冊ですね。
尚、著者の山本 直人氏は今話題のデジタルコンサルティングパートナーズにも参加されています。
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