選ばれるプロフェッショナル-クライアントが本当に求めていること/感想

選ばれるプロフェッショナル
この本は凄かった…。

今までにも様々な本を読み、学び、吸収し、アウトプットしてきましたが、これほどの僕自身に影響(戒め?)を与えた本はないと言っても過言ではないほどの良書となっております。

あなたの職業が何かしらのコンサルティング、もしくはプロフェッショナルであるならば本書は必ずなにかしらの役に立ってくれることでしょう。

内容はクライアントをもつプロフェッショナルの仕事の仕方や接し方、生き方に至るまですべてが盛り込まれていており、どういった人物がプロフェッショナルで、これからはどういった人物が必要とされているのか?が具体的に記載されております。

以下、選ばれるプロフェッショナルのレバレッジメモ

真にクライアントの為になることをする
これが何よりも優先される。クライアントの状況、文化、政治、業界を取り巻く状況などを踏まえ、本当にクライアントの為になることを考え、アドバイスし、実行に移す。その文脈の中で、自分の専門性も発揮する。

ディープジェネラリストたれ
単に知識を持っていて、手法が使えるだけではたいした価値はない。もっと深い洞察が提供できること、共感的に振舞うこと、クライアントと協働すること、結果として大きな成果に導けることが重要だ。

本当に優れたプロフェッショナルとは?

  1. 解決策を提供するのではなく、解決できるように質問を投げかける
  2. 業界知識だけでなく、幅広い知識を有している
  3. 聞き上手である。背後に隠れた本当の意味に耳を傾ける

「NOといえるか?」
誠実さを損なうか、付加価値をつけられないクライアントや特定の業務を引き受けないこと。自分が背伸びしているか、仕事の質を維持できないと分かっている場合にはその仕事をひきうけないことが重要だ。「NO」と言って、仕事を断るのをいとわないように。

クライアントのどのようなニーズにも常に手を貸す
クライアントを満足させる第一歩は、請け負った特定の仕事やプロジェクトで際立った腕を見せることだ。しかし、アドバイザーとして優れたプロフェッショナルなら、その枠を超えて、他の面でもクライアントを助ける。人事の問題に関する意見や、組織にとって素晴らしい発想を得る方法などについて助言するべきだ。

優れたアドバイザーとは?
絶えず学ぶ人であり、過去の概念にとらわれない。クライアント企業内部の学習能力を促進するのに手を貸している人

ディープジェネラリストについて
専門化することは、組織にとっても個人にとっても、将来の阻害要因になりがちである。狭い領域の専門化は、視野が狭くなる。ディープジェネラリストへの道を進むにも、深い専門知識の獲得が必要だ。重要なのは、専門知識の獲得に引き続き、あるいは専門知識の獲得と同時に、周辺知識を加えていくことである。ディープジェネラリストへの道は一夜にしてならず。目指すのは早ければ早いほどよい。

深い専門知識だけでは、本書の主眼であるクライアントとの長期的な関係は築けないが、敬意と信用は生み出せるだろう。それがクライアントとの関係の出発点になる。

「何故?」
「なぜ?」と自問することは、観察と学習を結びつける。じっくり耳を傾け、良く観察するだけでは十分とはいえない。常に「なぜか」と問い続け、観察したものに説明をつけようとすべきである。これを体系的に続けていけば、脈略のない観察も少しずつ知識へと変換できる。

経験から学ぶのを妨害する大きな三つの落とし穴

  1. 全ての成功を自分の功績とする
  2. 失敗を過小評価し、無視する
  3. 実際の事象を自分の都合のいいように歪める

信頼が失われるとき
クライアントにとって、あなたが仕事を達成できなかった理由などどうでもよい。達成できないときには時期的なものや様々な要因がある場合があるだろう。しかし、いくら説明しても無駄だ。むしろ、「失望させてしまって申し訳ありません。今後、このようなことはいたしません」という方がましである。

クライアントからの尊敬と信頼を勝ち取る最善の方法
自分の能力について素直になること、その仕事に自分がふさわしくないと思ったら、別の適任のプロフェッショナルを紹介すること

プロフェッショナルとして
最良のことは頼まれた仕事に対して素晴らしい結果を残し、その人から生涯にわたる推薦をもらえるようにすることだ

最後に
誰にでも多少の失敗はある。問題は、その失敗からいかに学習するかだ。皮肉屋になるのか、その出来事を個人的な信念や自立性を高める方に向けることができるのか。もし前者なら、以下のことを覚えておいてほしい。信頼が信頼を呼ぶのであって、皮肉は悪循環を呼ぶだけである。こちらが疑い深く不信感を高めれば、クライアントからも同じ反応しかえられないだろう。

優れたプロフェッショナルの精神

  1. 常にチャンスや成長や発展を求める
  2. 絶えず新しいアイデアを生み出す
  3. 行動が前向きで楽天的である
  • 全ての人に十分にいきわたる報酬があるとかんがえている「上げ潮がすべての船を持ち上げること」を知っている
    より多くのものを長期的に得るために、短期的な資金や時間を進んで注ぎ込む

 まとめ

  1. クライアントのためにいい仕事をするだけでは不十分。クライアントに代わって、大胆かつ断固として行動しなければならない。
  2. 既存のクライアントに対しても、常に新規のクライアントと同様に接する

トマス・モア
明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学ぶ

選ばれるプロフェッショナル ― クライアントが本当に求めていること/感想:まとめ

ここまで書き出したらまとめで書くことなんかそうそうないんですが、どれとっても重要なことばかりかかれていて、普段何気に過ごして仕事があるのが当たり前になってしまうことがあれば、また本書を持ち出し、読んで更に学ぶことができると思います。

本書には、プロフェッショナルとは特定の分野に秀でながらも、広い視野での問題解決を図る存在であることを具体的に書き出しており、今の自分自身の仕事にあり方について間違っていないのだという確信を得ることができたのも大きな収穫でした。

改めて自分自身への戒めとして、本書を枕元に常備しておこうと思えるほど、良書だと思います。

お薦めです。

選ばれるプロフェッショナル ― クライアントが本当に求めていること
ジャグディシュ・N・シース アンドリュー・ソーベル
英治出版
売り上げランキング: 1523
おすすめ度の平均: 5.0

5 これからのプロフェッショナルは、洞察と共感と協働が求められる。
5 プロフェッショナルという概念そのものが変化している
5 プロフェッショナルは一読すべき
4 正論だが、理想が高すぎの感も。
5 コモディティ化されないアドバイザーとなるために

執筆/掲載記事

▲