検索連動型広告のジレンマ
ビッグキーワードに予算をどっと使うなら、同じ予算で的確なスモールキーワードを数百設定したほうがコンバージョンは間違いなく上がる。
こんな表現が一人歩きしている。個人的には言いたいことはなんとなくわかるような印象はあったんだけど、特定の広告主を除いて、スモールキーワードだけで大きな売上をあげることは難しい。その真意を説明しようと思う。
検索ボリュームは語句が多くなればなるほど、セグメントされればされるほどに少なくなっていく。その為、検索数自体が少なくなっていけば、自ずと検索連動型広告経由の総コンバージョン数だって少なくなる。
スモールキーワードからのコンバージョンが限られてしまっている以上、リスティング広告で成果を上げるには他の施策を検討しなければならないだろう。その代表的な施策がビックキーワードから発生するコンバージョンを拾いに行く手法だ(※)。
(※)リスティング広告にはその他にもインタレストマッチやGoogle AdWordsのディスプレイネットワークなどさまざまな選択肢がある。選択肢の多さこそがプレイヤーの質である。
スモールキーワードの施策に必要なのはいわば忍耐だ。沢山のキーワードを細かにグルーピングする細かな施策である。対して、ビックキーワードの施策に必要とされるのはセンスであり、クリエイティブの領域だ。このビックキーワードからのコンバージョンの割合をどこまで引き上げられるかというのが検索連動型広告プレイヤーの質だといっても過言ではないと僕は思っている。
つまり、検索連動型広告は完全に検索数に依存してしまうのだ。これを僕は検索連動型広告のジレンマと呼んでいるんだけどね。
リスティング広告はインターネットを利用しているユーザーにしか届けられない広告であり、検索連動型広告は検索数に依存する広告だ。この原理原則を忘れてしまっては大事なことを見失ってしまうのではないだろうか。
小さな成功だけをみているのであればスモールキーワードだけでもどうにかなるだろう。費用対効果の許す範囲でより多くの施策に取り組んでこそ、次の道が開けるのを忘れてはいけない。
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