仮説と検証でPDCAサイクルを回そう

リスティング広告に限らず、Webマーケティング近辺にかかわるお仕事をされている方々には馴染みの深いPDCAサイクルですが、このPDCAサイクルを実際に回すことは容易ではない!というお話もちらほら聞かれだしました今日この頃。

PDCAサイクルって、本当に回せるんですか?という問いに、リスティング広告のPDCAサイクルを簡単に巡回させる方法を書き出してみます。

※このPDCAサイクルを回す方法は実際に僕が運用時に行っている施策であって、100%の正解ではない可能性がありますので、各個人で都合の良いPDCAサイクルに置き換えて解釈していただければと思います。

リスティング広告のPDCAサイクル

PDCAサイクル
PDCAサイクルとは下記の様に定義されています。
PDCAサイクル by Wiki

  • Plan (計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。
  • Do  (実施・実行):計画に沿って業務を行う。
  • Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する。
  • Act (処置・改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする。

これらをリスティング広告のPDCAサイクルに置き換えてみましょう。

Plan (計画):
今までの経験値やアクセス解析データ、利益率、使用可能な予算、主要キーワードの検索ボリューム、競合の数などから最適で達成可能な目標CPAを定める。また予測最大獲得数などを定めておくことでより効果的に施策を行える場合もある。
また、それらを実行する(セッティング)にはどのくらいの期間が必要なのか?を予め考慮しておく。

 

Do  (実施・実行):
Plan時に立てた計画を速やかに実行(セッティング)。しかしながらセッティング時(キーワード登録広告文の入稿)に新しい課題が見つかる場合が大多数なので、予め余裕を持っておくことが大事。

Check(点検・評価):
施策開始直後、数時間後からある程度アカウントを眺める。予想とは違う検索ボリュームだったり、広告文の審査落ちによる、機会損失がある可能性がある。

また施策開始後、数日経ってから効果検証を必ず行う。予定通りにCPC(平均クリック単価)、CPA(顧客獲得単価)は推移しているのか?

※正確に効果検証を測るのであれば、時期的な検索動向が無いような期間で区切り、効果検証をすることをお薦めします。商材にもよりますが火曜日と土曜日を比較してもあまり意味がないので、統計的に見れるようにデータを蓄積して分析しましょう。

Act (処置・改善):
Check時に出た問題点やPlan時に出した予測と違う結果が必ず現れます。現状で出ているデータが最新のデータになるので、それらをデータを元にキーワードの重要度や予算配分などを再分析。この作業は最初に書き出したPlanを再設計する部分なので、特に難しく考えないことが重要です。

またリスティング広告のAct (処置・改善)時に一番多く直面する問題は予算の消化具合です。消化のペースが早い場合、遅い場合などに沿って行える施策はそう多くありませんので、一部を下記に書き出します。

予算がまだ使える場合のAct (処置・改善)

  • 新しいキーワードの発掘
  • BIGキーワードへの入札
  • 新しい広告配信先の追加
  • 完全一致の部分一致化
  • 低いCPAで推移しているキーワードの高額入札
  • キャンペーンの予算設定額の増加、または排除

予算を抑える場合のAct (処置・改善)

  • 余分なキーワードの削除、低額入札
  • CPAが高騰しているキーワードの削除、または低額入札
  • 余分なキャンペーン、広告グループの停止、及び削除
  • キャンペーンの予算設定額の削減
  • 部分一致の完全一致化

リスティング広告のPDCAサイクル:まとめ

PDCAサイクルというと面倒な印象がありますが、簡単に考えれば「仮説」と「検証」の繰り返しです。ただし、その「仮説」の質はPDCAサイクルを回すごとに向上していきます。

個人的にはこの質の上がった「仮説」を生み出せることが重要であり、その「仮説」の質がリスティング広告施策者のレベルだと考えています。

「仮説」は「検証」することで磨かれていくので、一番面倒だと考えがちな「検証」の重要度は非常に高いことを忘れずに。

また、リスティング広告のPDCAサイクルを上手に回すコツは、最初は少ないキーワードだけに絞ってPDCAサイクルを巡回させることです。少ないキーワードであれば具体的に分析が可能なのでめんどくさくなることも少ないでしょう。それらの効果が目に見えて分かるようになれば、徐々にキーワード数を増やし、次は広告グループ単位で分析をしていくことをお薦めします。

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