検索連動型広告の広告文でよく見かける2つの無意味なABテスト

「リスティング広告の広告文においてABテストは必要不可欠」といった内容はほとんどの施策者が理解していることだと思います。では、そのABテストで利用する広告文はどのようなアプローチ方法で作成されたものでしょうか?また、その広告文らは明確な区別を設けられたものでしょうか?

ABテストで利用するそれぞれの広告文を明確に定義付けて区分し、作成することはリスティング広告で劇的に売上をあげる為に重要な広告文の極意とは?などでも記載した通り、1つの商品でも多角的な視点を用いることによってさまざまなアプローチ方法があれば特に難しいことではありませんが、広告グループ数が膨大にのぼったり、やることが山ほどある状況では、半ば無意識的に無意味なABテストを繰り返している現場に出くわすことも少なくなりません。

今回は私や私の周りの知見、及び経験、更には科学的な根拠のあるプローチから導き出された「検索連動型広告の広告文でよく見かける2つの無意味なABテスト」をご紹介します。

  1. 記号を付けた、付けないABテスト
  2. タイトルを変更しないABテスト

記号を付けた、付けないのABテスト

Title & Description_1
広告文に記号を付けたバージョンと、そうでないバージョンの広告文をABテストするのは、リスティング広告を始めた頃から数年の経験を得た頃の間に陥る現象です。当然ながら多少の数字のブレは発生しますが、これによって大きく成果が変化することは殆ど無いといっても過言ではありません。これらの数字の違いはほとんどのアカウントではほぼ無意味の誤差となるといってもよいでしょう。

タイトルを変更しないABテスト

Title & Description_2
検索連動型広告の広告文で大事なのはタイトル(見出し)です。その為、タイトルを変更しないでディスクリプション(広告文は一部でTitle & Descriptionと呼ばれています)だけを編集した場合、明確な差が出ることはあまりありませんでした。これは私たちの経験上もそうでしたが、青山学院大学 文学部 心理学科 助教 西村洋一氏の研究の結果でもそのように裏付けられています。

検索結果画面における広告への注意(注視回数、注視時間)
検索結果が面を呈示された際の視線の軌跡を検討してみたところ、検索連動型広告であろうと、純粋な検索結果であろうと、見出しにまず視線が集まっていた。そして、説明文の記された部位にはあまり注意が向けられていなかった。これらは検索結果における見出しの重要性を表しているだろう。 by 検索連動型広告に関連する心理的要因についての検討(PDF) 

この研究結果からも、タイトルを変更しないABテストでは大きな差を生むことが出来ないと言うことができるでしょう。実際の現場の数字でも、タイトルを変更しない場合のABテストで大きく成果がわかれることはほとんどありません。

ABテストの目的はZを見つけること

表題の「無意味」というのはやや言い過ぎかもしれませんが、劇的に成果を上げる可能性がないABテストに価値はありません。広告文に大事なのは、記号をつけたり小手先の変更を加えたりなどのテクニック論ではなく、誰に何を言うか?です。

ABテストはAとBのそれぞれの良し悪しを判断するためのテストであることは周知の事実ですが、一度きりの判断で終わるものではありません。その為、継続的な改善が必要となるケースが殆どであるため、永遠に続くことのように感じることもありますが、ABテストは優劣を決めるテストであると同時に、未だ見ぬZを探す旅だと考えることの方が、より良い改善を生み出すことができるのではないかなと思います。

新しい書籍について

「いちばんやさしいリスティング広告の教本 人気講師が教える利益を生むネット広告の作り方」の方でも広告文の作成方法について触れています。
参考:http://www.amazon.co.jp/dp/4844336118

アナグラムの採用について

広告文のABテストは記号を付ける付けないは無意味なんだよな。タイトルを変更しない広告文のABテストとかほんと意味ないんだよな、などと考えていて実行している、という方は以下よりどうぞ。

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