改革を成功へ導くための要諦50
今回のエントリーは後日書評で書きだす、三枝匡氏によるV字回復の経営―2年で会社を変えられますかという書籍の中で紹介されている「改革を成功へ導くための要諦50」です。
改革の成功は積み木細工と同じで、一つひとつの成功要因を着実に押さえながら、きちんと積み上げていくことによってのみ達成されるものだと筆者はいいます。ここではそれぞれの局面で抑えておくべきポイントをまとめたものを引用して記述します。
※赤字は個人的に非常に重要だと感じたものです。
※完全に自分用のメモです。
改革を成功へ導くための要諦50
- 改革チームの人選は、改革の成功・失敗に決定的な影響を及ぼす。
- 組織カルチャーの変化は、必ず組織内で起きる「事件」を触媒にして進展する。
- 改革シナリオを検討する初めの段階では選択肢を規制しない。
- 人間も組織も「カオスの縁」に立たされた時に、新しい変化への適応がもっともはやく進む。
- 改革リーダーは、初めからる程度「最悪のシナリオ」を計算しておく。
- 経営行動は、厳しい「現実直視」と問題を「自分で扱える」大きさに分解することから始まる。
- 停滞している状況をその会社の「社内常識」で分類しても、抜本的解決の糸口は見えない。
- 解決策を探し出すには、社員が共有すべきコンセプト・理論・ツールをトップが示さなければならない。
- 「創って、作って、売る」をスピードよく回すことが顧客満足の本質。
- 仮説検証の手法をうまく使えば、分解やシナリオ作りの時間を大幅に短縮することができる。
- 「組織の再構築」と「戦略の見直し」はワンセットで検討することが不可欠。
- セオリーや原則論を外から学んで初めて、ようやく内部の問題が見えてくる。
- 事業活性化には、商売の基本サイクルを貫く「5つの連鎖」の抜本的改善が必要
- 「強烈な反省論」は「改革シナリオ」の出発点であり、裏腹の関係にある。
- スピードに関する組織カルチャーを最初にリセットしないと勝利の方程式は動き出さない。
- 改革リーダーは社員を厳しい現実直視に追い込み、そこからのジャンプを考えさせる。
- 改革シナリオ作りでは、あらゆる選択肢についてオープンに考える権限を与える。
- 改革シナリオ発表前に起きる小さなd系事は、よほどのものでない限り相手にしない。
- 前向きに進もうとしているひとびとを守るのは改革リーダーの最大の責務である。
- 事業再生の道がない「悪性の赤字」は、恥も外聞もなく早期に撤収すべきである。
- 計画を組む者と、それを実行する者は同じでなければならない。
- 改革先導者は「覚悟」を決め、それを人生の貴重なチャンスととらえ、ひたすら足を前に出す。
- 人々に「強烈な反省論」を迫るには、徹底的な事実・データに基づく追い込みが不可欠
- 特定の個人や部署を責めずに、古いシステムの問題点をクールに指摘し続ける。
- 戦略マップでトップの考えを幹部に徹底する。マトリックスにするのが効果的。
- 基本に忠実な組織を「愚直」に作っていけば、会社は元気になる。
- 営業マンの頭の中をいつもスッキリさせておく。彼らの心理的集中を確保することに留意する。
- 戦略の内容よりも、トップによるしつこいフォローのほうが大きな影響を与えることが多い。
- 戦略指針を与えても、その実行をモニターするシステムがなければ戦略は「骨抜き」になる。
- 改革が「人減らし」だと受け取られてしまうと、改革に対して社員は防御的になる。
- 改革シナリオのプレゼンテーションは、聞き手の表情がわかる少人数を相手に行う。
- 「強烈な反省論」と「解決案」は抱き合わせで発表するのが常道。
- 改革シナリオ発表後に意図的な反対行動が現れたら、改革の修羅場に突入する可能性がある。
- いったん改革をスタートさせたら、改革者は徹底的に意思を貫徹する。
- 「気骨の人事」なくして、改革の仕掛けはっ人々を熱く動かすところまでいけない。
- 「気骨の人事」の実現は、企業トップがその改革に本気かどうかの踏み絵になる。
- 強い経営者的人材プールを社内で作るには、組織内部の競争原理を抜本的に高める必要がある。
- 一般に経営改革では、「突撃しない古参兵」よりも、今は能力不足だが潜在性の高い「元気者」を投入すべきである。
- 力量に不安のある人材を投入しすぎると、改革のリスク総量は初めから限界を超える可能性がある。
- 「危ない橋」の中央で迫ってくる不安には、「打つべき手は全て打った」と腹をくくって自分を支えるしかない。
- 組織や戦略の矛盾が解決されずに順送りにされると、営業と顧客の接点にしわ寄せが現れてくる。
- 改革1年目に現れる劇的な成果の半分以上は、社員の「やる気」の高まりによるものが多い。
- 社員の「やる気」の高まりによる効果が出ている間に、「仕組みによる強さ」の構築を急ぐ。
- 社員の「頑張り」は、「仕組みによる強さ」のストーリーが明確な場合に生まれてくる。
- 早期の成功は、改革抵抗者の猜疑心を解きほぐす最大の武器になる。
- 改革を始めた後は、新しいことを手掛けるたびに新手法(具体的ツール)を埋め込んでいく。
- 突出した改革テーマに絞り込んで、ボトムまで一気に鋭く切り込む。リスクを限定する。
- 早期の成功が出たら皆で目一杯祝う。飲み屋のツケは後でなんとかする。
- 沈滞企業では競争の悔しさや痛みを感じる機会が少ない。元気な組織は感情の起伏が激しい。
- 改革や新戦略を得意になってマスコミにしゃべりすぎない。余計なことは言わない。
改革を成功へ導くための要諦50/まとめ
ここで紹介した改革を成功へ導くための要諦50は、企業改革について書かれたものですがこうやって読んでいくとさまざまな箇所に利用ができるTipsになっていますね。
うん、読み返しても本当に為になるものばかり。気になる個所があれば下記からどうぞ。
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