2013年、リスティング広告業界の展望

新年、明けましておめでとうございますということで、各所で今年の展望が紹介されている流れに便乗して、2013年に考えられるリスティング広告業界の展望を3つほどご紹介しようと思う。

2012年の後半の流れを組んだ上でのチョイスと、私の身近な潮流なども反映されているので、まるっきりは当てにしないほうがいいかも。みなさんも身近な出来事などから予測してみたらよろしい。

スマートフォンとタブレット

2013年のトピックとして目が話せないのがスマートフォンを主体とした新しいデバイスの普及だろう。スマートフォンの重要性についてはいわずもがなではあるけれども、個人的には2013年はタブレットの躍進も目が離せないのではないかなと思っている。米国などでは既にサイト訪問者の一定数以上(10%以上)がタブレット経由であるなどともいたるところで叫ばれているけれど、日本でそこまでタブレット経由のユーザーが多いサイトはまだまだ稀であろうと思う。

ただし、タブレットはやはり便利だ。自宅などではPCを起動せず、iPad2やiPad mini、Galaxy Note、Nexusなどのタブレット端末で済ませてしまうような日が既に来ていて、この流れはもう止めることは出来ない。

参考:PCの検索量はピークに達した可能性あり

ここで記載されているように、PCの検索ボリュームはピークに達したという箇所よりも、個人的にはタブレットやスマートフォンに流れていく傾向がより顕著に表れる年になるのではないだろうかと思っている。

Google アナリティクスでもユーザーIDにより複数デバイスをまたがった分析を実現することができる技術であるユーザーIDコントロール(User ID Control)を導入することを踏まえても、この流れはより加速する年になるだろう。

PC、スマートフォン、タブレット、それぞれを最適化するのではなく、1ユーザーに対しての最適化を行うべき年となるはずだ。

参照:2012年Google Analyticsサミット報告-アユダンテ

ローカル検索

前出しのスマートフォンとタブレットと近しい内容ではあるけれど、スマートフォンを利用するユーザーの実に91%が地域情報を検索するという。

スマートフォンが今以上に普及すれば、地域情報の検索ボリュームが増加するのも必然的とも言えるだろう。

そして忘れてはいけない視点として、スマートフォンで地域情報を検索するユーザーは緊急度が高いということだろう。

例えば、あなたが急遽金曜日の夜に知人と飲みに行く事になったような場合を想定してみて欲しい。渋谷の金曜の夜、コストパフォーマンスの良い飲食店はどこも満席状態であるのは必死だ。そんな時、あなたの頭の中にある飲食店を選ぶ際のパラダイムは次のように自然にシフトする事になる。

「良質なお店」から「今すぐに入れるお店」へ

こんな時に食べログを見ている余裕なんてないのだ。大事なのは、そこに広告があること。それだけだ。スマートフォンはこの行動に対しての受け皿になり得るデバイスであり、スマートフォンリスティング広告はそれを容易にする手段なのだ。

※店舗型ビジネスのリスティング広告集客を行いたいという方は以下の記事が参考になるはずだ。
店舗型ビジネスのリスティング広告集客術、コンプリート版

尚、店舗型ビジネスの検索連動型広告集客を行う際、成果は地名に大きく依存することを忘れてはならない。検索ボリュームが無いということはそもそものニーズが無いということと同義といっても過言ではない。これは検索連動型広告のデメリットとして忘れてはならない。

商品リスト広告(PLA)

個人的な重要度をつけるとすれば商品リスト広告(PLA)が最重要になるのが2013年だろう。商品リスト広告について存じあげない方は以下の記事を参考にしていただきたい。重要な箇所はほぼ網羅されている。

参照:商品リスト広告(PLA)についてまとめてみる admarketech.

ざっくり言えば、Googleマーチャントセンター(Google Merchant Center)に紐付けられた広告が商品画像とともに表示されるのが商品リスト広告だ。

これまでの商品リスト広告は最大公約数で狙うのが主流だったが、今年はより具体的な最適化が求められる年になるだろう。現時点ではベータ版だけれどダイナミックリマーケテイング(Dynamic Remarketing Ads)などがその筆頭としてあげられるし、これらの機能は今年だけでも大きく改善・飛躍していくのは間違いない。

まとめ

細かいことを上げればまだまだある。

例えばソーシャルやブログなどの普及により、さまざまな施策や新機能を簡単に調べられるようになっているし、SEMcafeLICなどのデジタルでもリアルでもある交流の場の台頭により優秀なプレイヤーが増加していることなどによって、これまでよりも案件のリプレイスを劇的に成功させることが難しくなるだろう(業界としては非常に良いことだけどね)。

それから、英語を筆頭とした外国語での対応がより求められるようになる流れは加速する一方だ。少なくともうちでは信じられないほどに増加している。

このくらい押さえていれば2013年のリスティング広告業界を語るには十分ではないだろうかと思う。

ただし、昨年同様、今年も多くの機能がリリースされることを踏まえて考えれば、この業界は日々進化し続けているのだということを忘れては行けないし、多少逆説的ではあるけれども、最新情報ばかりを追いかけていても意味はないということを理解しておかなければならない。どんなデバイスを使おうが、どんな新機能でアプローチしようとも、届ける相手は変わっていないのだから。

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