Webアナリスト養成講座 アビナッシュ・コーシック  ~感想~

久々の書評ですいません。この本、3cmほどと広辞苑並みに分厚く、読み終えるのに2週間ほど費やしてしまいました…。これだけ内容が充実していると速読ができないのでかなり厄介です。ともあれ、このWebアナリスト養成講座から学ぶことは非常に多く、何度か途中で心が折れましたが充実した日々でした。

※ちょっと立て込みながらだったので読むペースが遅めだったのは否めません。

以下、Webアナリスト養成講座のレバレッジメモになります。※ネタばれ注意

  • Web2.0の世界で重要なのは、古い頭をさっさと切り替えて、Web analyticsを成功に導くための戦略を早めるということだ。
  • 競合分析を行えば、自分のサイトで起こっていることだけでなく、自分の競争相手のサイトで起こっていることを知ることができる。
  • 過度の分析依存は思考停止をもたらす。
  • Web analyticsについて、まだだれもうまい解決策を見出せていない。
  • 意味のあるような指標が取り上げられることが多くあるが、実はたいして意味の無い指標の場合が非常に多いので、それを見極めるリテラシーが必要だ。
  • 中長期的、あるいは長期的なスパンでWebサイトを成功させたいのであれば、Webサイトを自社の利益の為だけに運営してはならない。
  • Web analyticsプログラムの核心において、常に次のような疑問を問い続けることが決定的に重要である。Webサイトはどれくらい顧客の期待にこたえているのか?

仕事のできるWebアナリストの定義

  1. 過去に1つ以上のWeb analyticsツールを詳細まで使ったことがある。
  2. Web analyticsブログを頻繁に訪れている。
  3. 重要な分析を行う前には必ずWebサイトを訪れて、自分の目でWebページを確認する
  4. アプローチ方法の核が顧客中心主義である。(会社中心主義ではない)
  5. JavaScriptタグ、ログファイル、パケットスニフィング、Webビーコンの技術的な違いを理解している。
  6. 定量と定性の違いを快適に感じている。
  7. 熱心な探求者である。
  8. より効率を生む伝達者である。
  9. 生活の裏表に通じている。
  10. ディフェンスだけでなくオフェンスもこなす。
  11. サバイバーである。
  • Web analyticsはcookieのような脆弱なものに頼っている。そもそもcookieが追跡しているのはブラウザであって人ではない。
  • Web analyticsでデータに何らかの食い違いがあったとしても、とりわけその食い違いが10%以下であれば、データに深入りして根本的な原因を突き止めようとしないこと。時間の無駄である。

cookieの定義

  • あるWebサーバからWebブラウザに与えられるメッセージ。メッセージはブラウザにテキストファイル形式で保管されていて、ブラウザがそのWebサーバへページをリクエストするたびにサーバに送り返される。
  • サポートサイトにやってくる訪問者の最も多い理由は、早く問題解決するために電話番号をみつけることだ。これは時間が立つほど顕著である。ほとんどのサイトが顧客の問題解決に優秀ではないので、彼らは電話したいと思うのだ。

※ということは、電話の数が減るということはサイト内が最適化されてきたということだ。

  • 洞察ととるべき行動についての記述がないダッシュボードは作るべきではない。
  • 特に経営層にみられる傾向は、競合のコンバージョン率を尋ね、自社と比較しようとすることだ。一般的にこれは多大な時間の浪費だ。
  • 経路分析は数ページで構成されているランディングページで威力を発揮する。
  • KPIは、あなたしか自分に相応しいKPIが何であるかはわからない。
  • Web analyticsのコツはいくつもある雑音から価値あるシグナルを分離できるかどうか?

指標をセグメンテーションすることで驚異的な力を使う。

  • ダイレクトマーケティング、SEO、検索連動型広告、アフィリエイトなどそれぞれをセグメンテーションすることで何が最適なのかを導き出すことが最重要だ。

Webアナリスト養成講座:まとめ

かなり内容の充実した本でした。学べることが多数ありすぎて読み終えた今も頭がパンク状態です。つまるところ、Webアナリストでなくとも必要な部分が多く、今後Webの業界にいる予定の方は必ず読んで欲しい本だと思います。

アクセス解析に限らず、マーケティング視点での活用法や上司の説得させる方法なども非常にユニークに描かれており、現場では『こういうのあるよなぁ~』などと頷きながら読めて面白いです。

この本を購入した当初は、ちょっと細かい技術本なのかなぁ?とか思ってましたが実はそんなことはなく非常に受け入れやすい内容になってますので、あんまりアクセス解析とかスキじゃないんだけどなぁ~とか考えている人にも是非読んでいただきたい本だと思います。マーケターは必読。

個人的には終盤に出てくるそれぞれのセグメンテーションなんかの部分は非常に頷きながら読んでしまう部分でもあり、参考になったなぁと思います。

尚、レバレッジメモでは技術的な細かいものは割愛してます。

以下Webアナリスト養成講座より引用です。

あなたが10年後もWebの仕事を続けていくのならば、必ず必要になってくる測定方法と傾聴方法は取得しておかなくてはいけない。この本はその基礎を提供する。

是非!

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