ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ/感想

ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ
先日書評で書いた問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門の著者、横田 尚哉氏の2008年に出版されている書籍で、「ファンクショナルなものの見方」を、「準備」「分解」「創造」「洗練」の4ステップで実践的に解説している書籍であるということと、入門ではなく実践編であるということで購入してみました。

まず個人的には問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門よりも前半はかなり分かりやすく、具体的なアプローチ手法が書かれているので引き込まれながら読み進められます。

半分地点になってくるとだんだん良く分からない構成に突入していくので、パラパラーっと読み進めるのがよいかと思います。いずれにしても前半は分かりやすい!

ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ/レバレッジメモ

アルバート・アルバートインシュタイン
いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできない

問題解決5つのフェーズ
ISSUE分析

  • フェーズ1 問題の認識
  • フェーズ2 改善点の特定
  • フェーズ3 解決手段の選択
  • フェーズ4 解決手段の適用
  • フェーズ5 改善効果の評価

「もう、これ以上どうにもならない」ちょっと待ってください。本当に、どうにもならないのでしょうか?あなたが考えているのとは別の場所に、改善できる点がたくさん残っているかも

改善点に気づくという重要性
あなたは改善手段を知らないために改善ができないのではなく、改善点に気がついていないために改善ができないのです。

  • タイプ1 現れた改善点

改善点として認識され、改善が可能なもの。ここがまだ改善されずに残されているようであれば、それはすぐに改善するべきでしょう。

  • タイプ2 揚げられた改善点

改善点として認識されているが、改善が不可能なもの。改善すべきところはわかっていても、時間がない、金がない、スキルがない、自信がないなど、改善できない理由があるのです。

  • タイプ3 埋没している改善点

改善点として認識されず、改善も不可能なもの。これは発見も解決も難しく、誰にも気づかれずにじっと眠っているところなのです。

  • タイプ4 見落とされている改善点

改善可能にもかかわらず、認識されていないもの。これこそが、これからあなたが扱わなければいけないところです。ここには大きな改善点がたくさん転がっています。

一つの事例からは一つのことしか学べない
一つの事例からは、ひとつの解決手段しか得られません。しかし、ひとつの大原理からは無限の答えが得られます。つまり、事例は単なる知識に過ぎず、原理は無限の知恵となります。

必要な努力と無駄な努力
目の前の努力に一生懸命になる前に、ただひとこと、「それは何のため?」と問い続ければ、「必要な努力」と「無駄な努力」を見分けることができます。たったそれだけの問いかけで、問題解決のヒントを得る事が可能となります。

「なぜ?」よりも「何のために?」
「なぜ?」という言葉を「何のために?」と置き換えてみましょう。それだけで、視点を「過去」から「未来」へと移す事ができます。「原因」を追求して「過去」を思い出すよりも、「目的」を追求して未来に目を向けることが大事。

より効率的な解決手段をみつける5つのヒント

  1. 相手の立場で考える(使用者優先の原則)
  2. 機能の視点で考える(機能本位の原則)
  3. 過去ではなく未来で考える(創造による変更の原則)
  4. メンバーと共に考える(チームデザインの法則)
  5. 価値を高めることを考える(価値向上の原則)
  • 過去ではなく未来で考える(創造による変更の原則)

過去の物を現在のレベルまで押し上げるのではなく、一度理想的な未来を思い浮かべ、そこから、現在可能なレベルまで引き下げて考えるのです。

アイデアを練って、練って、練り上げる

  1. 利点を見つける
  2. 利点を伸ばすアイデアを創造する
  3. 欠点を見つける
  4. 欠点を取り除くアイデアを創造する
  5. 追加されたアイデアを取り込んで新しいアイデアにする
  6. さらに利点と欠点をみていく
  7. ※新しいアイデアを優れた解決手段に成長させる

アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ
完璧な設計だとわかるのは、付け加える物がなくなったときではなく、取り除くものが無くなったときである。
 

ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ/まとめ

問題解決をどのように進めていくのか、を具体的に記した書籍あると同時に、「問題の見方」を改めて確認することが出来るようになるであろう書籍です。

著者の横田 尚哉氏は下記のように本書をまとめています。

≪ファンクショナルアプローチを知る≫ことを通してあなたに気づいていただきたいのは、≪視点を変える≫ことです。ファンクショナルアプローチは、視点を変えるための手段です。

本質を見て、本質から考えて、本質から変えようとすること。これが一番大事なわけですね。

いやはや、勉強になります。ジャンルを超えて、どんな問題点でも解決する方法というのは変わりませんな。

問題の解決方法を学ぶという面でお薦めです。

ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ
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5 モノ、コトの機能(ファンクション)に注目した問題解決技法の分かりやすい説明
5 問題解決のための原理を明らかにする不朽の基本書。
2 細分化
4 情熱大陸で気になった横田さんの本
4 購入して損はない。

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