ハイエンド端末の地域ターゲティングを有効的に活用しよう


Google AdWords、Yahooリスティング広告、双方ともモバイルリスティング広告では地域ターゲティングができません。

このために多くの広告主がモバイルでの出稿を控えている、もしくは停止しているなんて話はよく聞く話でしたが、今後はそれらの傾向が大きく変化していくのは間違いありません。

ハイエンド端末(スマートフォンなど)は地域ターゲティングが可能

前述のとおりモバイルリスティング広告では地域ターゲティングが行えませんでしたが、ハイエンド端末(iphoneやAndroidだけではなく、ipadやタブレット系も含むため、ここではハイエンド端末と呼ぶ)では地域ターゲティングが可能となるため、特定の地域のみへの広告配信が可能となります。

尚、2011.05時点ではGoogle AdWordsのみがPCの広告とハイエンド端末の広告を分けて、地域ターゲティングが可能となります。Yahooリスティング広告ではスポンサードサーチ Ver.3導入後にモバイルに加え、スマートフォンやタブレット端末向け配信に対応すると明記されています。

ハイエンド端末の地域ターゲティングの仕組みを知ろう

実際にハイエンド端末に地域ターゲティングを行って広告を配信する場合、必ず仕組みを理解した上で利用しなければいけません。

では通常の携帯電話ではできなかった地域ターゲティングを、ハイエンド端末ではどのように行っているのでしょうか?

通常のパソコン向けのGoogle AdWords同様に、位置情報は検索クエリの分析から得られたものが常に優先されます。つまり、京都のホテルを探している場合などに「ホテル 京都」と検索をかけた場合、通常であれば下の画像のように表示されます。
”位置情報は検索クエリの分析から得られたものが常に優先される”というのは、つまりこういうことですね。

ここで思うような検索結果が表示されなかった場合に、再度「ホテル」とだけ検索したとすると、次のように表示される場合があります。

これは所謂パーソナライズド検索です。つまり、検索クエリの履歴を見ているわけです。

その他にも、検索クエリの分析、端末の位置情報、携帯電話会社の国などから地域を特定して広告を表示させています。

尚、検索クエリから所在地を特定できない場合には、使用する最適な位置シグナルについては優先順位が定められています。

Google AdWordsのヘルプキーワード ターゲット広告を表示する地域の判定方法に詳細は記載していますが、必要なものだけを抜粋して記載します。

  1. 端末の位置: ユーザーが現在地情報を有効にして検索を行った場合は、そのユーザーの詳細な位置情報を取得できます。端末の位置情報は、次に示すさまざまな情報の中から最も精度の高いものを使用して判断します。
    • GPS: 精度は GPS シグナルと接続状況に左右されます。
    • WiFi: 精度は通常の WiFi ルーターのアクセス範囲とほぼ同じです。
    • Google のセル ID(基地局)位置データベース: WiFi または GPS がない場合に使用されます。精度は基地局の電波強度と利用可能なデータに依存します。端末によってはセル ID 位置測位をサポートしていないものもあります。Google では、セル ID や WiFi の位置情報をすべて把握しているわけではありません。Google では、位置情報に基づいたサービスの使用が拡大するなか、サービス範囲と精度を向上させるよう今後とも努力して参ります。
  2. Google マップの表示領域: モバイル Google マップに表示される広告については、マップの表示領域から得られる位置情報を使用する場合があります。
  3. IP アドレス: ユーザーが WiFi ネットワークに接続している場合は、IP アドレスからユーザーの所在地を特定できる場合があります。ユーザーが携帯電話会社のプロキシ サーバーに接続している場合は、その会社の IP からユーザーの国を特定します。
  4. クエリの履歴による位置情報: ユーザーが行った過去数件のクエリから位置情報を取得し、ユーザーのおおよその所在地を推定して関連性の高い広告を掲載します。

これらの仕組みを理解しておけば、「何故こんなクエリで流入するのか?」といった疑問にも、容易に回答することが可能となりますし、どういった状況で広告が配信されるのか?がわかりやすくなりますね。

ハイエンド端末の地域ターゲティングを有効的に活用しよう/まとめ

ハイエンド端末の地域ターゲティングは今回上げたようなさまざまな要因から決定されているということになり、その精度はなかなか高いものだと推測できます。

その為、今までモバイルリスティング広告では地域ターゲティングを行えなかった方々も、ハイエンド端末に向けての出稿に関しては再考の余地があるかもしれませんね。

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