ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス/感想

ザ・ゴール2
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何かがあまりにもよかったので、著者であるエリヤフ ゴールドラット氏の書籍を買い漁りました。その中でも続編にあたる本書、ザ・ゴール 2 ― 思考プロセスを先に読み終えました。

ザ・ゴールとはストーリーで繋がっていますが、今回は思考プロセスを中心にした話ばかりなので、問題解決の為の”考え方”をより深く学ぶことができます。

TOC(制約条件の理論)を単なる生産管理手法から、マーケティングから教育まで、さまざまな業界のあらゆる問題解決に応用できる思考プロセスへと発展させた内容が描かれています。

長々と書きだしましたが自分用のメモでもあるので、サラッと読み進めていただければと思います。

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス/レバレッジメモ

書き出すことでわかること
理由を書き出して、一つひとつ検証してみると、多くは根拠もない偏見だってことがわかる

本当のゴールとは
会社の目的は金を儲けることだ。企業の経営者はみんなそれを忘れてしまっている。生産やコストや戦略といったことばかりに気を取られて、それらが単なる手段に過ぎないということを忘れてしまっている。そんなものは本当のゴールではない。

セグメンテーションの重要性
【価格を一つしか設定していない場合、その製品に対する価値観が高い顧客には、その価格は安く映る】、しかし同時に【価格を一つしか設定していない場合、自己の価値観よりその価格が高いと、顧客は逃げてしまう】

市場に隠されているもの
マーケティングソリューションが必要であれば、自分の会社ではなく、顧客、つまり市場を分析しないといけない。ソリューションは市場に隠されているわけだ。当たり前のことだけど

売上予想ほど信頼できないものはない
天気予報の精度を上げるのは、センサーや大型コンピューターをもっと導入することとかではなく、単に理論的に無理なんだそうだ
 

思考プロセス-用語解説

思考プロセスとは
「何を変えればよいか(What to change?)」「何に変えればよいか(What to change to?)」「どのように変えればよいか(How to cause the change?)」といった一連のプロセスを系統的に考えることか思考プロセスと呼ばれる。
思考プロセスを実行するためのツール(論理ツリー)にか以下が用意されており、順に系統的に使用したり単独で使用したりする。

  1. 現状問題構造ツリー(Current Reality Tree)
  2. 雲(Cloud)
  3. 未来問題構造ツリー(Futere Reality Tree)
  4. 前提条件ツリー(Prerequisite Tree)
  5. 移行ツリー(Transition Tree)

現状問題構造ツリー(Current Reality Tree)
問題解決にあたって「何を変えれば最大の結果が得られるか」を明確にするための手法。まず現状の問題点(好ましくない結果=UDE)を列挙し、これらの因果関係を見つけることで、その中から、”変えるべき”根本的な問題を見つけ出す。思考プロセスを系統的に実行する場合、この現状問題構造ツリーの構築が最初のステップとなる

好ましくない結果(Undesirable Effects = UDE)
現状問題構造ツリーを構築する際に列挙する現状の問題点。通常、目にする問題点の大部分は本質的な問題ではなく、もっと根本的な問題の結果や症状にすぎないことからこう呼ばれる

雲(Cloud)
問題の根本的な原因となっている矛盾や対立(コンクリフト)を解消するための手法で、「対立解消図」とも呼ばれる。五つの枠が矢印(因果関係)で結ばれた定型的なフォーマットを使用。これらの矢印のうちいずれかの矢印を解消するような画期的なアイデアを注入することで矛盾や対立を解消する。思考プロセスを系統的に実行する場合、現状問題構造ツリーで根本的な問題を見つけ出した後、この雲を使ってどう解消したらいいのか「何に変えればよいのか」を考える

未来問題構造ツリー(Futere Reality Tree)
雲(対立対象図)を使って見つけた問題解決策を実行したらどうなるかを検証するための手法。根本的な問題が解決した状態で現状問題構造ツリーがどう変化するのかを示し、新たな問題(ネガティブ・ブランチ)が発生してないかどうかなどを検証する

ネガティブ・ブランチ(Negative Branch)
雲(対立対象図)を使ってみつけた対立解消アイデアを実行した場合に、新たに発生する問題(マイナス面)。未来問題構造ツリーを構築して示され、「マイナスの枝」とも呼ばれる

前提条件ツリー(Prerequisite Tree)
思考プロセスの「どのように変えればよいか」を考えるための手法で、目標を達成する過程で発生する障害(前提条件)とそれを克服する中間目標を展開する。現状問題構造ツリーや未来問題構造ツリーとは異なり、因果関係だけなくアイデア実行の時間的順序関係が重要

移行ツリー(Transition Tree)
思考プロセス最後のステップで、実行計画に相当する。前提条件ツリーで展開した各中間目標を達成するために何をしなければならないのか、必要な行動を示す。前提条件ツリーと同様、時間的順序関係が重要

ステートメント(Statement)
思考プロセスの各ツリーや雲(対立解消図)の中に描かれる一つひとつの文言のこと。
 

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス/まとめ

ちょっと長かったですね。書いている自分でも腱鞘炎間近です。。。

本書はザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何かでは補えていなかった思考プロセスをより具体的に書き出した書籍であり、あくまで前書の内容の”補完”+”オプション”的に読むのが良いかと思われます。

ただし、本書に書き出されている思考プロセス・論理ツリーをこの書籍だけでうまく表現できるかどうか?というとなると少々難しく、本書ではあくまで”考え方”というものを学べるという印象を受けます。ただ、この”考え方”というのは非常に重要なので、まずは本書を読んで”思考の組み立て方”を理解することで、様々な発見をすることができます。

この本だけではなく、是非ザ・ゴールと合わせて読んでくださいませ。

ここで学んだ思考を形に落とし込むことができる書籍も見つけたので、そちらの方は後日記事にしますね。

“考え方”とか”思考”とか、新しい発想方法を学べると思います。お薦めです。

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス
エリヤフ ゴールドラット
ダイヤモンド社
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おすすめ度の平均: 4.0

4 ストーリーをもっと短く
5 ザ・ゴール 2
4 前作と比べてやや話が大きくてぴんとこなかった
3 今回は思考
4 TOCの一般化

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