ともに戦える「仲間」のつくり方/感想

何でもかんでも自分一人でやろうとしていないか?

見開きにあるこの言葉は、数年前の自分を見ているような言葉でもあり、今の自分を再度奮い起こす言葉となった。

本書はエグゼクティブの転職サイトで有名なビズリーチ南壮一郎氏が手掛けた書籍だ。ビズリーチがユニークなのは、従来型の転職サイトであれば企業からのみの課金となっていた市場を逆説的な発想で、転職者へ良質な情報を提供することで課金させるモデルを構築させたことにあるだろう。(実際にはさまざまな収益源があるようだけど、ここでは記載しない)

著者はモルガンスタンレー証券から楽天イーグルスの創業メンバーとなり、GM補佐など、一見眩いばかりの経歴を持ち合わせている為、ビズリーチ自体もいわば出来レースの中で立ち上げられたビジネスのように見えてしまうのだけれど、本書を読めばここで記載したようなエリート象からは想像できないほどに過酷な、そして壮絶な経験を経て、今のモデルを一から築き上げたのだということが痛いほど伝わってくる。

「何をやるか?」よりも「だれとやるか?」

表題通り、本書の大きなテーマは「仲間のつくり方」だ。「何をやるか?」も実際には重要なんだろうけれども、やはり行き着くところ「だれとやるか?」はそれ以上に重要だと言えるだろう。これはリーンスタートアップでも重要視されている。(チームが素晴らしければ、ピボットしてもどうにかなる)

ただし、創業当初、もしくは経営者が未熟であれば未熟であるほど「仲間を信じる」ことは難しい。全部自分でやらなければ気がすまない。でも、これではいけないんだよね。

仲間を信じ、任せる、今思えばこんな簡単なことが出来ないのだ。チームは約束を果たすことの連続で信頼を築き上げていくのだから、如何に早く、如何にスムーズにこの好循環に持っていけるかがベンチャーの肝だ。この殻を破らなければベンチャーは成長しないといってもいいだろうと僕は思う。

そして、「一緒に働きたい」と思えるメンバーを如何に巻き込んでいくか、これが僕自身の課題でもあるのだなと痛感させられ、目標がはっきりとした。

チームはやはり素晴らしい

仲間を信じるということは、他人の力を当てにすることじゃない。ともに戦っていくことだ。仲間に任せるということは、自分にできないことを丸投げすることじゃない。任せた仲間が最高の仕事をできるよう、全力でサポートしていくということだ。

何かを成し遂げるときにはさまざまな壁が立ちはだかるだろう。お金、固定概念、リソース、そして仲間。これ以外にも本当に多くのことがあると思う。それによって激しく落ち込むこともあるだろうけれど、チームであれば1人でいるよりもより多くの大きな問題に立ち向かえる確率はぐっと上がるはずだ。

うちの会社も今日から4期目。まだまだ達成していない大きな目標もあるけれど、その目標を目指して僕は今のチームで成し遂げたいと改めて思い、今後、大きな決断をすることにも躊躇しないだろう。

本書はそういった”後押し”もしてくれるに違いない。

ベンチャーに関わる全ての方へ

ここで記載した以外にも本書は多くのことを教えてくれる。

例えば、ビジネスアイデアの出し方から、仲間の巻き込み方、行動力の重要性、チームへのコミットメントなど、本当に多くのことがストーリー仕立てで書かれており、ベンチャーの教科書と言ってもいいほどに素晴らしい内容で、読んでいるものを飽きさせない。読みやすさ、面白さであれば名作である社長失格にも引けを取らないレベルだ。

読み進めるうちに次第にビズリーチという組織への興味がより大きくなっていくのも間違いないだろう。

本書はベンチャーに関わる全ての方へお薦めしたいと思う。

ともに戦える「仲間」のつくり方
南 壮一郎
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 102

告知、その1

拙書、新版 リスティング広告 成功の法則が発売されました。

告知、その2

リスティング広告を体系的に学べるワークショップを開催します。

広告主向けリスティング広告講座
4/18(木)スタート、限定15名の広告主向け実践リスティング広告講座

求人

ともに戦える「仲間」を募集しています。
アナグラム│採用情報

執筆/掲載記事

▲