ソーシャルメディアマーケター美咲 2年目/感想
ソーシャルメディアマーケター美咲 新人担当者 美咲の仕事帳から早一年ですか。早いものです。本書は表題通りソーシャルメディアマーケター美咲の2年目を描いた書籍です。
前作の内容がソーシャルメディア担当者の入門書であるとするならば、この2年目はさながら応用編(上級者編)といったところでしょうか。実際にソーシャルメディアに取り組む際に避けて通れない、リスク対策、専門部署の開設、そして効果測定(ソーシャルROI)の3つのテーマが具体的に描かれています。
個人的に非常に興味深く読んだのは最終章である効果測定の箇所です。ソーシャルメディアバブルが弾ける、弾けないに限らず、しっかりとした効果測定が行えなければ今後のソーシャルメディアの進展はありえません。実際にソーシャルメディアをどのように考え、捉え、効果測定を行うのかという部分がストーリーの中に盛り込まれており、これが非常に興味深いです。
この思考は僕らのビジネスであればアトリビューション分析と直結します。ネットだけでマーケティングは完結しません。その為、広告効果を完全に計測・評価することはできない。だからといって論理構築で立ち止まって前に進まないよりも、ある程度割り切って前に進みながら悩み続ける方が得るものは大きいはず。だからこそ、一歩、もう一歩踏み込んで走りながら考える時期も必ず必要になってきます。
参考:アトリビューション分科会すべてに参加して思う”今”と”これから”
そんな内容を美咲のクライアントであるペガサス自動車の五十嵐はこんな言葉で本書内でまとめていて、非常に共感できるものでした。
「数値で計測できない効果は効果ではない」という考え方には反対なんです。プロとして、「この施策には間違いなく効果がある」と考えるものをいかにして数値化するかにこだわりたいですね。「風が吹けば桶屋が儲かる」のプロセスを明らかにしていくことも大切ですが、我々マーケターは「桶屋が儲かるために、どんな風を吹かせるか」という発想で効果測定や指標の策定に取り組むことが大切だと思います。
ソーシャルメディアマーケター美咲 2年目/まとめ
美咲は相変わらず可愛いし、普通にストーリーとしても楽しめます。ソーシャルメディアをビジネスとして取り組んでいる方には非常に参考になる”現場”の内容が盛りだくさんでお薦めです。
上記でも書き出したように、アトリビューション分析に関わる方にも”思考”の部分で参考になる個所も含まれていますし、個人的には現在と未来のリスティング広告の”役割”を改めて考えることができた面白い書籍でした。
そんなに重い書籍ではないのでスラスラ読めるのもうれしいですなぁ。
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