マネジメント – 基本と原則 [エッセンシャル版]/感想
2010年は何かとドラッガーがちやほやされた年でしたね。そんな流れで、私の記憶が確かならば数年前に恐らく読んでいたはずなんですが、あまりに記憶に残っていなかった為にエッセンシャル版にてもう一度読んでみました。思っていた以上の感動や発見は少し少ない気がしましたよ。
とはいえそこはドラッガーですから、随所随所にぐっとくるエッセンスが盛り込まれているので、そのあたりをレバレッジメモとして書き出したいと思います。
マネジメント – 基本と原則 [エッセンシャル版]/レバレッジメモ
目先の利益を手にすることに価値はない
存続と健全さを犠牲にして、目先の利益を手にすることに価値はない。逆に、壮大な未来を手にしようとして危機を招くことは無責任である。今日では、短期的な経済上の意思決定が環境や資源に与える長期的な影響にも考慮しなければならない。
常に成長するということ
企業そのものは、より大きくなる必要はないが、常によりよくならなければならない。
企業を存続させるために
特に良質の人材と資金を引き寄せることができなければ、企業は永続できない。産業全体として見ても、その衰退の最初の徴候は、有能でやる気のある人間に訴えるものを失うことである。
戦略計画でないものを知る
未来は、望むだけでは起こらない。そのためには、いま意思決定をしなければならない。いま行動し、リスクを冒さなければならない。必要なものは、長期計画ではなく戦略計画である。必要なことは、まず戦略計画といえないものを知ることである。
問題は、「明日何が起きるか」ではない
最大の問題は、明日何をなすべきかではない。「不確実な明日のために今日何をなすべきか」である。「現在の考え方や行動にいかなる種類の未来を織り込むか、どの程度の先を考えるか」、そしてそこから「いかにしていま合理的な意思決定を行うか」である。
現在行っていることは、かなり近いうちに廃棄すべきものである
あらゆるサービス機関が守るべき原則は、「現在行っていることは永遠に続けるべきものである」ではなく「現在行っていることは、かなり近いうちに廃棄すべきものである」でなければならない。
意味のなくなった成功は、失敗よりも害が大きい
永続的な成功などありえない。しかるに、成功は失敗よりも捨てることが難しい。すでに自負を育てている。成功は愛着を生み、思考と行動を習慣化し、過信を生み。意味のなくなった成功は、失敗よりも害が大きい。
働きがいを与えるための3つの条件
- 生産的な仕事
- フィードバック情報
- 継続学習
知りながら害をなすな
プロたるものは、医者、弁護士、マネジャーのいずれであろうと、顧客に対して、必ずよい結果をもたらすと約束することはできない。最善を尽くすことしかできない。しかし、知りながら害をなすことはしないと約束はしなければならない。顧客となるものが、プロたるものは知りながら害をなすことはないと信じられなければならない。これを信じられなければ何も信じられない。それでいながら、プロたるものは自立性を持たなければならない。顧客によって、支配、監督、指揮されてはならない。
また、自らの知識と判断が自らの決定となって表れるという意味においては、私的な存在でなければならない。しかし同時に、自らの私的な利害によってではなく、公的な利害によって動くことこそ、彼に与えられる自立性の基礎である根拠である。
言い換えるならば、プロたるものは、自立した存在として政治やイデオロギーの支配に従わないという意味において、私的である。しかしその言動が、依頼人の利害によって制限されているという意味において公的である。
意見の相違いを重視する
ある案だけが正しく、その他の案がすべてまちがっていると考えてはならない。自分は正しく他の人はまちがっていると考えてもならない。なぜ他の者の意見が違うのかを明らかにすることからスタートしなければならない。明らかにまちがった結論に達しているものがいても、それは、何か自分と違う現実を見、自分と違う問題に関心を持っているからに違いないと考えなければならない。
成果よりも努力
成果よりも努力が重要であり、職人的な技能それ自体が目的であるかのごとき錯覚を生んではならない。仕事のためではなく成果の為に働き、ぜい肉ではなく力をつけ、過去ではなく未来の為の働く能力と意欲を生み出さなければならない。
マーフィーの法則
うまくいかなくなりそうなものは、いずれうまくいかなくなる
ドラッガーの法則
何かがうまくかなくなると、すべてがうまくいかなくなる。しかも同時に
だれにとって価値があるか
いくらで売りたいかではない。娘の相手を探すときは誰がよい夫になるかを考えるな。誰のよい妻になるかを考えよ
マネジメントを知るということ
マネジメントを知らない起業家が成功し続けることはありえない。イノベーションを知らない経営陣が永続することもありえない。企業にせよ他のいかなる組織にせよ、変化を当然とし、自ら変化を生み出さなければならない。
マネジメント – 基本と原則 [エッセンシャル版]/まとめ
現在行っていることは、かなり近いうちに廃棄すべきものであるなどは私自身も常に心がけていることで、「今うまくいっていることは近いうちにそうではなくなる」という仮説を持ち込んで「新しい取り組み」に少しずつでもシフトするように常に可能性を探しています。これは本当に大事です。
また、知りながら害をなすなは全てのコンサルタントや施策者が心がけなければいけないことだと思います。もちろん、私も含めですが。受けるからには自分自身の能力の120%を注ぎ込み続ければ、次の道が見えてくるのではないでしょうか。
非常に細かい字でぎっしりと300ページあまり書かれている本なので、一気に読み終えるのはなかなかへビーな書籍ですが、レバレッジメモでも書き出しているように、ビジネスを行う上で、組織で向上していくうえで非常に重要な記述がされているのでやはり読み直しておいてよかったなと思える書籍です。
2010年の最後に本書を読み終えたのも何かの縁で、2011年は今年以上に今回書き出したようなレバレッジメモを心に刻んで、生きていきたいと思います。
お薦めです。
ダイヤモンド社
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