飲食店の食べログに対する姿勢のあれこれ

先日、食べログが、レストランを潰すという記事がツイッター界隈で話題になりましたが、食べログの参加者としては少々?な箇所があるのも事実です。

私にはいわゆる”行きつけ”といわれるような、月に1度は通うお店が2店ほどありますが、その2店の食べログへの姿勢は二者二様で、それこそ全く異なる姿勢で食べログと共存しています。

実際に店主から聞いた話と、食べログ暦も4年近くなる私なりの解釈も踏まえて書き出してみたいと思います。

食べログの普及率

関東近辺、特に都内で飲食店を探すのに、もはや食べログは欠かせない存在ですね。これは個人的な解釈と私の周りの意見ですが、飲み会の誘いなどでぐるなびやホットペッパーのURLが飛んでくると、かなりびっくりしてしまうほどです。

ただ、地方へ行く場合など、食べログはあまり当てになりません。有名店でもない限り、レビューが全く存在しないなんてことも多々あります。ちなみに、私の地元仙台では未だに”ぐるなび”で飲食店を探すのが主流だといわれました。※人によって異なるとは思います。

食べログを好意的には受け止めていないお店

私のお気に入りの1店の和食店(現在星3.8)では、食べログを好意的には受け止めてません。理由は巷で上げられている”悪い評価をされる””晒される”からではありません。

店主曰く
「たしかにお客さんを連れてくるのは事実。ただうちはその時期に一番美味しい”旬”を味わってほしい。だからこそ”旬”の食材を取り揃えてお客様に提供している。だけど、その食材が食べログに掲載され、そのレビューをみてお店に来た頃にその”旬”の食材は既に”旬”でなくなっていることが多い。だから○○ありますか?と聞かれても、旬じゃないからないねー、というしかない悪い流れがある。職人として、これほどやりきれない思いをすることはない。ただし、だからといって写真撮っちゃだめとか、書いちゃ駄目とか、そういうことはお客さんの自由だと思うので、いつ書かれてもいいように、毎日が真剣勝負」
ということでした。

これには納得させられました。こだわり続けているお店だからこその悩みですよね。そう考えると、食べログにも昼評価、夜評価ができたように、”旬”表記なるものがあってもいいのかもしれません。

食べログを好意的に受け止めているお店

私のお気に入りのもう1店の料理店(現在星3.7)では、食べログを非常に好意的に受けて止めています。

店主曰く
「美味しいものを作ってもお店には着てくれない時代。特にマイナーな駅とか、地方だったら尚更。だからこそホームページやGoogleプレイス、食べログのようなものを出来るだけ有効活用したい。無料で出来るものはなんでもやるし、有料のものであっても積極的に投資したい。料理しかやらないという時代ではなく、そういう時代なんだから時代に合わせて、飲食店をやり続けるしかない」

私にはこの店主が異常に映りました。だって考え方が柔軟すぎる。
ちなみに、このお店のほとんどの新規のお客さんが「食べログをみて…」というそうです。それぐらい食べログの影響度は高いことを実感されているようでした。更にこのお店のホームページは、私の知るSEOスペシャリストが手掛けており、ブログでの露出やその季節のお薦めの料理を毎月アップし続けるなどの努力を怠りません。集客への本気度が伺えますね。
参考:Googleプレイスに無料で店舗を登録する方法ガイド

食べログアルゴリズムの評価基準

上記2店で取り上げた繁盛店の共通点は、食べログの評価、星の数には言及されていませんでした。それは”旨いものを出している”という確固たる自信の表れなのかなとも見受けられました。それで評価が悪いのなら仕方ないという潔さもあるのかも…。

しかし、新規店などでは星の数だけで評価される場合もあるでしょう。

食べログは多数決で点数が評価されていると思われがちですが、同じ点数をつけた場合でも、レビュアーや時期、投稿先のレストランなどによって、点数の反映される度合いは変わってきます。
参考:食べログ > 点数ついて

検索エンジンのアルゴリズムと同様に、具体的には非公開のようですが、評価をつけ続けると、どんなレビュアーが星を付け出すと平均点が大きく動くのかが分かってきます。

また、この食べログアルゴリズムは不定期に変更されています。私のお気に入りのお店の評価で、先月まで3.8だったお店が、今月に入り、だれもレビューを変更していないにもかかわらず、3.7へと変化していることからもそれらは一目瞭然です。
星の数の評価で一方的に攻撃されるなんてことはあまり聞いた事がないんですけどね…。

評価の操作は食べロガーにばれている

評価の操作を行う飲食店も多いですし、それらをサービスとして提供している会社もあると聞きます。が、そんな素人が書いた記事は食べロガーにばれていますよ。本当に食べた人にしかかけない記事、ライトな内容の記事は簡単にばれていて、食べロガーのリストから外れてます。

食べログを装う営業が食べログのイメージを下げる

食べログのイメージを下げるのは、消費者にだけではありません。飲食店にもあまり良いイメージを持ってもらえないのは、食べログを装う営業が存在しているからです。

上記の黄色枠を売るために”食べログですが…”という営業トークが広がっている。
まぁこれは「Canonですが…」といって代理店がプリンターを売りにくるのに似ているのかな。最初から「代理店ですが…」といえば悪意は感じないがアポは取りにくくなるので、なんともいいずらい部分ではありますが…

飲食店の食べログに対する姿勢のあれこれ/まとめ

食べログにはさまざまな意見がありますね。

実際に利用する方の私としてはどうせお金を払うのであれば、美味しい物や素敵なサービスを受けたいと思うので、食べログで飲食店を探し続けてきましたし、これからも食べログを利用するでしょう。そして食べログは決してネガティブなものばかりではないと思うわけです。

飲食店は各個人による出身地や趣向で評価基準が異なります。その為、食べログの点数を気にするのではなく、食べログの正しい見分け方を理解して、共存するのが良いと思います。

無断でネットに載せるな 「食べログ」社を提訴 佐賀市の経営者こんな裁判もあるようですが、私個人の意見としてはもう時代なので…流れは止められないというか、しょうがないというか…その時代にあったスタンスが必要なのかなとも思います。飲食店を経営されている方も、この記事で上げた2店目のお店のようなスタンスで、ある程度の柔軟な姿勢が必要なのかもしれませんね。

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