パーソナライズド検索でリスティング広告の部分一致は進化する

リスティング広告の中のキーワードマッチである”部分一致”は、多く利用されているキーワードマッチの一つですが、部分一致は登録して終わりではなく、ずばり日々進化していることはあまり知られていません。

今回は部分一致が日々どのように進化・変化しているのか?と、あまり知られていないパーソナライズド検索が影響するAdWordsについて書き出してみます。

AdWordsの部分一致は日々進化している

AdWordsの部分一致は日々進化しています。特定のキーワードを登録した日の動きと、数日後の特定のキーワードの動きでは異なる場合があります。具体的に解説してみましょう。

マンションの売り買いを行っている会社が(マンション)というBIGワードを部分一致で登録しているとします。そうした場合、多くの方は(マンション)に波状されるキーワードに広告が配信されると考えます。が…答えは(マンション)に波状するキーワードだけに広告が表示されるわけではありません。

AdWordsの場合は検索クエリレポートを利用することで、部分一致として登録したキーワードで、実際にはどのような広告が掲載されたのか?を詳細にみることが出来ます。
参照:アドワーズの除外キーワードを簡単に設定する方法

これらを見ると、(マンション)というキーワードで部分一致登録したにもかかわらず、他のキーワードでも広告が表示されているのが一目瞭然となるはずです。中にはマンションとは程遠いキーワードで広告が表示される場合もあるので、必ず除外キーワードとして設定することをお薦めします。

また、上記の様にマンションの売り買いを行っている会社が(マンション)というキーワードで部分一致登録した場合に、どのような不具合のあるキーワードで広告が表示されるかというと、(ウィークリーマンション)や(マンスリーマンション)などが簡単に上げられます。キーワード設定当初はこれらの除外キーワードの設定だけでも十分余計なキーワードを防ぐ事ができるかもしれませんが、AdWordsの部分一致は日々進化しています。昨日と今日では部分一致の誇張度合いが異なる場合があるのです。

パーソナライズド検索について

上記でも上げたとおり、つまり、当初は(ウィークリーマンション)や(マンスリーマンション)などで訴求されていた(マンション)というキーワードでの部分一致は、(賃貸)や(貸家)など、更には(HOME’S)や(ホームズ)などのブランネームにも誇張していく可能性があります。
その逆もしかりで(HOME’S)や(ホームズ)などのブランドネームに出稿していると、(マンション)などのキーワードにも広告が表示されていまうんですね。

これらは部分一致が≪ホームズ≫と検索するユーザーは≪マンション≫と検索するユーザーと同等のニーズを、かなりの確率で持っているのではないか?と考えているからと予測できるのと同時に、下記のようなパーソナライズド検索が影響している可能性があります。こういったことは日々運用をしていると往々にして起こりがちです。

(横浜 税理士)と検索をします。通常通り、横浜の税理士関連の広告が出てきますね。


次に(税理士)と検索をします。
すると、横浜は含んでいないにもかかわらず、神奈川の税理士関連の広告が一部含まれているようです。これは直前検索ベースのパーソナライズによって、神奈川の税理士関連の広告が出現したと予測できますし、上図の3番目の広告に関しては地域ベースのパーソナライズによって、東京の税理士関連広告が出現したと予測できます。
※ちなみに、この場合はGoogleアカウントにログインしていない状態です。
※パーソナライズド検索にはこのほかにも数多くのパターンで確認することができます。

図内①の場合、(神奈川 税理士)というキーワードを部分一致入札していると予測できますが、実際に広告が表示されているのは(税理士)というキーワードにてということになります。これはAdWordsが独自に「(横浜 税理士)と検索した人が直後に(税理士)と検索をかけた場合、限りなく神奈川の税理士探しているよね?」とパーソナライズしていると考えられます。
この状態で図内①の広告がクリックされたとき、AdWords管理画面では(神奈川 税理士)がクリックされたことになりますが、検索クエリレポート上では(税理士)がクリックされたことになるのです。

良いか悪いかはおいておいて、こういったものがAdWordsの部分一致には影響を及ぼしているため、部分一致の検索クエリレポートにはさまざまなキーワードが含まれるわけですね。

ちなみに、Googleはパーソナライズド検索は希望したユーザーでしか有効になりません。具体的には、グーグルアカウントにログインしていて、さらにウェブ履歴を有効にしている必要があると言っていますが、グーグルにログインしていない状態で有効になるパーソナライズは、地域ベースと直前検索ベースのパーソナライズの2つあるとも言っています。これがAdWordsの部分一致をややこしくします。

尚、AdWordsは正式にパーソナライズド検索を導入しているというリリースは出していないようですが(検索しても出てこない)、上記を見る限り、また、検索クエリレポートを見る限り、パーソナライズド検索を導入しているのはほぼ間違いないでしょう。

パーソナライズド検索でリスティング広告の部分一致は進化する/まとめ

パーソナライズド検索を加味すると、今でも少しあやふやな部分一致の定義が更に難しいことになってきますね。その為、パーソナライズド検索を全て分析してどのように活用しようか?と考えるのは、ほぼ不可能に近いです。
この記事では、パーソナライズド検索を加味する事で、より除外キーワードの重要性を理解していただくことに主軸をおいています。部分一致でキーワードを登録する際には、除外キーワードの細かな設定を行うのをお忘れなく。

尚、Yahoo!リスティング広告では2010.10.15現在、パーソナライズド検索が導入されている傾向は見受けられません。

私の新しい書籍では、部分一致と上手付き合う方法なども公開しています。

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