何ができるかより、何ができないか


先日の知り合い同士で話題になっていたことを、許可を頂いて少し書いてみたいと思う。ちなみに集まったメンバーは経営者、プロジェクト責任者、採用責任者などだった。

その時の話の主題は”人材”についてだ。このご時世、組織と言えばさまざまな問題はあるけれども、兎にも角にも”人材”ほど重要なものはなくて、”人材”ほど難しいものはないよねという話。

それ故に、人材のミスマッチほど不幸なことはないよねという話になった。では、人材のミスマッチというものは予め防げるのだろうか?

例えばだけど、うちの場合は面接で食事に行く(酒が飲めればお酒を飲む)ようにしている。だって面接なんてものはとりつくろってくるものであって、素の本人ではないのは当たり前だものね。食事ってのはある程度人間の本性が出やすいんじゃないかと思うのですよ。食べる順番だったり、お酒の飲み方だったり、店員とのやり取りだったりなどなど。1度腹を割って話せばある程度は大体わかる。それでもミスマッチは多少なりあるんだけどね。

こんな話をしたらとある採用責任者は食事は最低でも3回以上行くということだった。彼のビジネスはサービス業ということもあり、接待やお客さんと一緒の会食なんかがしょっちゅうあるということなのでそれも当然なんですけども、やはり食事の際の態度である程度は見極められるというのは間違いないようだ。

更に彼は食事の際に、必ず聞く質問があると言っていて、この質問が確信をついているなと思った。それは何ができるかより、何ができないかを質問するのだそうだ。そこで明確に自分自身の弱点を理解し、包み隠さずに人前で話せるような人間であれば、今後の成長度が見えるだけでなく、信頼して一緒に仕事に取り組むことができるという話だった。

あぁぁ、なるほどなと思った。「何ができるか?」というのはどこまでも誇張して話せてしまうし、嘘だって浅い知識さえあれば短時間の面接程度は潜り抜けられるかもしれない。ただ、「何ができないか?」に関しては、自身と向き合った経験のある人間しか明確に伝えることはできないはずだ。

「何ができるかより、何ができないか」。これにより、かなりの確率で不幸な人材のミスマッチは防げるかもしれない。

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