予算を削減する時に気をつけなければいけないこと

リスティング広告の施策について様々な手法を記事に仕立ててきたつもりですが、今まで何故か頭でだけ考えて実行していた施策をアウトプットしてみたいと思います。それはニーズによってターゲットを分析して、費用対効果良くコンバージョンを獲得する方法です。

不況、不況とささやかれて1年近くたちましたが、僕の周りでもここにきて広告費の削減などが囁かれ出しました。会社を運営する以上、何かしらのコスト削減は免れませんが、リスティング広告や広告にて削減する場所を間違えると取り返しのつかないことになります。

この考え方ができる、もしくは提案してきた担当者がいれば、その担当者は信頼に値する担当者だと考えてもよいかもしれませんので、一つの指標として参考にして頂ければ幸いです。
 

ニーズによってターゲットを分析する方法

リスティング広告はターゲットのニーズ(検索クエリ)に合わせて広告を配置することが比較的容易な広告です。そのため、キーワードごとにターゲットを明確に分けることも可能になります。

リスティング広告でのターゲットを抱えているニーズごとに分析すると、下記のように3つに分けることができます。

  1. 既存ユーザー
  2. ニーズ顕在型ユーザー
  3. ニーズ潜在型ユーザー

既存ユーザーというのは、既に商品を購入したことがあったりその商品を「利用している」ユーザーのことを指します。ニーズ顕在型ユーザーは商品は知っているが購入に至っておらず、検討段階であったり、忘れてしまっているユーザーです。ニーズ潜在型ユーザーはまだ商品のことさえ知らず、何かしらのニーズだけを抱えているユーザーです。

図1
listing
※上に行けばいくほど、ユーザーの重要度が増してきます。
担当者は図1のターゲットごとにキーワードを洗い出し、グルーピングして施策を行います。

それぞれのターゲット層に合うキーワードは下記のようになります。

図2
target
なんとなく、掴めていただけるでしょうか?

上層部にあたる「既存ユーザー」はずばりブランド名、商品名の「指名買い」が主になります。また、中層部にあたる「ニーズ顕在型ユーザー」はブランド名、商品名の指名買いより少しずれたキーワードを連想させるような頭の中に残っている”イメージ”で検索をかけてくるユーザーです。下層部の「ニーズ潜在型ユーザー」は”悩み”直結型のニーズを抱えていますね。

ちなみに、リスティング広告の予算を削減する時に図2のピラミッドを理解していないと、ただ単にアカウントの1日の予算を1万円から5千円と設定を変えただけだとか、とんでもない施策を打ち出し、必ず獲得しなければいけない「既存ユーザー」を取りこぼすことになりかねません。

予算削減が大前提なのであれば、少なくても「既存ユーザー」の部分だけでもキャンペーンを分別して運用することで、大切なキーワードでの露出がなくなるようなことは避けましょう。

「既存ユーザー」キャンペーンの予算を独立させ、まだ予算が余るようであれば「ニーズ顕在型ユーザー」のキャンペーンも独立させて運用しましょう。

まず最初に予算削減対象になるのは「ニーズ潜在型ユーザー」の層であることを忘れずに運用することで、少ない予算でも最低限、ユーザーのニーズを刈り取ることができます。

予算を削減する時に気をつけなければいけないこと:まとめ

予算を削減しなければいけなくなったときには、下記のように設定するよう心がけましょう!

既存のユーザー
・予算全力投下

ニーズ顕在化層
・できるだけ投下、可能な限り

ニーズ潜在化層
・最初に削減するべき場所
キーワードの明確なグルーピングは最適化を行ううえでも、予算編成する意味でも非常に大事です。長文、失礼しました。

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