効果的にアカウントを見るための3つのコツ


私どもの会社では、通常のリスティング広告代理店とは異なり、現在のアカウントを実際に見て、診断し、良い点の抽出や更に良くなるような改善案を提出するような「アカウント分析」というビジネスを展開しています。そう、まさに健康診断のようなサービスですね。

これは契約上でも体制的にも現在のリスティング広告代理店などとこれからも上手に付き合って行きたい、またはインハウスリスティング広告をよりうまく展開させたい、そんなニーズに合わせたサービスで、リリースした当初は誰しもが「アカウント分析???」といった形でした。

そんな中、日々の仕事に終われ時間がいくら有っても足りないリスティング広告プレイヤーがアカウントを見て健康状態をチェックするには、やはり「効率良く見る」ことが必要不可欠です。そこで、日々さまざまなアカウントを見て解決策を出す立場から、「効果的にアカウントを見るための3つのコツ」について書き出します。

全体を大まかに見る

アカウントを効率良く見るための第一歩は、「全体を大まかに見る」ことが必要不可欠です。つまり、「アカウントの枝葉の部分を切り落として、大きな視点で見る」ということですね。具体的には「キャンペーン単位」であったり、「セグメントされた関連性のあるキャンペーン(ブランド名とそれ以外など)」などのCPA(顧客獲得単価)やCV数(コンバージョン数)といった重要成果指標を大きな固まりで見ていき、全体像を把握するということです。この段階ではCTR(クリック率)やCPC(クリック単価)、品質スコアなどの細かい項目を1つ1つ見るのではないということが重要です。

これはGoogle AdWordsのフィルター機能を使った便利な7つの設定+1でも紹介したような、フィルター機能を利用するとより便利に活用できます。

その中でどうしても気になるポイントなどがあれば、その項目ごとにブレークダウンしていくこと、フォーカスしていくことが重要と言えます。ブレークダウンとはなんぞ?という方にはリスティング広告の成果を上げるための7つのブレークダウン術という記事が最適です。


リスティング広告の構造はこんな形になっていますから、上流から下流へ…という流れですね。まさにブレークダウン。


つまるところ、大きな視点から小さな視点にずらしていくということですね。

多くのアカウントを見る

「そのアカウントの気になるところがわからない…」そんな声も多いでしょう。そんな方には気になるポイントを見つけるコツを2つ伝授します。まずは「多くのアカウントを見る」ということ。これは所謂「経験則」が重要になっていくという視点です。

少し話がそれますが、本を早く読むためには何が必要だと思いますか?速読のセミナーに出ることでしょうか?勿論、それも重要なのかもしれませんが、私は「多読すること」だと思います。この話はいたるところで書かれているのでご存知の方も多いでしょうけど、書籍を多く読み、沢山の知識に触れれば、どの箇所を飛ばして良いのか、どの箇所を流し読みして良いのかの”あたり”がつけやすくなるからですね。

まずは「多くのアカウントを見る」ことを心がけ、経験から選択肢を増やすことに集中することが重要です。何せリスティング広告業界では絶対的な正解はクライアントのビジネスを加速させること、もしくは保守すること以外にありえませんから、その正解に向けて取るべき戦略、戦術は十人十色といっても過言ではないのですから。

リスティング広告の価値を向上させる4つのパターンという記事でもこの辺は詳しく書いてます。

もしあなたがリスティング広告代理店に所属しているのであれば、自身が関わるアカウントのみならず、同僚や先輩の関わるアカウントを見せてもらうことでより多くのアカウントに触れることができるはずです。社外の方と共有するのはコンプライアンス的に厳しいので、フリーの方などは少し難しいかもしれないですけども。

尚、経験則というのは上記で紹介したように良い面もありますが、経験則によって物事を決めてつけてかかってしまい、可能性を抑制していまうという悪い面も存在していることをお忘れなく。

ゴールを決める

最後の1つは「ゴールを決める」ことです。当たり前なんですけれども、アカウント分析がうまくいかない、言いたいことが伝わりきれていないなどに陥る際には必ずといっていいほど、ゴールが不明確である場合が大多数です。

全体を大まかに見ることができるようになれば、「どこに何があるか?」を把握することができるので、そうなれば、アカウントを見るということのゴールを決めることが重要です。

リスティング広告のアカウント分析のゴールといえば、自ずとCPAの改善であったり、CV数の増加、といったところが多くなると思いますが、これらの改善で具体的な例を挙げると、「時系列でデータを見て、履歴と照らしあわせて見る」だとか、「近しいビジネス同士で施策を比較する」だとか、んまぁ、この辺はちょっと書きにくいような細かいノウハウがいろいろとあるのですけれども。

これはアクセス解析などでも言えることですが、いずれも「どんなデータが取れそうか」ではなく、「どんな分析結果がほしいのか」を起点に分析に取り組むことが重要なんですね。つまり、仮説立てが重要であるということと同義です。

まとめ

  1. 全体を大まかに見る
  2. 多くのアカウントを見る
  3. ゴールを決める

今回ご紹介したような3つの視点を意識しながらアカウント分析に取り組めば、迷路に迷い込むことなく、必ずやそのアカウントの問題点を洗い出すことが出来るはずです。これまでただの数字の羅列だった無機質なものが、あなた自身に語りかけてくれるかもしれません。

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