フリーランスもノマドも組織もいいけどね。
昨今、ピーター・ドラッカーが台頭を重視してきた知識労働者の世界では、組織という凝り固まった形だけではなく、フリーランスや個人という形での働き方が増加し続けている。
僕はそのこと自体については非常に良いことだとも思うし、コンプライアンス上の問題が適切な方法で解決されているのであればむしろ推奨したいと思う。
数年前は僕自身もその渦中にいて、さまざまな尊敬できる方々とご一緒することができ、本当に素晴らしい貴重な体験をすることができた。仮にいつか人生を振り返る日が来ることがあるとすれば、この時の経験はきっといつまでも色褪せることのない、人生でかけがえのないモノであり続けるだろう。どこかのクレジットカードではないけれど、お金では買えないことがあるとすればそれそのものである。
話を戻そう。
エッヂの効いたブログが無くなってきた昨今、僕が尊敬してやまない外資系投資銀行で働く上村氏のリベラル日誌が面白い。その中でこの厳しい時代に生存するための組織体系という記事があり、今の僕の考え方を代弁したかのような内容だったので僕もこれに便乗してみようと思う。
予めお伝えしておくと僕は上村氏と面識もなければ会ったことすらない。僕が一方的に彼の文章力や思考に魅了され、twitterでの政治のツイートに対して僕が強引に絡みに行った程度だ。
個の力の限界
誤解を恐れずに言えば、どんなに優れた能力を持っていても、どんなに強靭な体力を備えていても、個の力には必ず限界がやってくる。そしてその限界値が個によって異なることも理解しておかなければならない。それは稼げるお金であったり、生み出す成果だったり、さまざまなもので言えることだ。
また、当たり前だけれどもすべての責任は自分へ集中する。そのため、余程のタフネスさがなければ継続することは難しい。僕自身はこの精神力こそが個を支える重要な要素の一つになってくると思う。
そして皮肉なことに知識労働者の世界では、常に努力と成果が相関するものではない。
勿論、個によるメリットも沢山あるだろう。それは時間の有効的な活用だったり、場所的な制約だったり、上手くいっている場合には金銭的なメリットなども上げることができるかもしれない。
組織の力の可能性
組織は【個 + 個】にレバレッジを利かすことができるのが最大の特徴だろう。ベタな表現をすれば「1 + 1 = 2」ではなくて、「1 + 1 = 3」、もしくは「1 + 1 = 4.5.6…」などなど、可能性は大きく広がっていく。
知識労働者は常に努力をしなければならないということを義務付けられている職業だ。その為には偉大な先人たちがのこしてきた多くの知識を吸収し、その知識をアップデートし、幾度となく仮説を立て、検証を繰り返さなければならない。これにレバレッジがかかることを想像すればこれほど素晴らしいことはなくなるだろう。
組織によるデメリットもあるが、それは個のメリットが制限されるということだろう。
まとめ
これだけ散々書いておいて自身のブログに似たようなエントリー(フリーランスという選択肢と、組織という選択肢について)があったことに気づいたのでこの辺にしとこうと思う。結局のところどちらにも優劣があり、どちらが良いうという議論自体が成り立たないのだ。
行き過ぎたノマド称賛者がソーシャルメディア上で声高々にいう。「ノマド最高!」「ソーシャルメディアが世界を変える!」「facebookが検索エンジンに取って代わる!」僕はそんな論点がずれた意味のない議論自体に興味はない。
フリーランスもノマドも組織もいいだろう。それぞれの価値感の違いだし、生き方である。結局のところ、制限時間が決まっている人生のなかで「何を成し遂げたいのか?」「何が大切なのか?」が重要になってくるんじゃないかな。だから誰も誰かの働き方を否定することはできないし、そんな権限もないのかもしれない。
ただし、僕が1つだけ言えることは、人は人によって人となるということ。人は人によって影響を与えられ、学び、成長するのではないだろうか。それ故にいくらテクノロジーが進化しようと人と人との関わり合いを軽視することはできない。その為に、僕は組織という選択肢を選んだ。
だからこそ、僕らは同じ価値観を持った仲間と何かを成し遂げる為に集い、考え、動き、学び、成長したいと思うのかもしれない。
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