星野リゾートが運営する「星のや 軽井沢」へいってきた。


「どこか行ってみたいホテルとか旅館とかある?」

そんな質問を10人に投げかければ、僕の周りの人間であれば半数近くの人が「星野リゾート」と口をそろえて言う。「星野リゾート」はそんなにすごいのか?3月の後半、軽井沢での仕事の打ち合わせが入り、僕にとってまたとないチャンスがやってきた。仕事の内容もさることながら場所は軽井沢。東京駅からわずか1時間程度で行けてしまう為に容易に日帰りも可能だけれど、ここは「星野リゾート」に泊まってみるという選択肢をとってみた。

※うちの事務所からだと軽井沢にいくのも八王子に行くのも時間的には大差ない。

僕と「星野リゾート」との出会いは星野リゾートの教科書だ。多くの旅館・ホテルの再生を手がける総本山はどういったサービスでもてなしてくれるのか?少なからず、今後のビジネスに役立てることができるのではないか?という言い訳を携えて、いざ軽井沢へ!


午後一からの打ち合わせを終え、既に夕方近く。場所を軽井沢駅へ戻し、小雪が降り注ぐ中、送迎のバスを待つ。そこに現れたのは真っ黒で明らかに他の旅館とは異なる立派なバス…。中に入るとすべて革張りの座席に圧倒され、おしぼりまで出てくるのだから完全に圧倒されてしまう…。なんちゅうバスだ…。


ゆったりと走って15-20分程度で「星のや 軽井沢」へ着いた。バスが到着すると大勢の星のやスタッフに出迎えられる…。


受付に通されると、なんとどこぞの民族音楽の生演奏。目の前で少し気まずいけれど、いきなり別世界に連れてこられた感じ。出迎えのドリンクもいただき、手続きも早々にそれぞれの個々の部屋へ案内される。部屋毎に専属の担当者が付き、星のや敷地内を走る車に乗って連れて行ってくれる。


上の写真は水波の部屋の室内。インテリアの色味も嫌気がないし、全く余分なものというのが置いていない。その為、全体的にシンプルに仕上がっていた。個人的にはテレビが置いていないのもうれしい。

室内では温泉の入り方、食事の場所・内容、ルームサービスの内容などなど、長めの星のやレクチャーを受け、個人的な内容(訪れた理由など)もいくつか聞かれる。詳細は記載はしないが、ここで得た情報で今後の滞在時のサービスが変わってくるようだった。僕の場合は僕に関わるスタッフすべてに情報が共有され、熱烈な歓迎を受けることとなる…。


水波の部屋からはこんな素敵な景色も見ることができる。近くには小さな水路もあり、水の音も悪くないが、夜中になるとこの水の音が気になって仕方なくなるので、人によっては少し注意が必要かも?


敷地内には似たような建物も多く、ちょっとした迷子になる。そんな時には部屋の鍵についた家紋のようなものを建物の標識と合わせれば自身の部屋かどうかを簡単に識別することができる。


この画像は温泉内の休憩所。モダンなインテリアと薄暗がりな明かりが心地よく、何時間でも本を読んだりできそうだ。

尚、温泉内の画像はないけれど、かなり変わった温泉で驚くことは間違いない。まずは水路のような箇所を進み、外光を取り入れた大広間のような温泉がある。そこで数分滞在し、再度奥へ進めば最後は洞窟のような箇所になり、初めは何も見えない状態で奥へと進むためかなりの恐怖を味わった。ところがこの真っ暗感、慣れてくると悪くない。所謂下界から離れ、瞑想しているような状態を味わえる。


敷地内_その1。


敷地内_その2。


夕食は敷地内の和食、嘉助で頂いた。写真は筍の塩釜焼き。全体的に量はさほど多くなく、丁度良い印象。味付けは少し癖がある感じがしたけれど、十分楽しめる内容だった。


デザートの種類も豊富だ。気さくなスタッフさんとの話も弾み、心地よい時間を過ごすことができます。

あえて苦言を呈するとすれば、お酒の種類(特にワイン、スパークリングの類)が少ないのはホテルや旅館を運営する上ではコスト面で仕方のないことなのだと理解しつつも、もう少し豊富なラインナップでも良いのではないかという印象はあります。

尚、嘉助では外の景色を楽しみながら食事を頂けるのでした。

#食事の詳細は食べログにて。


食事処の2Fは図書館。図書館にはお茶やコーヒー、茶菓子などがセルフでいただける仕様になっているのもうれしい。食後の後はここで一服。

この後部屋へ戻り、残った仕事を片付け就寝。

星のや 軽井沢/感想

「星のや」のいったい何が素晴らしいのか?と言えば、自然や空間もそうなんだけれど、やはり「ホスピタリティ」の一言に尽きるのかなと思います。確かに部屋はきれいで落ち着くし、設備も抜かりない。温泉もユニークだし、食事も満足いくレベル。

ただし、正直に申し上げてそれらを比較した場合、「星のや」よりも凄い旅館や温泉はいくらでもある。それらよりも価格の高い「星のや」が愛されるのは、やはりサービスの質なんだと思います。僕は「星のや」のスタッフ一人一人が空気を読んでいる、という印象を受けた。どうしてそれが極上なのかと誤解を恐れずに言えば、”空気”を読む力は教えることができないから。

“空気”を読んでくれるスタッフがいるからこそ、過剰な接客をするわけでもなく、終始自由な滞在を楽しむことができる。それこそが「星のや」の強みなのかなと思いました。

少しゆったりと自分の過ごしたい、そんな時はお薦めの場所かもしれません。

興味がある方はこちらからどうぞ。

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