イメージ広告をバナー広告のように利用する方法

先日、Google AdWordsのディスプレイネットワークのテキスト広告とイメージ広告の効果的な使い分けという記事を書き、今までイメージ広告を利用していなかった方々も何となくイメージ広告の有効性を理解していただけたものと思います。

しかしながら一部の方は「なんだ、ただのバナー広告じゃん」という印象を持っている方も多いかもしれません。これは私がイメージ広告を説明する度に毎回のように言われる内容の一つでもあります。そんな方々に、イメージ広告とバナー広告の決定的な違いを解説し、イメージ広告をバナー広告のように利用して、本来のイメージ広告の使用方法とは異なる使用方法を書き出したいと思います。

イメージ広告って凄いんですよ。

バナー広告は顧客層を広げる為の広告

バナー広告は知ってもらうための広告です。つまり加藤公一レオ氏風に言えばバナー広告は「顧客層を広げる」ために成果を出す広告です。その為にバナー広告ではシビアなCPA(顧客獲得単価)の設定を求めすぎてはいけないということになります。

そもそも広げるため、知ってもらうための広告ですから、直接的なコンバージョンだけを追い求めているだけでは良い成果はなかなか得られません。

このあたりのバナー広告についてはネット通販におけるバナー広告活用という記事が非常に参考になります。

「買ってください」ではなく、「こういうのありますよ」という感覚が重要ですね。つまり、”気づきを与える”だったり”気づいてもらう”為の広告です。

今現在だとGROUPONなどはその筆頭でしょう。全く関連性のないサイトにでも平気で露出しまくっています。

イメージ広告は操作できる

バナー広告とイメージ広告の決定的な違いは、出稿先や出稿形態を時と場合によって柔軟に操作できるという箇所になります。

例えば、前回の記事でも書き出したように、関連性の高いサイトには直球的なイメージで獲得を取るためのイメージ広告を設定することで、獲得やCPAを基準として”大人の喧嘩”をすることができますし、関連性の薄いサイトへ配信する際には”知ってもらうため”の広告を配信することが可能になります。

イメージ広告の間接効果を測り、バナー広告的に利用する方法

バナー広告は顧客層を広げる為の広告で、イメージ広告は操作できる柔軟性が優れているというのはすでに書き出した通りです。

それらを理解した上で、通常のイメージ広告を出稿する際よりも関連性の少し遠いようなカテゴリー(サプリメントの関連性で言えば”40代女性”とかが少し遠いカテゴリーかも)のGoogle AdSenceの導入されているサイトへイメージ広告を配信し、直接的なコンバージョンを追い求めるのではなく、アドエビスのような広告効果計測ツールを利用して間接効果、貢献度を測り、イメージ広告をバナー広告的に利用することができます。
WebAntennaや他の広告効果測定ツールでも可能です。

これらは直接的にコンバージョンを狙うのではない広告ですが、どのような箇所に配信した時に”知ってもらうこと”が出来るのか、はたまた”起点”となりやすいのか、というものを探し出すことができるようになります。

※右側の赤枠内がここで説明している内容の図

イメージ広告では、こういった広告効果測定ツールを利用した貢献度分析を行うことによって、バナー広告としての役割の貢献度を計測することが出来るようになります。

尚、この手法だと、Google AdWordsのサーチ ファンネルでできるのではないか?と考えがちですが、サーチ ファンネルのデータ収集方法は「コンバージョンにつながった検索連動型広告のインプレッションとクリック」となっているため、イメージ広告の間接効果を測ることはできません。この辺りはGoogle AdWordsの今後の課題でもあるでしょうね。

また、こういったことを続けていると関連性が低いにも関わらず、通常よりも直接的なコンバージョンを生みやすいサイトを見つけ出すこともできます。CPA的に考えればですが、コンバージョンへのプロセス(潜伏期間)が短いサイトほど、良いサイトであると定義することもできるので、そういったサイトは進んでプレースメントターゲット(手動プレースメント)として設定することをお薦めします。

イメージ広告をバナー広告のように利用する方法/まとめ

ちょっと長々と書き出してしまいましたが、イメージ広告のさまざまな利用方法を理解して頂けたと思います。

私たちが考えている以上にGoogle AdWordsの配信パートナーは十分すぎるほど数多く存在しますし、新機能も次々と導入されるので、こういった根本的な機能だけど非常に重要な使用方法などが軽視されがちだと感じています。

今回解説したような、どこで待つのか?どこで訴求するのか?どこで気づかせるのか?また、それらをどのように分析するのか?という箇所は、これからのリスティング広告運用者には必ず必要になってくるスキルだと感じています。

勿論、誰に何を届けるのか?といった思考を考えた上での今日の記事ですので、分析ばかりに傾かないように気を付けましょう。一番重要なのはターゲットにしっかりと向き合うことです。

このあたりの細かい効果のある手法などは来年のセミナーで詳細にお伝えできればと思います。

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