あなたのビジネスの競合は本当の競合ではないのかもしれない。

リスティング広告において、競合他社の出稿状況、訴求点、価格、配送など、多くの調査が必要になってきますよね。ところが、競合他社というのは、自身が把握している競合他社以外にも隠れているかもしれません。

例えば、あなたが箱根の温泉旅館を営んでいるとしましょう。あなたの旅館の競合は、近くの旅館やホテルだけでしょうか?筆者はそれだけではないと考えます。

「お客様は何故、箱根の温泉旅館にいくのか?」

あるお客様Aは、仕事で疲れた日々の束の間の休息の為に箱根の温泉旅館を訪れたいと考えているのかもしれません。またとあるお客様Bは家族サービスの為に訪れるのかもしれません。双方とも、「箱根の温泉旅館に訪れる」という行為自体は同じ行為ではあるものの、「箱根の温泉旅館」に求めるものはそれぞれ異なるケースがあるということを把握していなければいけないのです。

このように考えると、お客様Aを対象とした場合の競合他社は「岩盤浴」であったり、「マッサージ」であったり、時には「おいしい食事を出す飲食店」なのかもしれませんし、お客様Bを対象とした場合の競合他社は「沖縄旅行」や「東京ディズニーランド」なのかもしません。そう、ジャワティーストレートが発売された時の競合が紅茶市場でなかったのと同様に。

※ジャワティーストレートの発売当時の競合は無糖市場だった。

このように、競合他社を表面的に捉えるのだけではなく、深く生活者の行動や認識レベルにまで降りていくことが大事なんじゃないかなぁと思うんですよね。

「箱根の温泉旅館」の競合他社は、決して安売りしている「その他の箱根の温泉旅館」、つまり同業者だけが競合他社ではないのです。このように考えることが出来れば、自身が運営している温泉旅館はどういったニーズを持っているお客様に訴求していくべきなのか?が明確となり、それは広告文やランディングページでの訴求もぶれることなく行うことが出来るようになるかもしれないですね。

2013年3月28日に発売される新版 リスティング広告 成功の法則にもそんなようなことを書いていたり、書いていなかったり。

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