ブランド「メディア」のつくり方―人が動く ものが売れる編集術/感想


話題の方々が集まって面白い書籍がでたということで早速読んでみました。

本書は人が動く、ものが売れる編集術を記した”編集”にフォーカスした書籍で、私自身”編集”というものを考えさせられる時期であったのも、本書を手にしたかった理由のひとつです。

“編集”ってほんとに凄いんですよね。1だった価値を10にも100にもしてしまう。そんな価値を”編集”に感じています。

メンバー
奥村倫弘(Yahoo! JAPAN 編集本部メディア編集部長)
田端信太郎(ライブドア ブログメディア事業開発室室長)+中川淳一郎(ネットニュース編集者)
藤井大輔(リクルート 事業開発室ゼネラルマネジャー)
渡辺弘貴(スターツ出版 「メトロミニッツ」編集長)
今尾朝子(光文社 「VERY」編集長)
西田善太(マガジンハウス 「ブルータス」編集長)
小森浩正(東京ニュース通信社 元「テレビブロス」編集長・現「テレビタロウ」編集長)
田中陽子(扶桑社「en-taxi」担当編集長
柿内芳文(元 光文社 新書編集者・現 星海社 シニアエディター)
小澤知子(サイバーエージェント アメーバ事業本部プロデューサー)

ブランド「メディア」のつくり方―人が動く ものが売れる編集術/感想

シナリオを”編集”する技術
クライアントの伝えたいメッセージを世の中に伝えていくためには、どのタイミングでどのツールを活用し、どんな風にターゲットに語りかけるのか、そんなシナリオを「編集」する技術が必要不可欠です。広告キャンペーンを構築する仕事は、ひとつの雑誌の特集をつくる作業と似ていると思ってます。それは他の仕事についても同様だと思います。”編集”はユニバーサルな能力なのです。

“編集”の醍醐味とは?
“編集”の醍醐味は切り捨てることにある。

トライアングルハッピー
広告主のニーズと、消費者のニーズをマッチングさせることで、両方の満足を作り出す事ができる。そして、間をつないだ対価として、リクルートは広告主から料金をいただく。つまり、ここではお金の流れも含めて三者が幸せになるマッチングビジネス構造が成り立つ。

大事なのは視点
働く場所や分野はあまり重要じゃなくて、大事なのは視点。それも、柔軟な視点です。「○○」であることに固執しすぎると、何でもその枠組みの中でしか考える事ができなくなってしまう。

メディアごとの編集作法
メディアごとに異なる「編集」のスキル・作法を知る必要もあります。大事なことは「情報」を正しく、深く、多くの人に知ってもらうことです。その価値に人はお金を払います。情報に接触したときの受けての気持ちを想像できれば、おのずとメディアごとの「編集」の作法も理解できます。

ブランド「メディア」のつくり方―人が動く ものが売れる編集術/まとめ

一部ヤフー・トピックスの作り方と同様の内容が含まれているため、既にお読みの方には少々物足りない書籍に感じる可能性がありますが、メディアを作るようなビジネス、メディアにかかわるようなビジネスに近しい人には参考になる書籍だと思います。メディアというと大げさですが、ブログなどがその最も足る例なのかなと感じました。

後半にかけて内容がだいぶすぼんでいくので、本書のピークは田端信太郎氏と中川淳一郎氏の掛け合いだと思います。お互いにかなりはっちゃけた感じで議論し合って、いかにヤフー・トピックスに取り上げられようとしているのかなどだったり、独自性を作っている方法だったりは個人的に非常に面白かった箇所です。

特に”編集”に対する考え方や姿勢を自社の取り組みから導き出すにあたりにあたっては、なかなかこういった形で言及している書籍は少ないので重宝するかもしれません。

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