リマーケティングのリストを「絞込みする」という視点


前回はGoogle AdWordsのリマーケティングをユーザーの行動履歴から効率良く使う方法をご紹介しました。設定は少し複雑かもしれませんが、一度慣れてしまえばそれほど難しいものではないので是非トライしてみてください。

さて、今回は前回とは少し異なる視点でのアプローチです。リマーケティングのリストを”絞込みする”という視点をご紹介。

ページ単位によってリストを絞込みするという視点

ページ単位とはユーザーが訪問したページそのものを指します。特定のページに訪問したユーザーにのみ広告を届けることで、より効率的なリマーケティングを配信することが可能になります。例えばTOPページに訪れたユーザーを対象とするのと、エントリーフォームまで訪れたユーザーを対象とするのと、どちらがモチベーションが高いユーザーかは明らかですよね。


※[訪れたページ]単位でコンバージョンしていないユーザーのみをリスト化。

ただし、[TOPページ]を訪問したユーザーと[エントリーフォーム]までたどり着いたユーザーではそもそもの絶対数も異なってきます。このモチベーションと絶対数はトレードオフの関係になりがちなので、実際に施策をする際にはそのあたりも考慮する必要があります。

更に複数リストの掛け合わせを行うことで、更なるリストの絞り込みを行い、より効果的に配信することも可能です。


※[商品_Aページ]と[エントリーフォーム]の両方を訪れたユーザーで、コンバージョンしていないユーザーのみをリスト化。

このようなバリエーションが想定できると、他にもさまざまなバリエーションが思い浮かぶはずです。


Google AdWordsの管理画面上ではこのような設定で可能になります。

こういった形でページ単位でリストを作成すること、それをさまざまなバリエーションで掛け合わせることにより、より精度を上げたリマーケティングリストが可能となります。

リストを再考するという視点

更にリストそのものを再考する必要もあります。例えば1日で数万セッションを呼んでしまうような大規模な有料の広告を配信したとしましょう。それらによりサイトへ訪問したユーザーがすべてモチベーションの高いユーザーだとはなかなか言い切れないこともあるかと思います。中には直帰率が90%を超えるような広告も少なくないはずです。

そんなユーザーをリスト化してしまってはリマーケティングの精度が低くなるに違いありません。そういった場合には別途ランディングページを用意し、リスト化しないという選択肢も予め用意しなければなりません。


どれだけ質の高いユーザーを呼び込み、リスト化することが出来るかがリマーケティングの精度を高めるためには重要な思考となります。

尚、先日発表のあったGoogle アナリティクスのタグでリマーケティングリストを一元管理できる仕組み(http://adwords-ja.blogspot.jp/2012/07/blog-post.html)が導入されれば、直帰率やページビュー数などによっての柔軟なリストの定義も可能になることでしょう。これにより、Google AdWordsのリマーケティングは更なる進化を遂げるはずです。

リマーケティングの考え方

リスティング広告では配信そのものを除外キーワードや配信対象外サイトとして抑制することによってより効率の良い施策に導くことがオーソドックスな考え方ですが、リマーケティングという機能においてはその思考では良い成果を生み出しません。

リマーケティングでは”どこに出すか”が重要なのではなく、”だれに出すのか”という考え方が必要とされます。

これを主軸に考えれば、リマーケティングにおけるフリークエンシーキャップの設定や、時間帯配信の設定、配信地域の絞り込みだったり、除外サイトの設定によってリマーケティングそのものを抑制しようという思考が果たして、本当にベストプラクティスになり得るのかどうかは明白ですよね。

今回2回に渡ってご紹介したような”期間によるリストの絞り込み”や”ページ単位でのリストの絞込み”、またそれらのさまざまな”リストの掛け合わせ”を行うことによって、より効率の良いリマーケティング運用が可能となるでしょう。

盲目しがちですがリマーケティングでは”配信先”ではなく、”人”に視点を合わせることで、より最適な道が見えてくるはずです。

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場合によっては配信先も重要なケースもありますけど、それは本質ではありません。

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