月商数百万円規模のECサイトがアクセス解析を使わなくても良い理由
これまでに見えなかったものが見えてしまうと僕らはその真新しさに大きな関心を寄せてしまい、本質から大分遠ざかってしまうことがあるだろうと思う。
こと、アクセス解析などに関してもその限りではない。十数年前までには安易に見ることができなかった流入経路や広告の効果測定が未だ完璧に見れるわけではないが、9割近くのデータを見ることが出来るようになっている。
テレビ、雑誌の効果測定は未だ難しいが、Webであれば測れる!なんて謳い文句でROIを計測できることがメリットのように囁かれる昨今。本当に多くの事が見えてしまうのがメリットになり得るのだろうか?
アクセス解析よりも大事なもの
題名は少し釣りっぽくなってしまったけど、これまで多くのECサイトの流れを見てきた中で、うまく行っているEC、うまく行っていないECとさまざまなものがあった。その中のうまく行っているECの多くは、アクセス解析をフルに生かせていないことの方が多い。
こういってしまうと大分語弊があるかもしれないけど、決してアクセス解析がいらないといっているわけではなく、彼らにはアクセス解析よりも重要なものがあるのだ。つまりこれらの”うまく行っているECサイト”の共通点はアクセス解析よりももっと別の事に多くの時間をかけていることだ。
それがどういうものかといえば、新商品の開拓だったり、ブラッシュアップだったり、新しいプロモーションだったり、メルマガだったり、コミュニケーションだったりと多種多用だ。つまり、彼らにとってはアクセス解析の重要度は先に上げたものよりもまだまだ低いのが現実なのだ。
解析ROIが重要
昨日、衣袋さんが解析ROIと素敵な言葉を使っていたので早速使ってみたい。
解析ROIとは、その解析によってどのくらいの利益を生むことができるのかというものである。
これまで取り組んでいた取り組みのROIをどこかのタイミングで解析ROIが超えなければ、アクセス解析に本気で取り組む価値は無いのだ。ただ、その時が来ているのなら、アクセス解析に本気で取り組むべき時期なのだとも言える。
言いたい事
アクセス解析だけに限らず、本当に大事なのは、どのタイミングでどの施策を行うことがビジネスに大きなインパクトを与えるのかの見極めなんじゃないだろうか。
極論を言ってしまえば、アクセス解析を利用しなくても売り上げを立てることはできる。ただ、今うまく行っている流れを論理的に分析し、更に加速をつける為に1つの道しるべを与えてくれるもの、それがアクセス解析の役割なのではないかと思う。
確かにこれまで見ることが出来なかったサイトの中身や流入元が見れてしまうアクセス解析の管理画面は興味深いと思う。
しかし、アクセス解析は決して”魔法の杖”ではない。ビジネスに与えるインパクトが大きくないと判断できるのであれば、まだまだ本格的にアクセス解析には取り組むべきでは無いとも言えるのではないだろうか。
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