リスティング広告業界、2010年を振り返ろう!

今年はリスティング広告に携わる方々にとっては今までにないほどの激動の年だったのではないでしょうか?

年末になり2010年のまとめ記事が公開されだしていますが、リスティング広告業界だけを振り返るのはこのSEM-LABOだけです!(今のところ)

※ちなみにここで取り上げるものはSEM-LABOの独断と偏見によってピックアップされたものです。特殊なアカウント以外に必要とは思えないような無用な機能(YouTube 動画、部分一致の拡張)などは含みません。

3月のリスティング広告業界

アドワーズ・サーチ ファンネル(AdWords Search Funnels)ベータ版を提供開

コンバージョンにつながった検索連動型広告のみ(ディスプレイネットワークなどは含まれない)のインプレッションとクリックがすべて計測されるのがサーチ ファンネルの特徴です。

検索連動型広告から検索連動型広告へつながりコンバージョン達した場合にのみ表示される機能なので、現時点でサーチ ファンネルを有効活用する手法はあまりないと言えますが、今後はこのサーチ ファンネルのようなさまざまな間接効果を取得できるような機能を利用して本当の広告の価値やユーザーの行動がより明確になっていくでしょう。

これは恐らくリスティング広告業界の2011年の最大の課題でもあると思いますし、うちも含め、さまざまな箇所で多くの取り組みが進められいます。

参照:アドワーズ・サーチ ファンネル(AdWords Search Funnels)ベータ版を提供開始

4月のリスティング広告業界

Google ローカルビジネスセンターが、Google プレイスに変わりました

店舗の持っているようなサービスを展開されている方々には欠かせない機能、それがGoogle プレイスです。

Google内で「渋谷 居酒屋」等と検索すると上図のように表示されるので、登録は必須ですね。しかしながら「渋谷 居酒屋」ではごちゃごちゃしていて結局は食べログなんかの点数で決めてしまいがちですが、小さい地域になると…


「学芸大学 居酒屋」だとこんな感じでギュッと選択しやすくなりましたね。Google プレイスはある程度の規模の小さい駅や地域になればなるほど、競合が少ない為に非常に有効な施策となり、集客へ大きく貢献するでしょう。

登録はWeb担当者Forumで執筆させて頂いたGoogleプレイスに無料で店舗を登録する方法ガイドをご覧ください。

Google AdWordsにリマーケティングが登場

Google AdWordsのヘビーユーザーにとっては今年の一番の大きな機能追加がこのリマーケティングではないでしょうか?一度サイトへ訪問したユーザーをAdSence網で追うことが出来るようになった非常に便利な機能です。

またさまざまなバリエーションで使用することができ、この設計次第では大きな成果を得られます。この辺りはまだブログにも書けませんが、来年必ずセミナーでやります。お楽しみに!

ちなみに私が知る限りでGoogle AdWordsのリマーケティングのベーシックなマニュアルはこのAdWords、リマーケティング徹底攻略という記事以外他に無いと思うので、利用する際には参考にしていただければと思います。

参考:Inside AdWords-Japan: Google コンテンツ ネットワークに、リマーケティング機能が登場!

6月のリスティング広告業界

Google AdWords、広告サイトリンク機能が全キャンペーンで利用可能に

元々は2009年に発表されていた広告サイトリンク機能が全キャンペーンで利用可能になり、より多くの見込み客を自社サイトへ誘導しやすくなりました。

筆者が行った広告サイトリンクのテストでは、クリック率が1.2-1.5倍になる傾向が多く見受けられました。

参照:Google AdWords、広告サイトリンク機能が全キャンペーンで利用可能に

Google コンテンツ ネットワークがGoogle ディスプレイ ネットワークへ名称変更

そこまで大きな話題にはなりませんでしたが、個人的には今後のGoogleが何を考えているのかを知る良いきっかけになった話題です。

以前にもGoogleがコンテンツネットワークをディスプレイネットワークに変えた理由で書き出しましたが、Googleはディスプレイでの価値を売り出しています。現在のディスプレイネットワークの精度と威力を持ってすれば、私達広告主と相関関係にあることは間違いないので、是非有効な活用方法を見つけ出してみてください。

参照:Inside AdWords-Japan: Google ディスプレイ ネットワークのご紹介: “Google コンテンツ ネットワーク”

7月のリスティング広告業界

Yahoo! JAPAN がGoogleの検索エンジンと検索連動型広告配信システムの採用

一番大きな話題でしたが、Yahoo! JAPAN が早ければ来年夏にでもGoogleの検索連動型広告の配信システムを導入することが決定しました。これでbingで利用されているMicrosoft adCenterを利用することは当面なくなりましたね。国内のリスティング広告担当者はほっとした話でもあったのではないでしょうか。

今後、日本では事実上Googleの検索連動型広告配信システムを理解していれば事足りることになるので、より正しくGoogleの検索連動型広告配信システムを理解することが重要になってくるでしょう。

また、検索連動型広告とは異なり、Google、Yahooで別々の配信ロジックを持つインタレストマッチやディスプレイネットワークの利用方法も今後はより深く理解し、他社との差別化を明確にしていかなければなりませんね。

参照:早ければ来年夏!検索連動型広告の配信システムを導入

9月のリスティング広告業界

テキスト広告の文字数制限に関するアドワーズ ポリシーが変更になりました


広告タイトル (見出し)半角30文字 (全角15文字)、広告テキスト1-2 (説明行1)半角38文字 (全角19文字)へと変更になり、より長い広告文での訴求が可能となりました。今まで言えなかったことや言いたかったこと等が盛り込めるようになり、より使いやすくなりましたね。

参考:Inside AdWords-Japan: テキスト広告の文字数制限に関するアドワーズ ポリシーが変更になります: “テキスト広告の文字数制限に関するアドワーズ ポリシーが変更になります”

Google AdWords キャンペーン エクスペリメント(ACE)がすべてのアカウントでご利用可能に

キャンペーン エクスペリメントは費用対効果が合いにくい、または合わないキーワードをどの程度まで入札単価を上げて勝負するのかがより最適なのかを少ないリスクで同時に導き出してくれる機能です。
利用方法はキャンペーン エクスペリメント(ACE)徹底攻略、Google AdWordsにてご確認ください。

参照:Inside AdWords-Japan: AdWords キャンペーン エクスペリメントがすべてのアカウントでご利用いただけます

インタレスト ベース広告にユーザー属性のカテゴリ機能が追加

ユーザー属性のカテゴリ機能を利用することで、年齢や性別などのユーザー属性のカテゴリに関連する広告を表示できるようになりました。ユーザー属性入札は特定の配信先内で商材に合わせたコアターゲットを狙い撃ちすることができる、非常に有効な施策の一つです。

利用方法などはユーザー属性入札でターゲットを細分化する方法、AdWordsにて書き出しています。

参考:Inside AdWords-Japan: インタレスト ベース広告にユーザー属性のカテゴリ機能が追加されました

10月のリスティング広告業界

リスティング広告 成功の法則:出版

手前味噌で申し訳ありませんが、リスティング広告 成功の法則という書籍を出版させて頂き、なかなかの好評を得ることができました。

私的にも初めての一人での執筆でしたしのでいろいろと大変でしたが、こうやって一つの形にできたということは本当にうれしい事でした。
まだ読まれていない方は是非この機会にでも!

参考:出版のお知らせ:リスティング広告 成功の法則

Googleショッピング導入

Googleショッピングによって買い物をするときに知りたい情報を、より簡単に効率的に探せるようになりました。すべてのECサイト関連者が慌てて登録申請を行ったために一時審査が全く機能しないなどのトラブル?もありましたが、現時点では既に審査が遅れるなどのことはないようです。

尚、GoogleショッピングにはAdWordsも掲載されるようになっておりますが、Googleショッピングが及ぼすAdWordsへの影響でも書き出したように、現状でGoogleショッピング専用に何かの対策を行うことはできません。

参照:Google Japan Blog: Google ショッピングが本邦初公開!

11月のリスティング広告業界

Yahoo!リスティング広告からアービトラージサイトが排除され続けている

大分前から話題になり続けていたYahoo!リスティング広告のアービトラージサイト。これらが急速に排除され始めました。尚、これらは既に11月より前から兆候は表れていたのですが、筆者が記事にしたのが11月だったもので11月のピックアップに入れています。

まだまだ完全に排除されたわけではありませんが、これからYahoo!リスティング広告もより良い媒体になっていく前兆かもしれませんね。

参照:Yahoo!リスティング広告からアービトラージサイトが排除されている件について

リスティング広告業界、2010年を振り返ろう!/まとめ

こうやってざーっと見返していくと、やはりGoogle AdWordsの新機能の紹介ばかり目立ってしまいますね。来年はYahoo!がGoogleの検索連動型広告配信システムを導入することにより、何かしらの動きがあるはずですので、そのあたりもこのブログではどんどん取り上げていきたいと思います。

ちなみに、去年2009年のリスティング広告業界を振り返った記事も書き出しているので、2010年と2009年を比べてみるのも中々面白いです。

執筆/掲載記事

▲