リスティング広告は妥協の産物である
表題は別に釣りというわけではなく、僕は常々リスティング広告は妥協の産物であると思っている。記事ではあまり書いたりはしてこなかったけど、セミナーやワークショップではよく話しているので聞いたことある方もいるかもしれないけれど。何故妥協の産物であるのかを簡潔に回答すれば、リスティング広告はどこまでやるのか?で成果が大きく変わる事が非常に多いからである。
その最もたる例が検索連動型広告のグルーピングだ。格安航空券を取り扱うビジネスの場合で見てみよう。
※極端な例なのはご愛嬌。
その1は「国内航空券 格安」と「国内航空券 激安」というキーワードを同一の広告グループへ含めたケース。その2はそれぞれのキーワードを独立させ、別の広告グループに格納するケースだ。この場合、みなさんはどちらのグルーピングを選択しますか?
これって実は正解はありません。どのような検索連動型広告での戦い方を選択するのか?それによってベストプラクティスは異なってくるからですね。僕はこういった話をよく戦国時代や中世ヨーロッパでの陣形に例えるのだけれど、どうもコア過ぎて付いてきてもらえれないことが多いので今回は割愛するけれど…。
話を戻そう。上図の場合、その2の方がより良い結果に恵まれる可能性が高いのは間違いない。それはユーザーが検索をしてくるキーワードを広告文に含めることができやすくなるからだ。検索ユーザーは検索をしたキーワードを半ば無意識的に目で追いながら広告文をクリックする傾向が有るため(広告文を読んでいる、という表現は適切ではない。これはslideshareを参照)、クリック率が上がりやすく、Google アドワーズやYahoo!プロモーション広告の品質を算出する仕組みにおいても非常に理にかなったものだ。
極端な話をすれば「検索連動型広告の最終形は1キーワード1広告グループだ」なんて話もあるし、実際にその通りなんだけど、すべてのキーワードをそんな広告グループ構成にしてしまってはアカウント管理が雑多になってしまうのは目に見えているわけで、であるとするならば、どこかで必ず妥協しなければならないラインが出てくるはずだ。
どんなアカウントでも、競合のアカウントでもどこかで必ず妥協するのだから、この妥協ラインが奥であれば奥であるほど、負ける可能性は少なくなるという単純明快な理由なんだよね。
この「どこで妥協するか?」のラインの決めこそが成果の分かれ目の1つであることは、これまでにあまり語られることは無かったと思う。だからこそ、リスティング広告は妥協の産物であると言えるのだ。
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