部分一致と完全一致の効果的な使い分け

Yahooリスティング広告がスポンサードサーチVer.3にバージョンアップし、よりキーワードマッチの管理が容易になりました。

スポンサードサーチVer.3ではキーワード単位で完全一致、部分一致、フレーズ一致、絞り込み部分一致と設定が可能になり、これまでのようにキャンペーン単位や広告グループ単位でわざわざキーワードマッチを指定しなくても良くなり、これらはリスティング広告プレイヤーには非常にうれしい変更だったとも言えます。

ただし、このキーワードマッチの使い分けは明確に定義されることはありません。それもそのはず、アカウント状況や予算、取り扱うサービスによって最適な戦術は異なり、”どういった施策が最適である”とは一概に言いにくい部分があるからではないでしょうか。

それでも、オーソドックスな思考として、部分一致と完全一致を効果的に使い分ける方法は存在します。

どこかで何度か書いたことがある気もするので、多少内容が相互する可能性があるかもしれませんが、リスティング広告の新プレイヤーは増え続けているということもあり、改めて図解で解説したいと思います。

完全一致の定義

まずは定義から入りましょう。すべての事柄はルールと仕組みを知ることから始まります。

完全一致はその名の通り、登録したキーワードが完全に一致した場合にのみ、広告が配信される仕組みです。

以前のYahooリスティング広告ではマッチドライバーと呼ばれる辞書機能(※詳細はYahoo!リスティング広告Ver.3への対策 キーワードの「辞書」機能について。)が働いていましたが、それはスポンサードサーチVer.3にはありません。

その為、仮に完全一致のみで施策を行う場合には、それ相応のキーワードボリュームが必要になってきます。

完全一致の詳細な定義・メリット・デメリットは、部分一致と完全一致で迷っている方へ、完全一致編でご確認ください。

部分一致の定義

部分一致の定義・メリット・デメリットは、部分一致と完全一致で迷っている方へ、部分一致編でも確認いただけますし、Googleの売上から紐解く部分一致の可能性と重要性からもご確認いただけます。

完結に申し上げれば、”幅広く訴求してくれる”の一言に尽きます。

部分一致と完全一致の効果的な使い分け

いよいよ本題に入るわけですが、部分一致と完全一致はどれか片方だけ利用する、ということではなく、お互いのメリットを最大化し、デメリットを最小化させ、それらを共存させて効果的に利用することが可能です。

例えば、下記のような利用方法が非常にベーシックな手法で汎用性のある大事な設定方法です。


上記の場合、同一キーワードを異なるキーワードマッチで登録し、入札を異なる値に設定します。その際に重要なのは、完全一致よりも部分一致の入札を低い値に設定することです。

明確な意図があるのであれば、それに基づいて適切な戦術を利用すればよいのです。

上図の場合の戦術は、以下のような策略を踏まえた上での戦術です。

  1. 「サプリメント」というキーワードでは常に●位へ配置しておきたい
  2. 「サプリメント」というBIGキーワード以外にも、関連する検索クエリに対して出来るだけ広くも訴求したい
  3. 予算は限られている

つまり、これらの設定により、「サプリメント」と検索をする多くのユーザーにある程度指定の検索順位内での訴求が可能であり、限られた予算の中で幅広く濃いユーザーに訴求をすることが可能になります。

イメージで落とし込むと下図のようなイメージです。

簡単な図解ではありますが、イメージはつかみやすいかと思います。

あとは配信後のデータに合わせて、入札の微調整・除外キーワードの追加などを繰り返せばよいのです。簡単ですね。

部分一致と完全一致の効果的な使い分け/まとめ

少し長くなりましたが、基本はそんなに難しいことではありません。

重要なのは、どのような意図があり、それを達成する為にどのような戦術を採用するのか、これを決定する裁量です。

今回の内容を部分一致と完全一致の基本ベースとして考え、アカウント状況や取り扱うサービスの目標に合わせてカスタマイズすることがベストプラクティスとなり得ます。戦術なしになんとなく部分一致と完全一致を両方登録しているなんてことの無いようにしたいですね。

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