コミュニケーションツールの弊害
私たちの会社ではほとんどのやりとりをチャットワークを利用しながら行っています。それは社内でのやりとりに限らず、クライアントサイドでもチャットワークを利用しているようであればクライアントとそれを担当するチームでのスレッドを作成して利用しますし、チャットワークを導入していない企業がより密に、よりスピーディーにコミュニケーションを取ることを求めてくれば、チャットワークの導入を促すこともあるほどです。チャットワークは、業務の効率化と会社の成長を目的とした、メール・電話・会議に代わるコミュニケーションツールです。
今ではチャットワークが無い状態でのコミュニケーションは考えられないほどに、私の生活にチャットワークは浸透しきっています。ありがとう、チャットワーク。
私たちが社内全体としてチャットワークを利用し始めたのは2年近く前になると思うのだけれど、チャットワークをはじめとするコミュニケーションツールには大きな弊害もあるのだな、と実感させられることが多々あるので一部共有しておきます。
コミュニケーションツールに向いていないもの、それは、教育としての役割なのかもしれません。例えば「これやっておいて」といったものはタスク機能などを利用すれば容易に管理が可能ですが、「何故、こうなってしまったのか?今後の回避策は何か?」となると、ちょっと向いてないんですよね。
発信する側、受け取る側、双方に問題があるのだというのを百も承知で申し上げると、チャットワークに限らず、こういった重要な内容をコミュニケーションツールを通してテキストで受け取ってしまうと、その重要度や深刻度など、つまり”感情”の部分をツールでは伝達することが出来ないんですよね。勿論、それが得意な人もいるでしょうけれど、僕の経験則で言えば、全員が全員感情をのせた文章を作成出来るかといえば、答えはNOでしょう。仮に発信する側は感情をのせたつもりでも、受け取る側は異なる解釈をして受け取ってしまうことが多々見受けられます。
そんなもんもんとしている時、こんな言葉を見つけたんですね。
人のコミュニケーションのうち、言葉が行うのは全体のわずか7%にすぎない。38%が声のトーン、そして実に全体の55%を占めるのがボディーランゲージで、そのほとんどが無意識のうちになされている。 by Peter Klein
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なるほど、そりゃ伝わりきらないわ。個人的にもんもんとしていた部分だったので、非常に納得したのでした。これ以降、私たちの会社では教育、という側面ではコミュニケーションツールの利用を出来るだけ控えるように取り組んでいます。その結果どうなったか、というのは正直今の段階ではわかりませんが、より聞きやすい環境、風通しの良い環境になってきているのではないかなという実感はあります。
尚、チャットワークは素晴らしいツールです。本エントリーはチャットワーク自体を否定するものではなく、コミュニケーションツールには役割があり、それには向き不向きもあるのだということを知るべきという、自分への戒めとも言えるエントリーである一方、これから私たちと同じ道を辿るであろう起業家たちへのメッセージでもあります。
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